セレナーデ

現在連載中「朝日:歌壇俳壇」挿画の9月のテーマは《シューベルト歌曲集》です。シューベルトをドイツ語で歌うことをあっさり断念した私は、むかし覚えた日本語歌詞のセレナーデと菩提樹 (の一番)ばかり歌っています。堀内敬三という人が作詞した和文版セレナーデは、本家レルシュタープを凌ぐ素晴らしい詩で、メロドラマっぽいオリジナル歌詞に対し、詩的な言葉を呪文のように繰り返す不気味な静けさがなんとも秀逸!
〈秘めやかに 闇をぬう 我が調べ/静けさは 果てもなし 来よや君/ささやく木の間を もる月影 もる月影/ひとめもとどかじ たゆたいそ たゆたいそ〉…た〜ゆた〜いそ、た〜ゆた〜いそ〜♪の不思議な情感にチャレンジしたのが今回の挿画〈セレナーデ〉です。

歌集「白鳥の歌」より
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「白鳥が臨終の間際に発する最期の一声は、どんな鳥類の鳴声よりも優る」というへんな俗説から、シューベルト最後の作品集の題名は『白鳥の歌』と名付けられたという。しかしこの絵の中の鳥は当の白鳥ではなく、小夜曲(セレナーデ)に登場する夜の鳥(ナイチンゲール)である。

〈ディースカウ先生〉
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先生と一緒に歌えないけど. 先生の歌声は鑑賞する。
手前のCD『冬の旅』はドイツの新感覚楽団(アンサンブルモデルン)による演奏で、全くお手本にはならないし、歌っているのはディースカウではない。(新解釈版シューベルトでかっこいい)