日別アーカイブ: 2014年7月9日

人間の皮を被った人道

「この似非ヒューマニストめ!」この罵声を誰に浴びせよう!
ハンセン病差別と闘い続け、今年5月に亡くなった谺さんと神さんを追悼する番組、NHKアーカイブス「特集:ハンセン病の悲劇を繰り返さない」で放送された「ハンセン病 隔離はこうして続けられた(2001年放送)」というドキュメンタリーを見て、あらためて悪の枢軸(そう私は思ってる)内務省と厚生省、そして医師・光田健輔…に憤り着火です!
業病と忌み嫌われ浮浪の民となった患者を「人道的に」施設に収容。子孫を残すことを禁じられた患者でも愛し合えるようにと「人道的に」ワゼクトミー(断種手術)を実施。一般社会に出たら差別に晒されて可哀想という「人道的な」気遣いから社会復帰させず…人権蹂躙の人道的行為のおぞましい歴史!戦前の「あなたたち患者は民族浄化の戦士、伝染も恐れず介護する私達は白衣の天使!そして私達を導く大天使、ああ光田センセイ!」といったクレージーな美談も療養所(収容所)の真実を覆うのに加担してたようです。…戦後もプロミンという特効薬が開発され完治の道が拓けても、頑として強制隔離の正当性を譲らず、患者達が「全患協」を組織し起ちあがると飼い犬に噛まれたとばかりに、昭和28年に「癩予防法」から「らい予防法」にさらに改悪して解放の希望を絶ち、この悪法はなんと1996年の廃止まで存続したのです。予防法成立から関わってきた官僚、医師らの非を認めたくないというメンツだけ、たったそれだけで人間の自由を奪い続ける…マジ不条理。

愛生園・光田園長の愛弟子の言葉は人道愛に満ちています。「生前、先生は患者が社会復帰したらどんなに辛い思いをするかとても心配されてました、生活能力もなく差別にも堪えられないでしょうから。」…罹患者を野犬狩りのようにトラックで連行し、この悪夢のような光景で世間に恐怖心を植え付け差別を増長させた張本人は誰か?社会と断絶させ生活能力を奪ったのは誰か?ということです。らい予防法成立のさい療養所からの足抜け罰則強化を強く要望したのは他でもない光田この人です。「救癩の父」と呼ばれ「らい予防法」成立と存続を牽引した光田健輔。栄誉を称えられたヒューマニストの首にはまだ燦然と勲章がぶらさがっているのです!

karikomi
癩根絶を旗印に行われた「無癩県運動」患者狩り。
近所から学校から職場から密告(義務!)された罹患者はトラックにのせられ療養所に収容。これを「刈り込み」と呼んでいた。民族浄化=排除という手段ですすめられる富国強兵。国民優生法、優生保護法しかり。
「今日は医師が不在だから」という理由で豚の去勢担当係の手によって断種手術をされた。という男性の証言に、人道とは名ばかりの施設環境が浮き彫りにされます。

復元された栗生楽泉園の重監房を見に行きたいのですが、群馬はちょっと遠いのでまずは東村山のこちらに行ってみたいで〜す。→ 国立ハンセン病資料館