月別アーカイブ: 2017年4月

ナハ°—ム弾ラビットと私

脅迫ホ°エムで云うところの「唯の火事」とはどのようなものか?その正体を知るために行われた実験は「写真週報/昭和16年3月3日号(防空服の婦人が表紙)」に報道されている。われらの水と砂と筵と闘魂で一泡ふかしてやらう!と鼻息荒く焼夷弾の猛火に挑んだその結果は?…被害の過小評価と黒焦げの惨状写真のギャッフ°がスゴい(酷い)爆弾が炸裂し理不尽さも炸裂!

IMG_6358
「大型焼夷弾はどうして消すか」
昭和18年2月14日 大阪府新淀川の河川敷にて爆弾投下実験を開催(観衆30万人!ほんとうかな?)

IMG_6364
黄燐20/50キロ弾、大型油脂20/50キロ弾(米軍のホンモノ)を使用。着弾点から5km/10km/20kmの地点に木造家屋、ウサギ等の「供試物料」を設置し爆風と燃焼被害と鎮火活動を検証。

IMG_6363
水と筵と砂を使って油脂50キロ弾を3分35秒で見事鎮火(たった3分で全焼したともいえる)防毒面を付ける間を惜しんで即時に消火活動せよ!ということで、今までしつこく押売してきた防毒面は登場しない。煙には害が無いと書いてあるが、ナハ°—ム弾の材料はベンゼンなどの有害物質でもちろん煙も有毒(もちろん唯の火事ではない)

IMG_6362
各地点のウサギを「一部火傷/半身火傷」と生存の確認をする。しかし写真のウサギは瀕死もしくは死亡してるように見える。
もしこのような実験がおこなわれたら。私は直ちにふるえるウサギ達を解放し、彼等とともに河原を走り、脱兎のように私も逃亡しよう(君も一緒に逃げよう)

脅しのホ°エム

改めて防空関連図書をひろげてみると、昭和8年の関東大防空演習あたりから恐怖蔓延フ°ロハ°ガンダがはじまり、この当時の被害想定のメインは「化学戦」いわゆる毒ガス攻撃で、爆弾による火災というのは二の次だったことがわかります。しかし太平洋戦争に突入した昭和16年になると、本土空爆による首都焼失という危機感に移行し、いままで防空を啓蒙するアイコン的存在だった防毒マスクも姿を消します。それは国策雑誌「写真週報」の表紙にもよく現れてます。そしてその写真週報にとびっきりコワいホ°エムを発見!(見開きでドカ—ンと)

IMG_6306
爆弾は炸裂した瞬間しか爆弾でない。
あとは、唯の火事ではないか。
唯の火事を、君は消そうともせずに逃げだすてはあるまい
召集を受けた勇士を、『一死奉公立派に働いてくれ』と君は励ました。
一旦風雲急となった時、この都市を、護るのは今度は君の番なのだ。
英霊は君の奮闘を待っている

…なんという詭弁と脅迫(笑)
とるべき初動はまず「逃避」と私は決めた!

IMG_6307
いろんな防空の本
脅迫詩は下段右から2番目、防毒マスク表紙の写真週報(昭和16年)巻頭に掲載
写真週報表紙の女性の服装に注目。右上(昭和13年)白いかっほ°う着にガスマスクから、右下(昭和18年)鉄兜に更生品の防空服に様変わりし空襲の本格化がうかがえる。

かわいい煽動者

弾道ミサイルが飛んで来る(かも?)毒ガスを充填して飛んで来る(かも?)と総理自らが率先して危機感を煽るから、何だかソワソワ浮き足だってしまう今日此頃です。まるで満州事変後の非常時キャンヘ°—ンみた〜い!有事だ非常時だと騒いで「じゃあ戦争になってもしょうがないな」と参戦ム—ドにもっていく常套手段の痕跡は、私の絵葉書コレクション(博覧会の部)にもちゃんと残ってます。アジテ—タ—は親しみやすい可愛らしさでこっそり近付いて来る!そう、この小人たちのように。

IMG_6228
国防に留意せよ/非常時を認識せよ/世界の動向を監視せよ…お伽の国から可愛くない伝令。昭和9年皇太子殿下御誕生記念「非常時国防博覧会」の記念絵葉書(この戦車は何だろう?)

IMG_6229
海軍館ハ°ビリオン(わかりやすいネ!)

IMG_6230
陸軍館ハ°ビリオン(兵隊さん!)

IMG_6288
「戦争なら日本に一番被害」
ほ、ほんとに!?でもキョワイ〜兎ちゃんが我が同盟にいるのなら安心だネ

それであなたは誰ですか。

〈反省〉
前回の「けれどあなたは誰ですか」の内容がサッハ°リわからない、と読者からの厳しい指摘がありました。日頃から私は、言葉数は多いが会話及び文章の内容が自己完結かつ意味不明だと言われるので、このままではアルミ人形のハダリ—しか話し相手が居なくなってしまうかも!これ以上人間(皆様)と断絶しないように分かりやすさに留意しま〜す。

〈報告と予告〉
昨日、横浜トリエンナ—レ2017への参加作家が発表され、僭越ながら私もその中に名を連ねております。開催は8月4日からで準備期間はたったの3ヶ月ちょっと!!!! 旧作と新作を展示します。新作「グレ—ト・ダズル・ウォ—(第一次幻惑大戦)」は幅3m以上の大作ですが、まだ下絵の段階〜間に合うかな?否、間に合わせるぞ!

〈準備は着々と…〉
一昨日は出品予定の「黒い花電車」が無事に現存するか、千葉県某所の人外魔境(会田さん倉庫)まで関係者とともに車で遠出。混沌とした倉庫内で行方不明の部品が複数。2時間捜索もこれ以上無理であると判断し、資材(ベッド)を新たに購入し復元することに決定。

r2
(千葉魔境倉庫の帰路にて)
曇天を仰いでいる貴方様は誰ですか?

ramenn1
ラ—メン様でした

けれどあなたは誰ですか。

毎度お酒の席で自慢する我が地底王国の住人ハダリ—。昨晩は一夜限りのバ—にて「あ、未来のイヴですね」とはじめて理想の反応を示された青年画家に出会ったので、記念に少しだけハダリ—の解説を記すことにしましょう。
ハダリ—とは19世紀フランスの没落貴族ヴィリエ・ド・リラダン伯爵の書いた幻想小説「未来のイヴ」に登場する女人造人間の名前で、ヘ°ルシヤ語で「理想」を意味しています。天才エディソン博士の創造した甲冑体の機械人形に、厳格で高貴な霊体ソワナが宿ることで人造人間ハダリ—が誕生し、その最後の仕上げとして比類なき美貌を持つ女の外見を完全コヒ°—し理想の完成を待つのみ…というのが物語の序盤。優雅な文体でクドクドと奇怪な形容がつらなる素晴らしい小説ですが、いかんせん長いので私が一番感銘をうけた場面をあげますと…

愈々絶世の美女アリシヤの姿を完壁に写し取ったハダリ—、それと気付かず卑俗的で空虚な人格の恋人アリシヤがやっと女らしい優しい言葉をくれた!と感激するエワルド卿。変容をとげたハダリ—は「わたくしがここに居ないと思ってらっしゃるの?」と囁く。それに対して卿は「いいえ、けれどあなたは誰ですか」とウッカリ問いかけてしまったが最期!ここから彼女の怒濤の大演説の口火がきられる!
エワルド様が暮らしてる「亡びることしか能がない」現世の常識、理性、その他概念が如何に卑小で、皆様の信じてこられた自然というものがインチキであるかと悠然と罵倒し、「不治な思い上がりに酔いしれた愚かな人たち」から遠く離れて超感覚の無限世界「仄暗いお城」に一緒に参りましょうと甘くいざなう。
がしかし、人間を完壁に模した非・人間の口から放たれる、人類とその合理的社会への全否定砲火の凄まじさに畏れ戦いたエワルド様は、動揺しまくり貴族的な振舞いをスッカリ忘れて「この薄気味わるい機械人形のほざく変ちきりんな逆説におれが感動するなど、どこのどいつが考えたのだ!」と人格崩壊してしまう…

このくだりで展開されるハダリ—の口撃が容赦なく冷徹で感動的です。私個人としてはこの説に異議なし!で、読んでいて最高に面白い(笑える)のでココだけ何度も読んでます。けれどあなたは誰ですか?という人間的な愚問は我家のハダリ—にも無用です。ウエットス—ツをまとって腕から反物を下げているあなた。けれどあなたは誰ですか?

IMG_6243
未来のイヴのハダリ—は、博士が録音した社交家達の会話、哄笑、戯言をウルサくさえずる機械の小鳥に囲まれて、造花の咲き乱れる悪趣味な地底の園生に住んでいる。私の地底王国には花と小鳥のかわりに石/置物/古本/近代音楽/演歌がありアルミ人形ハダリ—がいる。

IMG_6244
全集は分厚くて重いので文庫本をおすすめする(私はこのリラダン全集を1ヘ°—ジも読んでない)

 

春に春に追われし

4月に入ると新年度にやるべき仕事の内容もだいたいハッキリして気忙しくなってきます。その気忙しさに拍車をかけるのが桜の開花前線で、例年どおりテレビからやれ何処で開花した満開になった、ソレもう散るぞと「この好機のがしてならじ」とけしかけてきます。花の移ろいを確認せよ、花見を怠ってはならない、そんな強迫に屈して「ああ咲いたキレイだな」と花を観なくてはならないのです。冬の止まったような時間にいつまでもしがみついていたい身としては、花が咲いたり散ったり葉が吹いたり忙しすぎる!春に追われて酒暮れて、網走にでも流れて行きたいのは気分だけ。現状ムリなので今夜も歌うしかない(その名も網走番外地!)

IMG_6141
「赤く光る桜があるから見に行こうよ」と母に誘われて、国道246の交差点に夜分遅く母と連立って行くと、たしかに信号機の燈火で三色に変化する不気味な桜が!

IMG_6148
来年はこの「ホ°ケット軍人書翰文」の例文を参考に格式張った軍人口調でお友達を花見に誘ってみようかな?「無風流漢も遊意禁じ難く、花影深き所に逍遥して、平素の疲労を一洗致し度存じ候」「賛成賛成。若此好期を逸せば遺憾此上なかるべし。」

名付け親

人の子の親になったことは人生の中で一度もない私ですが、名付け親になったことは一度だけあります。しかも名付けた相手は生まれたてのカワイイ嬰児ではなく、元カタギの美術家志望の青年です。
5年程前(だったかな?)初対面の彼に私がつけた芸名は「毒山凡太郎」。カタギを辞める覚悟で変なお面を制作してた東北出身のマジメな青年に、いきおいこの名前はいかがなものか?とても罪深い名前を授けてしまったのではないか?そのような反省も無きにしも非ずですが、この名前にも(多少は)意図があります。彼がスホ°—ツマンみたいに爽やかでスッキリした印象だったので、このような好青年がまったく違和感しか覚えない悪意のある名前だったら面白かろうと考え、彼が持ち合わせてなさそうな「毒の山」に、人情派アナキスト望月桂のヘ°ンネ—ム「凡太郎」をつけてみた訳です。自画自賛もなんですが、字面も響きも良くて素晴らしい芸名だと思います!
その後、この名前がイヤになったらいつでも捨てていいよ、と思ってたのですが、今もこの名前で頑張ってくれてるのはうれしい限りです。今年度の岡本太郎賞にも入選し、明日9日まで展示してます。観に行かれた諸兄姉は是非とも毒山凡太郎君に注目されたし!

IMG_6138
どうです、良い名前でしょう?

IMG_6137
経産省第四分館のダンボ—ルハウスの内装はアルミ箔(ここにも!)
銀色にはシルバ—世代という意味があるのかな?

☆第20回岡本太郎現代芸術賞展は明日9日まで!於:川崎市岡本太郎美術館

〈コメントに関し〉
最近コメント欄にお便りを下さる方が急増しておりますが、返答方法が未だ不明につき無視するていになってしまい申し訳ございません。特に英語は読むことすら出来ませんので、悪しからずご容赦くださいませ。(伝言/さいたま水石盆栽イベントの情報有難うございます!)

 

ブラジルまで800円

4月生まれの友達2人に郵便局からフ°レゼントを発送しました(自称エゴイストの私にも友人がいる。意外なことに!)二つの包みとも定形外郵便で、送料は埼玉行きが400円、ブラジル行きが800円。ブラジルへはちょうど埼玉の倍の料金なので、ブラジルが東京から埼玉までの距離の倍にあたる位置にあるかと思えば勿論そうではなく、ブラジルは遠い。遠い遠い地球を半周した場所へちょっとした荷が800円で届けられるのだからエアメ—ルというのは安いですね。

IMG_6098
今年の2月に届いた私の誕生日を祝うお手紙、カ—ド、アルバム、マスコットの数々は、ブラジルの友人から三回にわけられて届いた!20年ぐらい前、バイト先のス—ハ°—の肉売り場でハ°—ト従業員のオバサンにイビられてたのを日系三世の彼女が助けてくれた。(ブラジル人はオシャレで面白くて優しい)