カテゴリー別アーカイブ: 出来事

車窓から

アナキストの生家へ向かう車中「篠ノ井線から見える景色は日本三大車窓だそうですよ」と学芸員Oさんが教えてくれたので期待して外を眺めていると、列車がスイッチバックで峠を越えてから長野盆地が窓の下方にチラチラ見えはじめた。写真を撮りたくて席を立ったり座ったりしてたら地元の人らしい女の子が「姨捨駅に着くと良く見えますよ」と教えてくれ、その通り一時停車した姨捨駅ホームからは、善光寺平の爽やかなパノラマが眼下に広がり青と緑が眩しかった。

その帰りは〈あずさ〉に初めて乗車した。にわか雨に濡れた刈り入れ途中の黄色い田圃や、白い花が満開のそば畑を見て、それからたくさんの知らない川を越え甲府から八王子へ、田舎から田舎へと走って新宿に着いた。私はタイミングが合わずうまく撮れない写真と、撮り損なって後方にどんどん流れゆく車窓風景を見ながら「いつかこんな油絵を描いてみたいものだ」と思った。

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姨捨駅ホームから

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あずさ車窓から

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なんでもない風景を描いてみたい(いつか)

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リヒターも車窓風景を描いたのかな?(竹橋の近美にて)

悪夢の元ネタ

先週日曜日、埼玉県東松山市の丸木美術館に行こうとしたら渋谷駅で乗換えを間違え、あらぬ方向に行ってしまった!長距離路線 Fライナーが途中でY字に分岐し終点が2つあるとは知らず、よくわからない埼玉県地名行きの電車に乗車。いつもと違う通過駅に「変だぞ」と気づき練馬駅で下車、混乱してきたので一旦池袋に戻って出直そうと思い、これまた何線かわからない池袋行きに乗る。着いた池袋駅でこんどは絶対に東松山に行く東上線に乗って「つきのわ駅」に到着…。2時間10分で着くはずだった美術館に3時間もかかってしまい、新幹線利用で京都に行くより時間がかかった。

頻繁に見る〈電車の乗換えに失敗し一向に目的地に着かない夢〉は、このような実体験が元になっていることは言うまでもない。

Yes! ヤオコー
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つきのわ駅前には埼玉の大手スーパー〈ヤオコー〉があり美術館の帰りに寄るのが楽しみ。
目当は言うまでもなくご当地の『太麺』だ。
Yes!ヤオコー!Yes!岩崎食品!

危ない危ない

先月の長野県岡谷遠足はそのあと電車に乗って下諏訪町に移動。岡本太郎が有名にした野仏〈万治の石仏〉でも見ようかとブラブラ歩いていると、諏訪大社下社 春宮の参道入口付近の路傍に無人100円ショップを発見する。昭和時代の茶箪笥に見られる古臭い食器類、居間の飾棚にあった典型的置物(ポーズ人形や創作コケシ)など、引越しの際に捨て置かれたような数々のガラクタは(姿のない)店主の価値観により100円以上と判断された商品なのだ。

私が100円支払っても良いと思えた唯一の商品は「岡谷映像サークル95年度銀賞」のトロフィーで、カメラを構えた男の立像が魅惑的な置物だ。しかし、このトロフィーをはじめ陳列商品の多くは、7年前の旧ランド大引越しで処分した品々に大変類似しており、同様のガラクタを再び現ランドに導入することは御法度である。旅先の解放感でウッカリ購入してしまうところだった!危ない!

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不法投棄ではない〈無人ガラクタ市〉

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料金箱を護るかわいい幼鳥たち(1羽100円)

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トロフィーの誘惑

大人気!万治の大仏
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「願い事を心で念じながら巨大石仏の周りを3周すると成就する」といういかにも後付けっぽい霊験の流布で、現世利益を望む人々がひっきりなしにグルグル廻り続ける…(途切れた瞬間を激写)。
私もその輪に加わりグルグル廻ったが、現世的な望みの内容はナイショにしておこう。

好きなことに理由など無い

先週末ルーマニア人美術関係者が風間ランドを視察に来た。まずディスリンピックの部分を見せ「これは優生思想を理想とする全体主義国におけるオリンピック開幕式です」と説明し、それから室内を見てもらった。飾棚に3号突撃砲を発見した氏から「パンツァー好きですか?」と訊かれイエスと答えた。その後「どうしてドイツが好きなのか?」と質問されたので、ドイツの哲学/音楽/絵画が好きだからとお答えするが「他にも理由があるはずだ」と納得せず続けて詰問される。実は〈何となく〉が本当の理由なのだが、言語化を強いられる美術業界ではボンヤリした発言が許されないことを私は知っている。

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Do you like Panzer?

さよなら野蒜石

昨日は無人島仲間と日帰りで石巻リボーンへ。往きの仙石ライン(東北本線)では線路に不審者が侵入し、その処理(警察の説得?)に長時間要し電車内で90分も足止めを食ってしまった!その人が線路に入った理由と安否は不明のまま、元気市場でお土産を買ったり仙台で飲んだりと観光気分を満喫しました。もちろん短時間だけど展示も見ました。

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7ヶ月ぶりに日和山山頂・鹿島御児神社を参拝したら、見たことのない可愛いウミガメ親子がいた。

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帰りに自動車で野蒜海岸に寄ってもらい、夕闇のせいで昼間よりずっと巨大に見える鷲ノ巣岩に別れを告げた。
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さようなら!

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仙台の居酒屋で店員さんに地元の日本酒を所望。
最初に九頭龍(福井)、2番目ゆきの美人(秋田)
最後の日高見でやっと宮城県石巻。
地元のお酒は硬質な辛口「日高見」だけだったけど…ぜんぶ旨かったから良し。

縄文の里・岡谷

長野県岡谷市の市街地に、虫も肉も食べない私に好都合な肉無し料理店を見つけたので、そこで菜食ランチを食べることにした。一軒家のような店内にはチルい中年カップル客が数組おり一人は私だけだった。
徒歩で来店した客が珍しいのか、店主から「どこから何しにいらしゃったんですか?」と訊かれ「東京から来て諏訪湖の水門や丸山タンクなど見て周ってます」と答えると、主「マニアックですね!じゃあ縄文土器は見ましたか?」私「もちろん!素晴らしかったです。」主「子供の時は通学路に土器の破片が普通に落ちてて、ジョーモン!ジョーモン!これ縄文じゃん!って感じにゴロゴロ落ちてましたよ。取っておけばよかったなぁ」
…と楽しいお話を聞かせてくださったが、思うに、もともとこちらの観光資源が水門/タンク/縄文なので、マニアックなのは見学者の私ではなく(あなたの地元)岡谷市の街自体だろう。

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ランチプレート1200円 (穀物菜食の店・たなこころ)
車麩のカツがおいしかった

〈岡谷美術考古館〉
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縄文/古墳/平安時代の美しい出土品が多数!

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かわいい人形破片

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縦穴式住居とお子様

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お土産コーナーに何故か〈日本海の石〉
海無し県長野ならではの海への憧れだろうか?
その憧憬はよりどり3個100円で手に入る(もちろん購入)

たまちゃん、とっぴちゃんへ

お便りありがとう!今さっきコメント欄に気がつきました…懐かしさで涙が出そうです。
私は二人が知ってるあの時のまま変な中年になり一方通行なブログを書いてます。交流しない偏屈なルールが原因で気がつくのが遅くなってしまい猛省です…本当にゴメン!すぐに連絡したいのですが、返信する方法がわからないので代わりにここに書きますね。
…小中高と友人の少ない私でしたが仲良くしてくれて救われました。そして、何十年も経ったのに思い出してくれたことに感謝です!返事の仕方が判明したらまた連絡しま〜す。
(ほかにも沢山の方々からのお便りに返信できずスミマセン…薄情な人間と思わず今後もご愛読のほどよろしくお願い致します。)

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ありがとう!必ず返信の方法を見つけます…

岡谷市遠足

人情派アナキストM.Kが遺した作品群の調査は、研究者A氏と有志達により地道に進められ、いずれ全貌が明らかになる日が来るだろう。今は記録写真の公表が禁じられているので、代わりに長野県岡谷市遠足の写真でもご覧ください。

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坂上のどん詰まりに建つ民家の脇に細い階段がある。民家の敷地内っぽいので侵入がためらわれるが、ここが産業遺跡に続く道なのだ。

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草の生茂る丘の頂上に突如現れたレンガ造の巨大円形構造物.
立地からして高射砲の台座のようだがそうではなく、これは製糸工場への給水に使われた大正3年竣工の「丸山タンク」だ。外周約38m 高さ2m

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内側には同心円のコンクリート壁が二重にある。

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遠くに見えるのは諏訪湖唯一の水門「釜口水門」

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放水の音を轟かせ聳え立つパナマ運河方式の巨大水門

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アオコっぽい緑の諏訪湖 (強風で落っこちそう!)

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よい子はかわいい淡水魚看板の忠告にしたがおう(すごくキケン!)

松本グルメ

大正アナキズム文化保存活動の同志達と別れて松本駅前のビジネスホテルに一泊。この老舗ビジホ飯田屋には1階に「駅そば」が併設されており立喰蕎麦も楽しめる超便利な宿泊施設だ。
空腹の絶頂にあった私は真っ先に「駅そば」へ…コの字カウンターの向こうで一人で切り盛りする三角巾をかぶったオバチャンに食券を渡し、山菜とコロッケをのせた蕎麦をいただく。すっごいモソモソ麺と甘じょっぱい汁が染みたコロッケが懐かしく、これぞ由緒正しい立喰蕎麦の味。それもそのはず、こちらイイダヤ軒は大正9年創業のお店で古さでいったらピカ一だろう。

創業100年の蕎麦屋は当然ビジホより先にあるはずなので、もしかすると「駅そばに併設されたビジホ」というのが正しいだろうか?いや、厳密には駅構内でないので「駅そば」でもないから「駅のそばにあるビジホそば」が正しいか?

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駅のそばのビジホにあるそば「駅そば」
椅子があり座れるので「立喰い」ではない

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ドンブリ縁にもたれ立つコロッケ。なるほど、このように乗せれば汁でビチョビチョにならずサクサクがキープ出来る。ベテラン従業員の技を見た!(かけ蕎麦+具で570円)

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食後のデザートは駅ビル物産店のソフトクリーム
フレッシュな牛乳の味、これで100円とは安い!

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物産店では郷土食の昆虫加工品が目白押しだったが蜂幼虫瓶詰めは遠慮して、信州ワインを買って部屋で晩酌。なかなか美味い!
ホテル客室の鍵が松本城カード!欲しいけどこればっかりは貰えない…(私は松本の城は見ず、翌日は岡谷市で遠足)

大拙カード

昨日は青山のワタリウム美術館で『鈴木大拙展』を観てきた。生活と禅と芸術は等しいものであると仮定して、大拙&幾多郎の書を中心に禅に関連する人物、作品を紹介する展覧会で、中には「龍安寺」を作曲したJ.ケージや東洋思想を感じさせるNJ.パイクの作品もあり、禅が現代美術に影響を与えたということが示唆されている。
鈴木大拙先生の伝導活動は、精神と物質の差異を無化してしまう〈霊性〉という理念の提唱であったと解説に書いてある。これはどういうことだろう?会場に飾られた書や木喰を眺めているうちにボ〜っと惹き込まれ、モノと自分が同化するような感覚に近いのか。私の場合は霊性に昇華するより先に物欲が生じヤフオクで似たものが売ってないかな?と思っちゃう。現に大拙先生が携帯してたミニ厨子に収まった可愛いミニミニ文殊菩薩を見て先ずそう思った「売ってないかな」
もし入手できたらスマホを捨てて携帯菩薩を所持しよう…そして皆さんとは音信不通に。

禅は無道徳であっても、無芸術ではない。(いいですね)
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各階でもらえる大拙先生の言葉カード計6枚
これらカードの文章の中にはアート文献の語彙との近似を感じるものもある。そういう点でも影響があるのだろう(ニューアカの原点を見るような)