月別アーカイブ: 2018年1月

かさこじぞう

(庭に雪が積もっていると面白いから)外出するときは自分の古い足跡の上に慎重に足を運び、なるたけフワフワの白い雪面を汚さぬよう注意してきたので、我が家はご近所随一の残雪量を誇る(雪かきもしない怠け者の)家だ。玄関から門扉へと続くなだらかなスロープには、駅前のコピー機と自宅を往復するだけが外出機会である私の足跡と、先週金曜日に訪れたカッキーの足跡のみが残っていた。(が先ほど降った雨で溶けた)
無人島Pのお使いで版画を取りに来たカッキーだったが、刷った版画はこの極寒のせいでインクが乾いておらず、目的をはたせぬまま手ぶらで無人島へ出社…「人間用のエサが欲しい」という私の妄言を心配して、栄養豊富なお菓子や果物を沢山差入れてくれたのに相済まぬ!私には雪道を歩いて来てくれたカッキーが現代の笠地蔵に見えたヨ。


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雪に埋もれた配達物用ボックスの中にヴァルキューレ(郵便局員さんありがとう)
大雪とともにワーグナーブームも降って湧く!

誰かの絵

「朝に塗るのにナイトクリームとは是如何に?」早朝5時。寝る前に顔にナイトクリームを塗布しようと掌を広げて見たら、掌底部に謎の図像が浮かんでいることに気がつく。それは自分がトレペに書いた絵や、室内に散らばる印刷物に手をついて転写されたものではなく、これに該当する図像は周囲に全く見当たらない。よく見ると私の描く絵よりも上手だし、参考にできそうなので写真に記録し模写をしておいた。
「物故者を先達と呼ぶが如し」アイルランドの詩人W.Bイェイツは得体の知れない霊の助言により詩作をしたという。私も(下絵でだいぶ苦労し)疲れてきたので、高次の存在の力に頼っても良いのではないかと思った。今後アイディアに枯渇した折にはこの絵を下絵にしよう〜っと。

【証拠写真】
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(それは9日前の早朝に)左掌に突如現れた謎の絵がうっすらと確認できる。

【模写作品】
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このように上手な肖像画を歓迎する。
(掌に転送)随時募集!

ぼた雪にちなんで

昨日は昼から霰が降り、霰から小雪へ、そして夕方には窓から見える景色一面が雪化粧。私は相変わらず外出せずにこの面白い景色の変化を室内から終日見ていたのです。

先日の回で少しふれたドストエフスキー『地下室の手記』という小説は、社会と断絶し自室にこもった中年男の、外界への尽きることの無い呪詛を記した手記です。実在しない読者を恰も存在するかのように「諸君」と呼びかける一方通行なスタイル…まるで自己完結ブログ「窓外の黒化粧」と、それを書いている私のようではありませんか!近代悪や自分の過去を呪ってハイテンションに雑言を吐き続けるこの男に対し、嘲笑と共感を捧げずにはいられません。(友達にエントリー)
手記は第一部『地下室』と第二部の『ぼた雪にちなんで』で構成されていて、自分の過去(地上での生活)の失態を回想する『ぼた雪にちなんで』は声を出して笑えるほど可笑しいのでオススメです。特に、大通りの往来でいつも道を譲ってしまう将校に憎悪し「今度こそアイツに道を譲らせてやる!」という決闘じみた大袈裟な決意を抱き(その手段として)コートの衿をアライグマからビーバーの毛皮に買い換えるくだりは最高です。

自己完結な狂人の独白のように見えて、実はスルドい(現代にも当てはまる)社会批評が展開されている『地下室の手記』。この彼の激憤の源は、ドストエフスキー本人が旅先のロンドンで見学した水晶宮を「合理主義、功利主義の権化」と見傚し、憤り震撼したその感情にあり、それを彼に投影し表現しているのだろう。と…ぼた雪にちなんでそんなことをボンヤリ考えてみました。

【玄関を開けると…】
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まるで異界への入口のような光景が…(夜明け前の庭)

競技場に見えるかな?

ものすごく時間を費やし(浪費して)やっとディスリンピア競技場の背景が描けた!もとの素材があるので容易に描けそうなものに(何度も描き直して)時間がかかってしまった…。以下の写真がそれ。

…生命淘汰の祭典・ディスリンピックの舞台は、ヒ総統お抱え建築家 A. シュペーアの『廃墟の価値理論』の思想と、ドストエフスキーの引きこもり小説『地下室の手記』の作中で主人公が言った「産まれながらの死産児」という言葉から着想を得て、誕生間近の建造物(工事中)のようにも遺跡にも見えるような曖昧な場所にしようと決定。なので、写真のように一見廃墟のような背景になっています。部分ごとに素材にした場所があり、開閉式ドーム天井は大阪で見た「なにわの海の時空館」という廃墟の内部、V字型に配置した高架道路は台湾で見た工事現場、左の客席は現在建設中の新国立競技場の工事現場、右の客席は山口県宇部市に実在するというセメントの採石場。ここはなかなかの奇勝なのでいつか見学してみたいです。

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左右対称にキッチリ描いたのに、例のごとくゴチャゴチャした絵が加えられこの秩序は乱される、とても憂鬱…

【遺跡に見える現場の実例】
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古代の神殿のように見える(埼玉県東松山市)

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ミステリアスな超文明の遺構に見える(世田谷区新町)

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古代豪族の墓のように見える(世田谷区駒沢)

似て非なる…

卓上に2冊の文庫本があります。一冊は日本の景勝地における自然の造形美の数々が、いかにして誕生したのか、その不思議を科学的に解説する『風景の科学ー名勝の成因ー』で、もう一冊は14世紀イタリアの詩人ダンテが、謙虚さの中に虚栄心をチラつかせながら地獄極楽巡りをする面白い話「神曲」をちょっと簡潔にまとめた『神曲物語』です。
このように身近に本を散らかせておいて、気が向いた時にテキトウに開いたページを読むのを気晴らしの一つにしているのですが、昨日は『神曲物語』を読もうかな、と思って手に取った本が『風景の科学』でした。内容の全く異なる双方の本を取違えた原因は、連日この薄暗い部屋で絵を描き続け、眼精疲労になり視力低下していることによりますが、この2冊の表紙が似ていないのに似ている!ことも大きな原因であります。(そのことに昨日初めて気がついた!!)

【不思議な相似
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薄目で見てごらん (似てるかな?)

一日5食

一日5食とは私の食生活のことではなく、体長16センチにまで成長し、さらに身の分厚くなった赤白フナ(金魚)のルミちゃんに母が与えている摂餌回数のことで、内訳は朝昼晩の三度の飯にくわえて間食2回の計5食といささか食べ過ぎのような気がします。
そして一方(昼まで寝てるから)朝食抜きで一日2食+オヤツ2回の私は、カロリー不足のせいか最近徐々に痩せてきて寒さが身にしみます。ルミちゃんがいつも食べているマズそうな粒々のエサみたいに、簡単に栄養の摂れる人間用のエサは無いものだろうか?

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「体が赤くなるエサ」というのを与えられ、白い部分がオレンジ色に変化していることをルミちゃんは知らない。

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(私の間食)ほうじ茶とミノちゃん印の麩菓子をおいしく手軽に食べています。

浮き草の実態

いつも上手い絵を描いてくれる姪は、幼少の頃より漫画家か小説家になりたいという高い志を抱き、自宅でオリジナル小説や手作りマンガ本などを執筆し、他の時間は虫の研究をしています。
もし将来、人気ノベリスト、売れっ子漫画家、虫研究の第一人者のいずれか(もしくは全部)となり成功したあかつきには、私はこの子の七光りで楽をしたい。なのでこの私の浮き草稼業の実態はひた隠しに隠さなければ!(自由業の夢を失望に変えたらいけない)

【例えば:この現場は見せない】
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自分でも把握できなくなった下絵とコピーの山。
この中に紛れこんだディスリンポスという名の煉獄山(トレーニングセンター)で強いられる修行より、今の私の状況の方がはるかに地獄といえる。

運任せ風任せ

「お正月に玄関飾りをしないと歳神様が来ない」以前はそんな殊勝な心掛けもあって、玄関のドアに松葉の縁起物をぶら下げていたのですが、松の内の7日間だけ飾るのが勿体ないのと「別に飾らなくとも否が応でも年月は過ぎる」という無常観から、五年ほど前から我が家(ニヒリストハウス)の扉にカミサマをお迎えする飾りは廃止されました。
だがしかし、なんと今年は玄関に飾りが!それは私が買って用意したのではなく、元旦の夜、風に飛ばされて玄関前のスロープに落ちていたのです(不思議だネ!)。おそらくこれは「祭日も祝日も無視して平日のように振る舞うガンコさを改めよ」という歳神様からのメッセージに違いない。私は(ちょっとだけ)殊勝な気持ちでこの飾りを拾い、ドアノブに下げ清々しい新年を迎えました。

(このように飾るものでは無い)
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風に吹かれて塀を越えてきた門松用のお飾り
たぶん片方だけ飾りの無い門松が近所にあったはず…

(返礼の品)
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姪がお年玉のお礼にくれた犬の絵は書初めではなく、昨年暮れに書道の授業時間を利用して書いたものだという。

最新ピープル

撮影した写真を管理するのに便利なグーグルフォトというサービスを利用していますが、これには大変お節介な機能があり、過去の写真から勝手に人物らしきものを抜き出して「お友達を分類しアルバムにしませんか?」という提案をしてきます。そして最近コンピューターが選んでくれた友達候補というのは…私と昔の私・他界したネコ・はにわ・ナチス参謀・油絵の自衛隊員・ハダリーなど。凡そ人間と認めがたいものと、本当に友人にして良いのか躊躇してしまうような顔ぶれです。

いかに私の写真に人物が写っていないかは、このブログに掲載の写真でもお分かりと思いますが、ここ数ヶ月間の写真を見ると、路上のゴミや夜間の建設現場などばかりで、我ながらこの人間不在に背中が寒くなりました!コンピューターも「なんか違うかも?」と怪しみつつ、苦し紛れに選んだのかと思うとお気の毒です。

(小さな奇跡)
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「この人は誰ですか?」「ダレです」(笑)
いうまでもなくナチ党リヒャルト.ヴァルター.ダレ食糧農業大臣は(決して)友達ではない。

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最新ピープル候補は人面壺!
自分で描いた顔がすべてお友達に…(それなら友達増員も容易い)

マグニチュード4.8

昨日午前11時、スマホの発する「地震がきます」というけたたましい警報で目を覚まし、身構えたもののちっとも揺れなかったので「誤報が目覚ましになった」とノンキにしていたら、なんとその深夜1時近くになって本物の地震が!(なぜその時に鳴らないか?)一階執務室でズズズと静かで不吉な振動を感じた次の瞬間…グラっときて隣の作業室から複数の物が落下するイヤ〜な音がし、とっさに握りしめたハダリーと一緒に急ぎ向かうと、写真のような惨状が…(なんたることよ!)

〈ひえーーーー!!!!!〉
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(絶句…)A7V戦車のプラモが木っ端微塵に!
組み立て大変だったのに
〜そして砲身も折れてる…泣く!

〈落下物〉
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おそらく…この三つの落下物の内いずれかがA7Vを直撃したと思われる。

〈我が隊の状況〉
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ラジオが倒れ、ミニ鹿積載のハノマークが落下!チハの砲塔が吹っ飛んでる…(後に発見)

〈一時行方不明〉
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炭鉱三兄弟の末っ子タンコサブロが消えた!と思ったら棚の裏側に落ちてた…
かなり高所からの落下でも無傷(よかった〜)さすが九州男児たい!強かごたる