月別アーカイブ: 2014年6月

日和見サンデー

日曜日の朝はTBS「サンデーモーニング」は放送時間が早過ぎて見れず(起きれない)しょうがないのでテレ朝「報道ステーションSUNDAY」と「サンデースクランブル」を続けて見る事に…。
「報ステSUNDAY」は一週間の出来事をリベラル風味に報道する番組なのですが、問題はこの後の「サンデースクランブル」です。テリー伊藤が降りてからやたらと嫌韓、嫌中キャンペーンを張ってます!最近の傾向は、2割が外国人女性のお色気情報で、8割が韓国中国のネガティブな情報で構成されているかんじです。たとえば、中国のマナー違反、公害問題、バブル崩壊。韓国の整形事情、政治汚職、貧民街などなど毎週同じ「困りましたねぇ(愚かですねぇ)」というスタンスで報道。そしていつの間に番組のオピニヨンリーダー的座についた黒鉄ヒロシがしたり顔で語るのがなんとも痛い。普通に他国を「野蛮国」と言い切る問題あり過ぎのおっさんですが、右傾諸君からは支持されているようですね。叩きがいのある中国、韓国を嗤って一週間分の凹んだプライドも復活ですか!程度の低い大衆迎合で視聴者を得ようなんて浅ましいと思わないのかね?さすがは風見鶏新聞社の日和見放送局だけある。リベラルを気取りながら幇間的態度も忘れないところはまったくブレてない!

今日は「中国、韓国も経済的崩壊が近づいているから日本は関わらない方がいい。」という黒鉄リーダーの意見でまとめられてました。笑止千万!両国と経済交流を断ったら日本は干上がっちゃうよ〜。自尊心だけでどうにかなる、そんな幼稚な願いも空しく亡国するのはどちらが先か?亡んでも惜しくない国に零落れる日は遠くないような気がするけど。

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ツマラナイ批判で荒んだ心を和ませる品々。
昨日は「ドリちゃん」不在の南部古書会館にて購入。ドイツのギャラリーで発行されたピカビアの小冊子と日本の絵葉書。束の間、美しいうつし世へ逃避…

憎悪週間

「どうして日本はこんなに韓国と中国からイジメられるんですか?」これは先月に横浜美術館で、トークの際に私に投げかけられた質問です。50代半ばと思しき女性は「本当に不思議」といった素朴な顔で訊いてきたので、かえって戸惑った。この人は今の状況を「虐められている」と受け止めているのである。韓国と中国がまともに外交してくれないから、反日感情を剥き出しにしてくるから、こんな状況をもって被害者だと感じているのでしょうか?どうしてそう思うのか逆質問するべきでしたが呆気にとられてこんな答えしか出てこなかった「まともに歴史を勉強しようとしない。そういう態度ではいくら政治的に謝罪しても誠意は伝わらないし、イジメられた側はイジメられたことを一生覚えているものですよ」と。知らないということを恥と思わない戦後生まれの屈託のなさに対する脱力感を伴う怒り!
無知は平気で他人を傷つける。無知は恥をしらない。無知は刷込まれコントロールされる。ジョージ・オーウェルの小説「1984」に登場するプロパガンダ標語のひとつ『無知は力なり』とは言い得て妙である。歴史と知識から徹底的に遮断された社会で、際限なく続けられる敵国が定かでない戦争を持続させるため「憎悪」がひたすら市民に提供され続ける…。こんな愚民化政策のディストピア世界が最早ファンタジーではなくなりつつあるのでは?と思える昨今なのです。
中身の疑わしい「愛国者」が跋扈しているようですが、その「愛」を堅持するためにどれだけの「憎悪」を燃焼するのか!巷に蠢く憎悪のメシのたねをうっかり目にする度に嘔吐感禁ずるを能わざりしよ!戦後日本は悪役に仕立てられた、とか太平洋戦争でアジア諸国は日本に感謝している、とか捏造と改竄も甚だしい反自虐史観本がブックオフでも流通してるし。手に取るのも憚れるわ。
純真無垢な皆さんがこんなフェイクに染まって「誇り」を手に入れたと錯覚してしまうのは本当に危険なことですね!憎悪に侵されるまえに、これらの放つセンスの無さや醜悪さを感じ取ってほしいのですが….。
ところで。我が国の巨大与党が築きつつある「美しい国」のなんと醜悪なことか!中間所蔵施設の建設に関しては石原伸晃が「最後は金目でしょ」、集団的自衛権の行使を「勉強はできない、ケンカは弱い、だけど金持ち、これが一番ヤラれる」とイジメに例えた麻生太郎、そして都議会では「独身なんだって」「早く結婚しろよ」「産めないのか?」自民党会派諸氏wwwwwのヤジ。大臣から都議会議員まで、巨大与党にあぐらをかいたセンセイたちの言葉の上品さったらないね〜もう政治家の内輪だけのノリの醜悪さ全開。ここまで民主主義は劣化してるとアピールしてくれて有難う。もう選挙で選ぶのは限界な感じがしてきたよ「多数決であんしん、って神話は終わったよ」と、ももクロも歌ってます。取り戻した美しい国日本は仮想ディストピア☆でした。

フリップ
「輸送艦には皆さんのお父さん、お母さん、お子さん、おじいちゃん、おばあちゃんが乗ってるかも知れません。もしこの船が攻撃されても今の憲法では守る事も出来ません!」と情に訴えて憲法解釈の変更と集団的自衛権の必要を煽る安倍晋三。でもって、このフリップの「攻撃国」っ何処?
このボンヤリとした仮想敵国の存在が「積極的平和」を支える…戦争は平和なり!

青い純血

NHKのワールドカップテーマ曲、椎名林檎さんの『NIPPON』の歌詞が右翼的なのではと取沙汰されてるようですね。私もさっそく聴いてみましたが、これはスポーツの国際試合を、ナショナリスティックな陶酔と高揚で応援する日本国民の姿を写し取った作品として良いんじゃないの?と思いました。平和の祭典オリンピックしかり、スポーツとナショナリズムの切っても切れない関係を、在ってそこに無いもののように多分に振る舞っている世間なので、敢えて民族主義を喚起するような表現は、それを顕在化する意味でよろしいのではないでしょうか。

またこの曲では「今日までハレとケの往来に 蓄えた財産をさあ使うとき」と日本経済を支える中産階級のみなさんが成人式の振り袖を買うため、一生の想い出になる結婚式を挙げるため、4年に一度のワールドカップ観戦するために、日々流す労働の汗水が「最高のハレの実現」そこに注がれているということが歌われています。自らを社畜と虐しながら、耐え難きを耐え、忍び難きを忍び「ハレ」を夢見ながら健気に「ケ」の日常をすごしている、日本人ってそんな民族だよ、と。
「噫また不意に接近している淡い死の匂いで 」という詞の「死」の一語に対しては「TPOをわきまえてない」と批判されてるが、これは間違っています。ここで「死」というケガレを投入したのは「ハレ」と「ケ」の概念関係に「ケガレ」を加味するべきか否か?椎名林檎さんはこの問題が未だ決着していないことを示唆してるはず!この闘いもまだ諦めないでガンバレNIPPON!(あ、こんな事を書いてるうちにコートジボワール戦敗北)
右翼的表現で私がまず思いおこすのはYAPOOSの戸川純作詞『君の代』という曲です。「真白い布に鮮血のいろ たなびく国のひとりのおのこ 昭和も遠くなりにけりされど 金色のオーラ放ちてやまむ…変わらぬ慈愛 君、我が愛よ」ラブフォーエバーを「君」に対する敬愛の念に準えた歌ですが、右翼的というのならこれぐらい潔く清々しく!…「混じり気が無い」もう混じってるから何を言ってもしょうがない、サムライブルーもシアン100%ではないですし。

「君」といえば、アライ=ヒロユキさん著「天皇アート論」という本が7月に出版予定です。昨日はその触りの紹介、予告編の講演がありました。「天皇」という取り扱い注意な題材とアートはどのように関わってきたかを、アライさんが長年培ってきた知識に基づき、公平な視点で論じた客観的なテキストになっているようです。紹介された絵画作品の中には、象徴天皇が文字通りシンボライズなモチーフとして落とし込みやすい点で「天皇」表現の奥行きの浅さを感じるものもあり、そこが課題だと感じました。アート問題以前の歴史的な考証もされているのでとても興味深いです。

jinm
『アーマード・ジンム』2005年制作(五月人形の神武天皇にラバーで作ったガスマスクを装着)
長崎の「語り部」被爆者が修学旅行生に「死に損ない」と暴言を浴びた件で、某竹田氏が「ニセ被爆者、反日活動をやめろ」の旨をツイッターで呟いたそうですが、その前に自虐ファミリーヒストリー(731)の検証をしてほしいですね。

トレンディの墓標

家から40分ぐらい歩いた所に『M2』はあります。M2とは世田谷区砧の環状八号線沿いに建っているビルの名前で、1991年まだバブル爆ぜる前夜時代に建築家・隈研吾氏の設計によって建築された有名なビルです。昨日、突然見たくなって散歩がてら見に行きました。
「奇をてらった」という表現は大変失礼かもしれないが、この建物の印象はそれに尽きます。新築当時は真新しい外壁がピカピカしていて、車で前を通るたびに2度見してしまうような迫力と存在感だったのに、久しぶりに見たM2は天窓のガラスは曇り、長いあいだ自動車の排ガスに晒されたシャビー感で、どこかうら寂しく以前より一回り小さくさえ見えます。
マツダのショールームとして建設されたM2は、2000年に売却されて現在は「東京メモリードホール」という斎場になっています。マツダのショールームだった時は、イタ飯レストランと洋書店もテナントで入ってたそうです。90年代っぽい!
彼氏が「ユーノス・ロードスター」購入の契約を済ませているあいだ、彼女はインテリア用の洋書をチョイス。「おまたせ、待った?」「ううん。ねえジャスパージョーンズの画集買っちゃった」「何それ?おばけのキャスパーなら知ってるけど」「きゃはっ♡笑える!ねえっお腹すいたー♡」「じゃあ、イタメシでも食う?」「うん♡」….といった彼氏と彼女、トレンディ&バブリシャスな光景が繰り広げられていたのでしょうか?
当時、M2ビルは「ポストモダン建築」「脱構築建築」の代表のような扱いだったので、学が浅い私は「へぇ、ポストモダンってこんな感じか〜」とそれ以上掘り下げずにポストモダンへの扉をパタンと閉じ早々に「あまり好きじゃないモノ」に仕分けてしまいました。日本ではバブル期とポストモダンの流行がちょうど重なったので、こういう色もの的な印象が強いですよね。ポストモダンは穿って見られたのか?それともバブルとポストモダンの相性が良かったのか…。

…M2はファッションとしての脱構築、トレンドの墓標のように今もそこに佇んでいるのです。

M2.1
『M2ビル』1991年竣工。いろいろな要素がてんこ盛りです!
M2.4
巨大イオニア式柱頭からは赤錆の涙が二筋..。
M2.3
驚愕!フラットな背面。看板建築か?
Bubble_kan
平成博「バブル館」プレハブパビリオンを彷彿とさせます。M2.2
おくやみレボリューション!

たてもの写真帖

国立競技場にある壁画は13点全部の保存という方向に転換されつつあるようです…どうなることやら?実物を見てないので作品の価値はよくわからないですが、今頃こうゆう問題が出てきてモメるのは情けないですね。突貫で事を進めるにしてはデカいプロジェクトなのに細かいことは後手後手。解体請け負い業者の入札も不調で、7月の解体工事の開始も先延ばしになる見込みだそうです。解体だけで20億2千万円以上!解体後に出る膨大な廃棄物の処理も問題になるのでは?
…壊される国立競技場の設計コンセプトは「力強さ」「優美」「簡素」とのこと。なるほど納得の簡素なコンセプトに好感が持てますね。そして新国立競技場のコンセプトは「オプティミズム」だって!ふ〜ん。未来を楽観視できない厭世的ヘソマガリ人間には兎に角イケ好かない物件ですな〜。年間46億円も維持費がかかる巨大建築を楽観的に迎えろと言われてもね。

建築の保存について思いめぐらすうちに「そういえば、あんな建物もあったなぁ」と急に懐かしくなり昔のアルバムを引張り出してみました。90年代に取り壊された近代建築の数々…地上げ嵐に吹き飛ばされ、マンションブームに呑込まれ「あれっ?無くなってるー!」という衝撃と悲しみの連続でした。残された写真は自分の腕前が恨めしいほど下手ですが、こうやって思い出す手懸かりにはなるので残ってるだけマシかな…と。

巴里院
吉祥寺の理容室『巴里院』初代店舗(1937年築)1993年ごろ撮影。
リズミカルな曲線と直線が華やかでした。小さな丸窓が効いてます!スクラッチタイルLOVE!
十数年前に初代の印象を残した二代目に建て替えられましたが、昨年、道路拡張のため閉店。
東洋キネマ
神保町二丁目にあった『東洋キネマ』(1928年築)1991年ごろ撮影。
作為を感じさせない破壊的なとりとめ無さがたまりません!「ダダ建築」と名高かった。
風呂屋
世田谷区用賀にあった銭湯(名前は失念)昭和初期の建物でしょうか?1991年に撮影。
細かいダイアカットの色ガラスとタイルの優しい雰囲気で好きでした。(入ったことはないけど)
タイル
銭湯入り口の左右に飾られてたタイルの一枚をガレキの山から発掘!でかしたぞ昔の自分 !!!!!!
採集データーのシールが貼られてます。「平成4年1月1日」・・元日から解体現場で発掘作業。
たしかこの二週間後は「成人式」だったけど「振り袖を着る奴は成人式商戦にのせられた敗北者」と見下して欠席。なんてたって同級生に会うのが一番イヤだったので…昔からヘソが曲がってる。
(20年以上前の赤旗日曜版に包んであった。志位さん若い。)

コロシアムの行方

「新しい建築物を建てるということはオムレツを作ることと同じです。卵の殻を割らなければオムレツは作れないのです。」と新国立競技場の設計を勝ち取ったザハ・ハディドの事務所の人は言っていた。クラッシュアンドビルドを「オムレツ」に例えたわけだが、そりゃあ巨大公共事業のデッカイ仕事をゲットしてなんぼの建築家にとっては、古い土地に残った建物や歴史、地域文化なんて割って捨てるだけの卵の殻かもしれませんが….。
先日、ほんとうに遅ればせながら解体前の国立競技場を見てきました。さよならイベントも終了し閉鎖されてましたが立ち入り禁止の看板は見てみないふりで、入れそうな所を探して周辺だけでも見ることが出来ました。東京に40年以上もいるにも関わらず、スポーツイベントもコンサートも無縁な暮らしで競技場にくる用事もなかったので、この期に及んでやっと!ああ愚かな私!はじめて間近に見る国立競技場は思いのほか大きく、古色を帯びたコンクリートに風格がありました。部分的にしか見れなかったけど一番かっこいいと感じたのは一階のファサードです。楕円の競技場の土台にあたる地上階部分で、玄関まで導く柱が通りと通りを一直線につっきる形で林立してます。柱も細めで高さもないので、ナチス建築のネオクラシック的な偉容とは程遠いですが…オリンピック=ギリシャ=ネオクラシックというのもベタでありながら、競技場にはこういうスタイルがやはり合いますねー。そしてまた、解体を待つ姿に「遺跡」の雰囲気が漂い素晴らしいです。
TBS「ひるおび」でも件の新国立競技場建設の問題点を特集してて「旧競技場は改修して使って、新しいのはお台場に建てた方が似つかわしいのでは?」というコメントに私も賛成!ハディドの未来風デザインはお台場、バブル大鑑巨砲主義のパビリオン残像建築群のひとつとして馴染むはず!古きを尊び新しきを全否定するものではないが、「未来」はデザインで強引に引き寄せるものではないと思っています。ゴリ押しな未来風があっという間に時代遅れになるさまは、すでにお台場で実証されているではありませんか!建築費1600億円以上、年間維持費46億円、キャパが大き過ぎて通常の競技大会では「空席」が目立ってしまうこと必至の巨大競技場。もう誰得だよ?建て壊す国立競技場に残されている壁画13点の保存は、予算5億円の支出ができず、日本スポーツ振興センターが選んだ6点しか保存できないらしい…。建築費用には青天井でいくらでも出せても、文化財の保存には出し渋る文化に冷遇クールジャパン!今になってだけど国立競技場の60年代の力強いコンクリ感が超クールだと思うけどな。

国立競技場1
国立競技場の一階入り口。五輪のマーク輝いてます!
国立競技場2
道路に面している場所。独特の暗ぼったいムードと威圧感があります。そこが良い。
健康美
健康美を誇る青年よ!君は何処へ行かん。

給水塔夕.
去る7日に、我が最愛最強コンクリート駒沢給水塔の電球に明かりが点きました。
民家の間にのぞく給水塔。電燈を楽しむにはまだ早かったようです。
給水塔夜.
雨に潤む赤い電燈。ルビーを頂いた王冠のよう!

 

フェアリーテール

ウィキペディアって便利ですよね〜私もほぼ毎日「辞書」のように利用しています。図書館通いが資料探しの手段だった頃からくらべたら、検索ワードひとつで先ずは基本情報が得られるのだから本当に楽になりました。しかし、この便利なウィキも所詮は「書き込み」が情報源で、しっかりとした検証がなされていないという事をともすると忘れがちです。
先日「そういえば内藤良一って何年生まれなんだろう?」と知りたくなり例の如くウィキペディアに飛んだところ・・・「はぁ?なんじゃこりゃ!」もう酷いの一語です。内藤良一といえば戦争犯罪に関心がある人には731部隊の中心人物であることは周知の事実ですよね。それがこんな風に書いてあったんです「帝国陸軍軍医として活躍。731部隊と関係がないにも関わらず、戦時中731部隊に配属されていたというデマをばら撒かれ、創業した会社のカツアゲに利用される。」…これは無い。こんな下品で幼稚な文章なので、明らかに「信憑性に欠いてるな」ということが分かるのが唯一の救いではあるが…。懐疑心のない素直な学生がこれを鵜呑みにしてしまうと思うとやはり恐ろしい。
ついでに「731部隊」でググると「731部隊 ウソ」「731部隊 捏造」の順で関連ワードが出て来ます。それだけネット上で731に対する史観が偏重しているということ。他にも南京大虐殺や関東大震災後の在日虐殺に関する情報もこの傾向です。いわゆる自虐史観というやつですね。ネットでの史実改竄も世の中のボンヤリとした愛国心ムードが許し、こうやって改竄が重ねられることで何が本当なのか全く見えなくなって来る…。731といえば、私の身近に戦時中は部隊の経理にかかわり、戦後は住友鉱山の代表取締役にまでなったという興味深い人物がいたのですが、会った当初から痴呆が進行して喋れず、言葉は悪いが「秘密は墓場まで」連れて亡くなってしまいました。医療犯罪のこと、細菌兵器のこと、そしてなぜ戦後に「土呂久鉱山」を住友鉱山が買収したのか!(私はベトナム戦争での毒ガス需要を見越してヒ素鉱山を買ったのだと推測している)本当に訊いてみたいことが沢山あったのに残念!いや、絶対に教えてくれるはず無いが。
こうやって事実を語るべき人物は、自分の都合で秘密を墓場まで連れて行く。そして脆弱で曖昧な「歴史」は時代のムードで簡単に仕立て直される、とんでもない事だけど日本はそれが許される国だからしょうがない。そして安倍はこの愛国ストリームにうまいこと乗ってるというわけ。
憤懣遣る方無し!もう、こうなったら我等のような野良スパイは、鍛え上げた嗅覚で古本の山の中から隠された歴史の「しっぽ」を探すまでだ!巷に漂う捏造のフェアリーテールに幻惑されないためにも!

noborito
『ノボリトデトリック』2005年制作(カナリア・ガイガーカウンターより)
ABC兵器と日本をテーマした個展で展示した作品です。戦時中、秘密兵器の開発拠点だった「登戸研究所」とアメリカの「フォート・デトリック」の施設が同じ敷地に建っている…という分かりづらい絵。戦後、731部隊、516部隊、登戸などの研究資料をまるまる譲渡する事を条件に、アメリカはこれらの戦争犯罪を「免責」したそうです。

トシエの誤謬

今日から6月ですね!ボーっとしてる間にもう下半期、早いです。そして夏のように暑い…。
去る29日の「すき家一斉デモ」も結局のところ決行されませんでしたね。なんとなく予想はしてましたが…。ゼンショーユニオンの「山猫ストはやめましょう!」の呼びかけの効果だったとは思えませんが、そもそもアルバイトの細胞君たちにとって「労組」の存在など意識の外で、組織なんて無用のネット上の『祭り』ムーブメントで動いた結果「鍋の乱」が起こったわけだし。
29日は隣町の駒沢まで「すき家」の様子を見に行きましたが、いつもどおり駒大生で賑わっていて、バイトも4〜5名働いてました。店が繁盛していてバイトのシフトに問題が無ければ、ストを起こす理由もないですしね。今思い返してみると桜新町店はフロアの広さの割に、店員も2名ぐらいしか働いておらず閑散とした店舗でした。この二人が「辞めちまおうぜ。」と結託してしまえば即終了!のギリギリの人員で回してたのかもしれません。

すき家ストは組織無用でしたが、職場での「組織づくり」=細胞活動の苦労が吐露された興味深い記事があったので紹介しますね。
1928年3月15日に起きた白色テロ「3・15事件」によって社会主義者、共産主義者たちは一斉検挙の弾圧をうけ、これを機に共産党は政府の暴力的弾圧に対抗するためにボルシェビキ化、共産党の大衆化を強化していきます。その経緯は共産党非合法時代の機関誌「赤旗」で伺い知ることが出来ます。「赤旗」は3・15の一月半まえ1928年2月1日に第一号が発行されました。当初は手書きのガリ版刷りの体裁で、新聞というよりも正に「アジビラ」の風情です。
「赤旗」の紙上に『鐵の火花』という素敵なタイトルの同志の投稿欄があります。労働者の現場の声、活動報告、党に対する疑問(徹底的に反論される。笑)などなど、とても活発な意見が交わされているのですが、そのなかでも私が面白いと思ったのはトシエという女性労働者の投書です。
そのまんま引用したので読んでみて下さい!

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トシエ(投)私の誤謬を聞いて下さい!

私の工場は全部で職場が十組に分けられている。その一部分の機械作業で煙草を造っている。毎日毎日仕事をしながら誰に話したら解ってくれるだろうと考えていた。ところが自分の職場の友達とは真から親しくなれなかった。こちらから積極的に近づこうとアセレバアセルほど上べだけの親ミツさであった。何かの糸口を見付けて話し出すことは話し出したが、それとなく話すだけで底の底までどうしても話しニクク良いメンバーを見出せなかった。
それで他の職場に私と平常仲のよい話の合う今度で五ツ目の工場だという人のところに休憩の度毎に出掛けて行き色々と私の知っているだけのことを少しづつ長い期間を経て話して「戦旗」を貸したり「資本主義搾取のからくり」を貸したりして、その人をだんだん教育して行った。其の友達はよく解り、早速自分の廻りの人達十人程に教えたが、皆よく考えてみるとか、私には大それたことは出来ぬとかで失敗に終わり、職場中に社会主義者だと評判され、誰も側に寄りつかなくなった。それでその人は段々駄目になりすっかり動かなくなった。今一つの職場の人も駄目、たった二人か三人を教えるのに職場中にわかってしまい、わたしが他の職場に行けばきっと「赤い話」をすると皆思い込ませてしまった。
それで工場内で男の会員と連絡をとったら恋愛関係と見られて、其の噂が仲なか消えず、せっかくの信頼もメチャクチャになった。私は今ハッキリ間違ったやり方だということがわかった。

(1)個人的な日和見的アジプロは駄目であること。しかも理論的に説き伏せ様とそればかりに力をいれるのは骨が折れるばかりで効力がない。
(2)どんなに苦しくとも、なぜ自分の職場をガッチリ固めるために喰い下がらなかったか。
(3)みんなの性質を知りつつ、なぜ男の会員と工場内で会ったか。
(4)私達は職場で誰しも不公平に考えている事を中心にモット積極的にやらなけりゃ駄目だ。

職場でモリモリ斗おうとしている無経験な兄姉たち、二度と私の失敗をやらぬ様に注意してくれ。
ジャあ元気で仕事をしよう。

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同志トシエのこの自己批判は完全に正しい。こうした失敗は独り同志トシエばかりではなく多くの同志が陥る失敗だ。……同志達が組織運動の経験を集めて、立派な組織者になろうと努力しつつあることが、ありありとうかがわれて心強い。
組織者としての訓練をつめ!
大衆斗争を(機械的でなく)巻き起こせ!
工場細胞を組織せよ!

赤旗編輯部
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独りよがりなプロレタリア女子・トシエ。友達を「教育」しようと躍起になって煙たがられ、職場で「赤化」を広める要注意人物に!あげく「男の会員」との恋の噂で孤立…。オルグ工作失敗!
私の誤謬って反省してるようでいて、思想中心の思考回路なので人間関係の反省までは及ばず。
最後の「ジャあ元気で仕事をしよう。」のポジティブさにトシエ細胞のたくましさを感じます!

赤旗5
非合法時代の日本共産党中央機関紙『赤旗』復刻版・第一巻(三一書房刊)
「プロレタリア独裁万才 !! 日本共産党万才 !! コミンテルン万才 !! 」…なんか私の字に似てる。
赤旗4
同志の広場『鐵の火花』!火花散らしてます。
赤旗3
私の誤謬を聞いてください!トシエ(投)鎖と★のカットがいいですね。
赤旗2
ミヤケン、日本共産党書記長就任まえのレアなサイン入り!