月別アーカイブ: 2014年7月

夜のともだち

日が暮れて夜になると台所の窓にヤモリが来ます。初夏から晩秋のあいだ、台所の蛍光灯に集まる蛾や羽虫を食べにやってくるのです。
夜に作業してるので、このヤモリたちの捕食やケンカなどの行動を見るのが結構良い息抜きです。毎晩かわいいヤモリたちに会うのが楽しみで仕方がありません!ヤモリはだいたい2〜4匹ガラスにくっついてますが上下関係でポジションが決まっており、デカいメスは一番虫の集まる明るい正面を陣取り、オス達は仄暗い小さい窓にくっついてます。エサにつられてウッカリ強いヤモリの側に近づいてしまうと「あっ危ない!」と思ったが早いか「カプッ!カプッ!」と鼻先から思いっきり頭を噛み付かれ、ビックリ仰天、泡食って退散です。….ヤモリは偉いな〜って思うのは、これ以上相手を深追いしないこと、カプっと噛むのも嚇かす程度でケガをさせることは絶対ない。加減を知ってます。
それにひきかえ人間ときたら!宗教、民族、国家と人間が創った「崇高」な概念の奴隷になって殺したり殺されたり…理性は中世のまま兵器は進歩するので結果は惨く絶望的。列強の描いた地図上の戦争を国連が国際法で裁くというのも今更むなしい…。現状のパワーバランスで政治ゲーム的なジャッジが繰り返さるだけだし。愚かだね!

yamo2
これぐらいの距離ならギリギリ大丈夫です。もう少し近づくとケンカ勃発。
ヤモリ界ではデカい女がモテる!大きいメスが良いエサ場を陣取り栄養をつけて、丈夫な子孫を沢山残すというシンプルな自然淘汰。
yamo3
朝になると寝床に帰ります。バイバ〜イまた夜ね。

 

なしくずし作戦

札幌の航空ショーに参加するとのことで、あの問題アリ輸送機、オスプレイ2機が沖縄普天間飛行場から給油の目的で横田基地に飛来して来た。このイベントを主催する北海道航空協会の側から米軍に協力要請をしたそうだが、何故オスプレイなんだろう?防衛庁は今後5年間で17機のオスプレイをアメリカから購入し陸上自衛隊に配備することを決定しているので、こうやってチョっとずつあちこちに飛ばして市民の皆さんに慣れてもらおう、ぐらいの意図か?
横田基地の周辺ではもちろん反対の声があがり報道されたけど、NHKが取材した中高年主婦の意見にビックリ!60代後半のおばちゃんは「ダンナも私も基地の世話になってるんだから反対なんかしないよ。反対する人は勝手にすればいい。」50代主婦(若作り)は「反対してもしょうがないじゃないですか〜。それより米軍基地で民間機の利用ができるようになって、ここから海外旅行に行けるようになったら便利ですよね!」なぬぅ〜勝手なご要望!これ以上航空機の離発着が増えたら騒音はどうなるのか、このひと真性バカだ。絶対無理だし。この二人にくらべたら若いお母さんの「子供がいるから心配」という声は尤もだったが…。それにしても自分の半径5メートルぐらいの視野しか持たず、「自分にとって損か得か」ぐらいの判断能力しかないのでしょうか?このまえ横美で会った「なんで日本はイジメられるんですか?」の人も然り、この「生活圏=世界」の世界観って、高度成長期の豊かさとバブルをまともに体験した世代の「生活の充実がすべて」というプチブルな価値観から生まれてるのでは、と穿った見方さえしてしまいます。ことの経緯を掘り下げず、現状が自分にとって悪くなければそれでいい。思考が停止してるというか…。現実、空から米軍機が墜ちて来たらどうなるか?59年に沖縄で起きた、宮森小学校米軍機墜落事故の凄惨な現場の写真を一度でも目にしたことがあれば「どうせ自分の所には墜ちないでしょ。」という安穏とした気分は吹っ飛ぶと思うけど。
こうやってボヤボヤしてるうちに武器の部品輸出がOKになり、米軍パトリオットの何パーセントは日本製となってガザ地区侵攻にいつのまにか加担することに!アベノミクス経済振興策の地下茎が原発と武器部品の海外輸出でいいのか?わたしは嫌だなー。こういう商売をしないことがこんな日本でもマシな部分だったと思う。「積極的平和」の平和利用商売で日本の株が上がるか下がるか…「被爆国」という看板は間違いなく色褪せますね。

悲報☆
フリップ。
「この米国輸送艦には皆さんの家族が乗ってるかもしれません」と情に訴え、集団自衛権行使の必要性を力説した安倍総理でしたが、15日の予算委員会で民主党の議員から「米国国務省のホームページにはアメリカ人以外の市民を艦に搭乗させることはありません。と書いてありますよ」と指摘されてた・・・一事が万事。こんな嘘を平気でつくリトル妖怪くんの二枚舌。

ピコピコ☆ポヨポヨの夏

梅雨明け前なのに暑いですね〜。去年の今頃は、六本木クロッシングの制作地獄のまっただ中でした。ヒカシュー『夏』をヘビロテで聴きまくり「パイク」を無心で歌いながら版木に向かってたあの日…。あれ以来なんか辛くて『夏』から遠ざかってたのですが、最近やっと夏気分で夏復活!!でもって気がつけばまた締切り地獄!ギャフン!
今年もカンヅメの夏ですが、テレビでのスポーツ観戦が日々の楽しみです。しかし、ウィンブルドンは芝の帝王・フェデラー様が敗北。ワールドカップは応援してたドイツが勝って良かったけど、決勝ゴールを決めたゲッツェのプライベート写真にがっがり…。そして始まった大相撲名古屋場所も、期待してた豊真将がまたケガ!またか〜。しかも全治二か月の大けが。相撲紳士・豊真将は心技体を持ち合わせ実力もあるのにケガや病気(初場所は盲腸)に泣かされてばかり。真面目にコツコツやってるのに本当に残念です。めげずに頑張って〜!

cd
夏はピコピコ&ポヨポヨ(80年代)
平積みなので上の2、3層をひたすら聴いて、飽きて限界きたら下をほじくり返す….。
『夏』のボーナストラック「ガラスのダンス」は実写版「加山雄三のブラックジャック」の主題歌です。ノッポで痩せたピノコ、昼の顔はギャラリスト(?)のブラックジャックに衝撃!
LIOの『ポップモデル』はレコード屋さんで5千円前後するのですが、先日、レアもプレミアも無縁の謙虚な店(ブックオフ)で500円で購入。ポップだけどエレではなかったです。
RENALDO&THE LOAF の『アラビック ヨーデリング』タイトルも音楽も謎な脱力感と清涼感!
海辺の変な仲間が大集合!かわいいジャケはSnakeFinger『マニュアル オブ エラーズ』
電卓叩けば脳内で流れるKRAFTWERKのあの名曲!ありがたい日本語バージョン入り。

Ego&His Own

大杉栄のアバンチュール自叙伝『死灰の中から』のなかに登場する、伊藤野枝の元夫〝弊履の亭主 T ″こと辻潤。この作中ではボロ草履呼ばわりされヒドイ扱いですが、辻潤の記した「死灰の中から後日談」的エッセイ『ふもれすく』を読むと、大杉に小馬鹿にされてた辻が、実は教養とユーモアセンスにあふれた人物であることがわかります。東京っ子らしい軽妙な口調とデタラメな態度には「江戸前ノンシャラン」といった風情があります。そして関東大震災後の甘粕事件で大杉と野枝が虐殺されたことを「アマカサれた」と表現するあたり、どんだけ乾いてるんだよ?と言いたくなる程、締念の域に達しちゃってるようなドライな感覚すらあるのです。
さて、気になる辻潤が翻訳した本『唯一者とその所有』を読んだのですが、この原書を書いたシュティルナー自身、思想や主義と呼ばれるものに懐疑心をもっているせいか、読者に「思想を手中にした」と錯覚させるようなアフォリズムやスローガン的文章はありません。(否、この文章すべてがスローガンなのかも知れないが…)なので所謂、文章のツカミのようなところが少なくて、正直読みづらかったです…。力強いうえに長い!一行一行を咀嚼すればもっと収穫のある本だと思うのですが、時間がないのでザックリ斜め読みです。

この若干忍耐のいる文章を、自称スティルネリアンの辻は持ち前の軽妙さで、スティルネル愛に満ちた翻訳に仕上げました。辻潤エライ!でもってこの「唯一者とその所有」の内容はというと、唯一者、エゴイストとはなんぞや?というのがテーマで、人間の本質を上において擁護するキリスト教への批判、フォイエルバッハの哲学にたいして不備を指摘、共産主義の正体、国家に於ける自由の不自由、平等という虚像、共同体=絆の真価などなど…が痛烈に書かれています。…労働の対価には相場があるけど、唯一者のクリエイティブな仕事に相場はないんだよ。プロレタリアは取られたって叫ぶけど、そもそも何を所有してるわけ?封建制度、社会主義=ルンペン(笑)革命は組織に帰す、叛逆は無制度へ向かう!脱却、解放が「自由」なんて甘い!自由は所有だ!・・・めちゃくちゃ乱暴に要約するとこんな調子です。自己の為の自己による「自我経」←辻潤命名。人道的慈善家が眉をひそめる徹底的な自己尊重!それを利己主義と片付けるのは容易ですが、実行の面前には「唯一無二の自分」を自覚するという条件の壁が屹立しているのです。

はたしてエゴイストとは何か?…この長い文章の河を辛抱強く下っていくと河の出口、即ち大海の入り口に掲げられたこの5文字を吾々は見いだすであろう!『創造的虚無』!
創造的虚無!そして吾々はスティルネルによる結びの一文によりエゴの意味を確認する。「自分は自分の力の所有者である、それは自分自身を無二として知る時のみそうであり、唯一者に於いて、所有人彼自身は彼の創造的虚無に帰る、其処から彼が生まれて来る。自分以上の一切の本質は、それが神であれ、人間であれ、悉く自己の唯一性の感情を薄弱にする、そして、それはこの自覚の太陽の前にのみ蒼白くなる。若しも自分が唯一者たる自分自身のために自らを干与するならば、その時、自分の干与はその刹那に変わる、具体創造者の上に安住し、創造者は彼自ら消費して自分は〝万物は己にとって無だ″といい得る。」…所有者とは既に「持っている」唯一者のことである。唯一者は所有のすべてを自己に消費する。自分以外の万物は自分になんら関与しない「無」である。

自ら消費するための「財=才」が不可欠、しかも俺以外は無という心細さよ…これは自己超克 byニーチェ以上に過酷です!しかしながら、空しい響きの「虚無」が「創造的」と装飾された瞬間、虚無は充実し僅かな光明をもたらすのです。実力のすべてを使い果たすこと、YES!創造的虚無!虚☆無限大で頑張ろう〜っと。。。
(序文ではニーチェはスティルネルの良いとこ取り、とパクリ疑惑を指摘しているけど、ニーチェは優秀なサンプラーでフレーズの魔術師だからPOPにヒット飛ばしてもイイYO!NE!)

tj
辻潤著作集 6 「唯一者とその所有(自我経)」昭和45年 オリオン出版社
…表紙に原作者マックス・シュティルナーの名前はありません。これでは辻潤のオリジナルみたいですね。(ドイツ語の原書を英訳した本を辻潤が和訳。著訳書は1920年発行)
アナボル論争が盛んだった大正10年頃、アナキスト達から支持されたシュティルナー。
「国家は個人性の最大の敵」の主張に黒色青年たちは共感したのでしょうか?

シュティルナー
ピョロっとした似顔絵しか残っていないマックス・シュティルナー。
唯一者を標榜した哲学者の末路は孤独死でした。(毒虫に刺されて死亡、餓死説も)
シュティルナーを愛した辻もまた、シラミにたかられ餓死した姿で発見されたのです。
嗚呼!すべてを無に置いた孤絶論理の厳しさよ・・・!!

人間の皮を被った人道

「この似非ヒューマニストめ!」この罵声を誰に浴びせよう!
ハンセン病差別と闘い続け、今年5月に亡くなった谺さんと神さんを追悼する番組、NHKアーカイブス「特集:ハンセン病の悲劇を繰り返さない」で放送された「ハンセン病 隔離はこうして続けられた(2001年放送)」というドキュメンタリーを見て、あらためて悪の枢軸(そう私は思ってる)内務省と厚生省、そして医師・光田健輔…に憤り着火です!
業病と忌み嫌われ浮浪の民となった患者を「人道的に」施設に収容。子孫を残すことを禁じられた患者でも愛し合えるようにと「人道的に」ワゼクトミー(断種手術)を実施。一般社会に出たら差別に晒されて可哀想という「人道的な」気遣いから社会復帰させず…人権蹂躙の人道的行為のおぞましい歴史!戦前の「あなたたち患者は民族浄化の戦士、伝染も恐れず介護する私達は白衣の天使!そして私達を導く大天使、ああ光田センセイ!」といったクレージーな美談も療養所(収容所)の真実を覆うのに加担してたようです。…戦後もプロミンという特効薬が開発され完治の道が拓けても、頑として強制隔離の正当性を譲らず、患者達が「全患協」を組織し起ちあがると飼い犬に噛まれたとばかりに、昭和28年に「癩予防法」から「らい予防法」にさらに改悪して解放の希望を絶ち、この悪法はなんと1996年の廃止まで存続したのです。予防法成立から関わってきた官僚、医師らの非を認めたくないというメンツだけ、たったそれだけで人間の自由を奪い続ける…マジ不条理。

愛生園・光田園長の愛弟子の言葉は人道愛に満ちています。「生前、先生は患者が社会復帰したらどんなに辛い思いをするかとても心配されてました、生活能力もなく差別にも堪えられないでしょうから。」…罹患者を野犬狩りのようにトラックで連行し、この悪夢のような光景で世間に恐怖心を植え付け差別を増長させた張本人は誰か?社会と断絶させ生活能力を奪ったのは誰か?ということです。らい予防法成立のさい療養所からの足抜け罰則強化を強く要望したのは他でもない光田この人です。「救癩の父」と呼ばれ「らい予防法」成立と存続を牽引した光田健輔。栄誉を称えられたヒューマニストの首にはまだ燦然と勲章がぶらさがっているのです!

karikomi
癩根絶を旗印に行われた「無癩県運動」患者狩り。
近所から学校から職場から密告(義務!)された罹患者はトラックにのせられ療養所に収容。これを「刈り込み」と呼んでいた。民族浄化=排除という手段ですすめられる富国強兵。国民優生法、優生保護法しかり。
「今日は医師が不在だから」という理由で豚の去勢担当係の手によって断種手術をされた。という男性の証言に、人道とは名ばかりの施設環境が浮き彫りにされます。

復元された栗生楽泉園の重監房を見に行きたいのですが、群馬はちょっと遠いのでまずは東村山のこちらに行ってみたいで〜す。→ 国立ハンセン病資料館

 

世界の鬼!

最近、制作に追われてめっきりブログの更新が鈍くなってしまいました。大変!このままでは自然消滅?という心配にかられ、今日はむりやり昔のチラシを紹介してお茶を濁そうと思うが許してくれたまえーーー!

oni
20年くらい前にお弁当屋さんでもらったチラシ。

「世界の鬼当てクイズ」
日本だけでなく、世界各国にも鬼がおります。下の鬼は、どこの国のものか当てて下さい。

これは難問です!これを正解して「日替わり弁当無料券10枚」をゲットした猛者(1名)がいたのかは未確認ですが、鬼当てクイズに勝利して弁当10個消化したら一生の想い出になりそう…。どこの何という弁当屋かという基本情報は一切なし!販促効果の期待なんて邪心、と言わんばかりです。「鬼がおります」という静かな口調には、鬼の存在をはなから肯定し全く疑いの余地がないところが素晴らしいですね!