暗中模索

画集掲載用の漫画原稿を詳しい描き方もわからぬまま手探りで(やっと6p)描きました。「次回作は漫画ディスリンピックで〜す」と丸木美術館展覧会のオープニングトークでもハッキリと公言してしまい、この発言は米国の有名美術誌『Artforum』にも記載されて、私の漫画宣言は公約とまでいかないが世界の皆様との約束となってしまった!
どんな内容か?読者の皆様に特別先行お知らせすると…〈これは体育の祭典『ディスリンピック2680』の開催を控えたとある大都市での物語。優生学の権威・永井幽源博士に見出され育成された、最も優れた遺伝子をもつ美しい男子体操選手・日出鶴丸と、先天性障害を理由に、断種手術を施された地下アイドルグループ〈永遠ニ乙女団〉のセンターを務める美少女・月光。この正反対の宿命を背負った少年少女が出会い、そして彼らに今後どんな展開が待っているのだろうか…?乞うご期待!〉…以上が漫画の梗概です。
このファンタジー漫画の目指すところは、19世紀フランスの作家・ヴィリエ・ド・リラダン伯爵の小説に描かれた「耽美と変態趣味に隠匿された批評性」の漫画化です。と説明するほどに「?」ですが、これの断片である漫画原稿はさらに謎作品になりました…。

〈月光参上〉
A(月光)のコピー
頭上に飛来する夜間戦闘機『月光』はいうまでもなくこの少女の名前の由来である。
B29を下方から狙い撃ちする斜銃は、ドイツ軍では「ジャズ銃」と洒落た名で呼ばれている。先端に搭載されたレーダーが蛾の触角みたいで大変好ましい。