日別アーカイブ: 2022年12月21日

偶像たちの黄昏

無事に座席券を手に入れ『年忘れにっぽんの歌』開場までの2時間を散歩に費やすことにした。
中野サンプラザから徒歩30分の場所にある野方配水塔を目指し、途中で哲学堂公園に寄ってちょうどいい時間に戻って来られそう。よし、写真でしか見たことのない古い給水塔を見物するチャンス到来だ…

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江古田方面に歩いて行くと哲学堂公園にたどり着いた。案内板には園内に点在する〈七十七場〉の地図が書かれており、これらの名称は超自然的な何かを連想させる(月刊ムーに出てくる文言っぽい)不可思議なものばかりだ。木々の鬱蒼とした公園内でこれらの謎ポイント77を探すにはもう時間が遅い。私は深くは踏み込まずサラっと入口付近を見物してへんな高次元公園を後にした。

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そしてさらに歩を進めると、遠くに塔のてっぺんのドームがチラチラ見え胸が高鳴る(そう、遠くから眺めるぶんにはよかったのだ!!) 。塔に近づくと期待はいっぺんに失望へと変わった。なぜなら、風雪に曝されたコンクリートの古色は刷新され、クリーム色のペンキ塗装で改悪済みの巨塔がそこにはあったから…。フランス革命時代の巨大建築(予想図)みたいに荘厳な塔なのに超ショック!泣く

《哲学の庭》世界の賢人(偶像)が集う庭
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〈第一の輪〉には老子/キリスト/釈迦/アブラハム/アメンホテプ4世の5名が配置されている。
無頼の書『唯一者とその所有』のせいで、宗教・思想哲学・国家など全ての概念は人間社会の都合によって創造されたガイスト即ち〈亡霊〉という考えに汚染されてしまった私。「この円い池で身を清めるか?」「否、黒のままでいいや」

《哲学堂公園七十七場》No.34 狸燈(りとう)
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[解説版より] 人間の心情には狸に類するものがあり、しかも時には光輝ある霊性を発することもあるとして腹中に燈篭を仕込んである(?!)
腹に口のあるタヌキは善悪のどちらでもないが、霊性の輝きは腹から発せられる…。おもしろ偶像や謎建物が77もある公園にまた来よう!(次回は昼間に)