マンションノルマ

一昨日夕刻の駅前で「待ってくださーい」と走り寄ってきたスーツ姿の青年は、冷たい小雨のそぼ降るなか傘もささず、手には傘ではなくマンション広告のボードを持ってた。そして私が歩を止めるや否や営業トークを開始するのであった。「研修中なので話を聞いてください」「お住まいはマンションですか?」「月々10万で購入可能です」「モデルルームを見学してください」……それに対し「借家住まいで、共同住宅は好きでなく、マンションを買う気はまったく無い」旨をハッキリ伝えたが、不動産業なのに借家の意味を知らない新人営業マンは話を続け、こう懇願する「モデルルームに3名ご案内するのが今日のノルマなんで、どうか見学だけでも…一緒に来てください!」と。

なるほど。同情の余地はあるけど、徒歩10分もかかる場所に移動して、はなから購入意思ゼロの相手に商品説明することなど、互いにとって徒労でしかない。ノルマ達成に血眼な会社員を哀れに思いつつ、「寒いので帰ります」と非情に告げて私は家に帰った。(見学者3名獲得できたかな?)

(偶然にも)
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勧められた物件は、以前に掲載のマンションポエム
〈世田谷区弦巻、静寂の高台。
大樹を継承する、美しき邸宅。〉
…その共同邸宅であった。