月別アーカイブ: 2022年10月

関西の勝利

「お出汁は関東風と関西風どっちがいい?」と訊かれたら、私は間髪を容れずに「むろん関西風」と答えるだろう。先日もJR三宮駅通路で見つけた立喰そば屋のキツネうどんが美味しく、この汁なら毎日すすりたい!!と関西人をとても羨ましく思った次第だ。

(私の大好物)おでんvs関東煮、どちらが練り物ごった煮の正統なのか不明のおでんは、関西風だけど実は関東発祥の食べ物だという。きっと私のように関西風出汁に憧れた昔の関東人が作った料理にちがいない。

昨晩は球界頂上決戦(日本シリーズ7戦)で関西vs関東のたたかいに決着がつき、なんとなく応援してた燕軍が敗北し、TV中継が終わって間髪を容れずに兵庫在住の友人から喜びの着信があった。そして「来年は阪神vsオリックスの関西対決」を宣言し通信は途絶えた。もしその夢が実現したら関東の出る幕はない。

(おとなしい虎党より)
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先発と抑えの外国人ピッチャーの表情に不吉な予感が…(的中)

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JR三宮駅通路の立喰そば屋(店名失念)
キツネうどん370円…安い!うまい!

続.日高見

今から1ヶ月前、中学時代の級友E子さんが日本酒と食料を携えてかざまランドにやってきた。持参のお酒は偶然にも仙台の居酒屋で飲んだ日高見で、スッキリ辛口の石巻銘酒との再会、そして旧友との再会を祝して乾杯をした。この友人は中学卒業後まったくお会いする機会が無かったのだが、私の展覧会をNHK日曜美術館で紹介してるのを見て私の近況を知り、わざわざ無人島まで訪ねてきてくれて35年振りに会えることができた!探してくれてありがとう。
執筆業の傍ら宝石鑑定の検定にチャレンジ中の彼女は、今よりさらに上の級を目指し日々勉強してるという。ちいかわ世界の検定のように世の中に珍しい検定が色々あり、各々の専門知識を習得し上級者となった人のみ働く業界があるんだなぁ…中年になっても受験生のように勉強してエライ!
昔と変わらず勉強好きで優秀な友人は、私の知らない美しく難解な宝石世界を携帯拡大鏡、ブラックライト、見本用色石を使って(日高見を飲みながら)ちょっとだけ教えてくれた。

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日高見と石巻独自の名物ケーキ「ボストンパイ」

(はんぺんと蛍石)
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ブラックライトを照射すると怪しく発光する蛍石を見せてくれた。(私のフリードリヒ「氷海」似のフローライトも光った)

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置いていってくれた酒で次の日も(1人)宴会。

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ラスト日高見とおでん (お猪口が面倒になり蕎麦猪口)

男の子守歌

旅から戻って郵便受けを確認すると、カセットテープ『愛蔵版 一節太郎 』が届いていた。この古いテープには大ヒット曲「浪曲子守歌」を筆頭に合計20曲が収録されており、いずれも土方や渡世人が主人公で設定はシングルファーザー、歌詞にはダイナマイト/シャベル/飯場/ダムなど土木に関する用語が散りばめられている(おおよその特徴は浪曲子守歌に準ずる)。
どこから聴いても金太郎飴のように「浪曲子守歌」の亜種のような歌と、その合間にダミ声で幼子をあやしつけるセリフが聞こえてくるが決して悪くはない。ともすれば二匹目のドジョウと揶揄されそうな新曲を出し続ける変化球無用の直球勝負に清々しさすら覚えるから不思議だ。テーマ(男やもめの悲哀)と表現(浪曲風)を貫きとおす姿…これぞ男のロマンだろう。

(ダミ声子守歌で君は安眠できるか?ねんころり)
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(SIDE-1)浪曲子守歌・一発節・帰って来た女房・飯場三味線・金比羅三度笠・出世子守歌・あの娘に倖せたのみます・土方一代御意見無用・義侠一代・男惚れだよ
(SIDE-2)男の三拍子・男の舞台・晴れ姿子守歌・残俠ひとり旅・浪曲おけさ街道・三年子守歌・ねんねん子守歌・親馬鹿人生・三味線峠・男の子守歌

人生に燦然と輝く黒い星々

神戸2日目。兵庫県在住で武蔵美学園在学中からの友人(aya)と連れ立って三宮をうろついてたら、20数年前に彼女が結婚披露宴をした式場前を通ったので「懐かしいね!私スピーチしたっけ?何を喋ったんだろう?」とすでに記憶にない祝辞の内容を訊いてみると、どうやら私は〈ayaさんが学生時代に作ってくれたサンドウィッチが不味かった〉という晴れの席にまったく不適切な逸話を披露したのだという。
…あぁ思い出した!つぶしたアボカドとキュウリが非常に水っぽく、パンも湿っていてブニャっとしたサンドウィッチの変な味…それを何の躊躇もなく結婚式で話した事実も。これからお嫁さんになる立場の人になんたる失礼をしたのか!なんたる失態!今更ですがお詫びします(ごめん!)

県民なのに迷いがちな旧友と向かった兵庫県立美術館…
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吉村宗浩さんの個展「画家とアトリエ ー メチエの修行場」です!
風景と人間が発見された時代=北方ルネサンスの絵画を彷彿させる不穏さ歪さ滑稽さを湛えた美しい作品群

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アトリエ風の会場には(基本的に)ご本人駐在。
しかしオリファン故に日本シリーズ中は早退。
むろん話題は芸術ではなく野球とテレビドラマの議論が中心 (勿論この日も)

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「銀色は好かない」とぼやきつつ銀色ポスカでサインを書いてくださった素晴らしい画集
『悲しみの星』は888ブックスで販売中!買おう
兵庫県立美術館の展覧会は11月6日まで!観にいこう

よう頑張りはったね

三宮の繁華街にある明石焼き屋で明石焼き・おでん・ビール中瓶を完食し顔を上げると、目の前の女将さんから「よう頑張りはったね」と褒められた。はて、こちらで飲食した短い時間に労ってもらえるような行いを私はしただろうか?不審に思い検証してみる。

1. ネイティブっぽい男達が占拠してる狭いカウンター席を店の外から眺め、一度は諦めてしばらく駅前繁華街を彷徨ったが「せっかく来たのだから」と覚悟を決めて再チャレンジ。
2. 入口にいた白髪短髪の店主の風体に一瞬たじろぐも「お店に入っていいですか?」と声をかけることができた。
3. 首および両手首に水晶の数珠。さらにクロムハーツ風シルバーネックレス、特大パールのピアスなど多数の宝飾品を身につけた店主 (御歳古稀のクリスタルOLD BOY) の圧に負けなかったYO!古稀は70歳だy-o!
4. 〈明石焼きが焼ける間にビールとおでん〉と手抜かりなく注文できた。
5. 熱々の明石焼きにビックリしたがビールで飲み込んで頑張った。
6. 私を見た女将が「1人でタコ焼き,しかも手酌酒…YO!頑張ってはるね」と同情?
7. 一人前にしては注文した量が多かった?(そうでもないと思う)

以上が思い当たる点だが、いずれにせよ良い子のように褒められて悪い気はしないので「美味しくてパクパク食べちゃいました!お腹いっぱいでーす」と元気に答えてお勘定を済ませた。

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手際よく明石焼きを焼く様子を見ながら先におでんを食べます(おでん各種¥130)

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すごく美味しかった〜これで1600円!大満足です

絶えて久しくなりぬれど

布引五本松ダムから山道を下って堰堤を見上げるのに丁度良いあたりで乾いた巨大岩壁が現れた。岩壁前に集った高齢登山者たちの会話から「これは滝だ」と知り、滝はダムの貯水が飽和状態になると出現するのだと案内の老人が云うのを聞く。
ダム建設で滝が消えたのか、それともダムがあるから滝が出現するのか不明だが、この水無し滝の光景は三宮駅前再開発現場仮囲いで見た万葉漫画〈滝の音は 絶えて久しくなりぬれど 名こそ流れてなほ聞こえけれ〉と不気味な符合を見せ、絶えて久しい落水は心眼で見るように私はつとめた。

(幻の瀑布)
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岩壁(滝)の名「五本松かくれ滝」は公募で命名と神戸市HPで知る

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開発で見えたり見えなかったり(この工事現場目隠しは横山氏のN万葉)

名所歌枕「布引の滝」
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国内外から見物客殺到の有名滝は平安時代から大人気

(布引三十六歌碑)
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山中に設置された36個の石の歌碑には古い歌が刻まれておりこれはその一つ
〈分入し生田の小野の柄もここに くちしやはてむ布曳の滝 賀茂季鷹〉仙境に入り仙人の碁を見物してるうちに斧(小野=斧にかける)の柄は腐り、村に帰ると知人全員が死んでいた…そんな中国故事と同様に布引の滝を見てると時を忘れるなぁ。という意味だと解説板に書いてある。私はちゃんと定刻通りに帰れてよかった!

ダム/美術/ダム

先週、木金土の三日間は神戸にてダム&美術鑑賞。六甲山系にある目的の貯水湖まで結構な勾配だと知り、私は前日から足慣らしをして挑んだ。それは風間ランドから多摩川に向かうダラダラと長い坂道を下り、また登って帰宅する往復(60分約5km)するだけの自主トレだったが、やらないよりはマシで、市街地から至近距離なのにけっこう怖い感じの山に入って、美しい2ダム(立ヶ畑ダムと布引五本松ダム)まで無事に辿り着くことができた。

(…と言っても)布引ダムはロープウェイで登って下るだけのダム見物コース。
息を弾ませながらハイキングコースを登ってくる登山者たちが、すれ違いざまに「こんにちは」と挨拶してくれるのだが、こっちはズルしてるので何だかきまりが悪い。なので「こんにちはー!」と元気いっぱいに返してごまかしてみた。遊び方も服装もアウトドア趣味として不合格だけど、挨拶だけは野外仕様で!

〈立ヶ畑ダム〉
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住宅地にあるバス停(石井町)から急坂を13分ほど登ると…驚愕の別天地!
約4kmの遊歩道があり貯水湖を一周できる (静寂が恐ろしくて早足で一周)

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1905年竣工の日本で4番目に古い重量式コンクリートダム
麗しいRéservoir!古城のような佇まいの堰堤

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目眩がするような高さ33.33mの巨壁。威容に絶句…

〈布引五本松ダム〉
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スリル満点で怖すぎるロープウェイから見えた

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1900年竣工。日本最古の重量式コンクリートダムで堰き止められたこの人造湖は神戸市民の水瓶だという。私が給水塔やダムに惹かれるのは水瓶座だからかな?

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〈雌滝取水堰堤〉滝と小型石造ダムとドーム構造物
最高な組み合わせ!

車窓から

アナキストの生家へ向かう車中「篠ノ井線から見える景色は日本三大車窓だそうですよ」と学芸員Oさんが教えてくれたので期待して外を眺めていると、列車がスイッチバックで峠を越えてから長野盆地が窓の下方にチラチラ見えはじめた。写真を撮りたくて席を立ったり座ったりしてたら地元の人らしい女の子が「姨捨駅に着くと良く見えますよ」と教えてくれ、その通り一時停車した姨捨駅ホームからは、善光寺平の爽やかなパノラマが眼下に広がり青と緑が眩しかった。

その帰りは〈あずさ〉に初めて乗車した。にわか雨に濡れた刈り入れ途中の黄色い田圃や、白い花が満開のそば畑を見て、それからたくさんの知らない川を越え甲府から八王子へ、田舎から田舎へと走って新宿に着いた。私はタイミングが合わずうまく撮れない写真と、撮り損なって後方にどんどん流れゆく車窓風景を見ながら「いつかこんな油絵を描いてみたいものだ」と思った。

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姨捨駅ホームから

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あずさ車窓から

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なんでもない風景を描いてみたい(いつか)

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リヒターも車窓風景を描いたのかな?(竹橋の近美にて)

悪夢の元ネタ

先週日曜日、埼玉県東松山市の丸木美術館に行こうとしたら渋谷駅で乗換えを間違え、あらぬ方向に行ってしまった!長距離路線 Fライナーが途中でY字に分岐し終点が2つあるとは知らず、よくわからない埼玉県地名行きの電車に乗車。いつもと違う通過駅に「変だぞ」と気づき練馬駅で下車、混乱してきたので一旦池袋に戻って出直そうと思い、これまた何線かわからない池袋行きに乗る。着いた池袋駅でこんどは絶対に東松山に行く東上線に乗って「つきのわ駅」に到着…。2時間10分で着くはずだった美術館に3時間もかかってしまい、新幹線利用で京都に行くより時間がかかった。

頻繁に見る〈電車の乗換えに失敗し一向に目的地に着かない夢〉は、このような実体験が元になっていることは言うまでもない。

Yes! ヤオコー
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つきのわ駅前には埼玉の大手スーパー〈ヤオコー〉があり美術館の帰りに寄るのが楽しみ。
目当は言うまでもなくご当地の『太麺』だ。
Yes!ヤオコー!Yes!岩崎食品!

お土産現役選手

幼虫瓶詰が並ぶ松本駅ビル物産店にて懐かしい土産品を発見し「まだ現役だったか!!」と私は小さく感動した。そのお土産とは昭和時代に各地で流行したミニ図鑑キーホルダーで、私は『海の生き物図鑑』と『恐竜図鑑』の2つを持っているのだが、まさか今でも生産販売されているとは思ってもみなかった。しかも松本城が表紙にあしらわれた『全国お城図鑑』は、松本に来た記念に(松本城には行かなかったけど)ピッタリだ。440円とお手頃価格で即購入!(増やしてはならないオモチャがまた増えちゃった)
ちなみにこのミニ図鑑シリーズは学術的な昆虫図鑑や動物図鑑の他に、非科学的な血液型占い、365誕生日花占い、それから余興にピッタリな『なぞなぞ100』など種類豊富。私はこれらを見つけたら即購入するだろう(全巻揃えるのならば所有物増加の恐怖を捨てよ)

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『海の生き物図鑑』は水族館にいそうな生き物図鑑60%・後半40%はナマコやヒトデの写真集
『お城図鑑』末尾に「参考資料が少なく城の大きさや築城年など諸説あり、参考とお考えいただければ幸いに存じます。」というお詫びがあり謙虚さを感じる。
『恐竜図鑑』は恐竜同士の恐ろしいケンカのことなど子供が知りたい豆知識満載!