月別アーカイブ: 2023年5月

目黒2件

現在目黒区内で開催中の展覧会を2件ご紹介。
目黒不動尊の山門からほど近いギャラリー・LEESAYAでは、私が考えた変な名前で作家活動を始めてから早10年となった毒山凡太郎くんの個展が6/4(日)まで開催です。

けこぼ坂上にあるギャラリー・青山|目黒では無人島で先月開催した『日本国憲法展』のパート2が6/11(日)まで開催。無人島の暗ぼったい雰囲気とは一転、陽光の差し込む明るい部屋で日本国憲法と美術作品のコラボレーションが楽しめます!

(このガラス戸が目印)毒山凡太郎 個展
Let There Be Lightー光あれー
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毒山くんは広島現美リニューアル展でも展示してます。立派になったねぇ…

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被災地(福島)にあった波板を使用した作品
コンセプトも造形も率直なところが良い。蛍光灯で透すと美しく変化するボロ波板にびっくり!!

明るい室内からけこぼ坂が見える[青山|目黒]
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憲法第11条と共振する臼井良平くんのガラス作品

(目黒に来たついでに古刹見物)
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[目黒不動尊] 多角的信仰でカオス

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[成就院] 福をすいよせる蛸薬師にサンキュー☆ タコに願いを…

不死身ですね!

一昨日は千駄木~谷中で知人友人の展覧会を観て周りました。櫻木画廊『パロマー氏と問題神父』展では作家の吉村宗浩さんが在廊されており、へんな解説図をもとに聞かせてくださった武蔵美時代の珍騒動には大いに笑わせて頂きました。スマートに事が進まないところに可笑しさと愛らしさを感じる思い出エピソード同様、とぼけた美しさを湛えた絵画を観ることができる展覧会は6/4(日)まで!

そして昨日行った銀座のギャラリー58『中村宏  戦争記憶絵図』展では、なんと!中村先生と電話でお話するという嬉しいハプニングが!私が中村宏ファンだと知って画廊の方が繋いでくださったのですが、超緊張して「お久しぶりです風間です。先生は不死身ですね!!」と失礼なことを言ってしまった〜。確かな構図と筆致が若々しい新作を観た感動で、思わず「不死身」と口走っちゃった。
今までリアルな戦争を題材にしなかった先生が、90歳になられて〈戦争記憶絵図〉を新作で発表するという柔軟さと気概に対し心底リスペクトしかない。気力/体力/画力を維持し続ける中村宏先生の展覧会は6/3(土)まで!

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(上) 新作タブローを〈ネオ・アナクロニズムの亡霊〉と称ぶ中村宏展DM
(下) 新しい関係に発展したパロマー氏と問題神父のDM

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『パロマー氏と保護犬』
奥行きのない寒冷地の景色と暗く固まった表情に離れがたい魅力を感じます。

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「風間さん、先生の作品のような柄のワンピースを着ていらしてますよ」と画廊の方が報告すると電話口から「ワンピースいいねぇ!最近はパンツスタイルの人が多いから…」と先生の声が聞こえた。昨日は中村宏さん不老の秘密を知ることができて大変勉強になった(皆さんが知りたい秘密は後日)

WATER GATE (2)

1ヶ月前の大田区六郷〜川崎遠足にて最後に行ったのが〈川崎河港水門〉です。多摩川下流河川敷に聳え立つ白堊の水門は巨大で、緑燃ゆる歩道のはるか先にあっても古建築の威容を放っているのがわかる。私は無邪気に心踊らせルンルンと近づき、写真をパシャパシャと撮りまくった。
紺碧の空に向かって直線に伸びる巨大な柱の頂上にはフルーツ籠が!その装飾はルネ・ラリックの香水瓶のように可憐なのにとんでもなくデカい!しかもそれが二つ!…と興奮しながら干上がった運河跡に下りたり、草むらに入ったりして様々な角度から鑑賞し「もっと早く見に来れば良かった」と後悔した。

そして帰宅後、素晴らしい水門についてネットで調べて見ると、真っ先に上がったのが「少年殺人事件」の件だった。私もよく記憶している痛ましい事件の現場があの草むらだったとはショック…そのことを事前に知っていたら行けなかっただろう。あんなに美しい場所で凄惨な暴力事件が発生したとは今だに信じられず、犯人少年は善も美も感知しない鬼畜だと思う。

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〈味の素〉の工場を背後に従えた水門の威容

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大正15年着工、昭和3年竣工の水門は華やかなアールデコ時代を誇る!ここに巨大運河を造成する計画だったが「運河予定地に工場や家が建っちゃった」という凡ミスで頓挫したらしい(おそらく時局のせいでもある)。運河は幻、水門は無用に…

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川崎名産のフルーツがモチーフだそうです。

本日朝刊挿絵掲載

〈現代社会をイメージした作品を毎月掲載します〉という一文が添えられた朝日新聞『論壇時評』カット第2回は本日25日朝刊に掲載で〜す
「絵の内容がわからない」と忌憚無いご意見をいただいた前作の反省は生かさず、今回も現代社会を暗喩で描いた(不親切な)作品であることをここに予告する。掲載紙が郵送されたら窓黒読者にだけ分かりづらい絵の中身を解説しよう!(朝日新聞ご購読の皆様は編集氏にご質問を)

藁半紙にクレヨン(光る目)
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分かりやすさと共感から距離を置いて30年

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車の運転ができないのに乗車して夜道で迷子になる夢を今も見る

男の装身具

本日ご紹介の藁半紙クレヨン画は、茶色の三揃にピンク色のYシャツ、ベストから飛び出た紫のレジメンタルタイという古風なスタイリングの紳士を描いたものです。
ベルトのバックルとお揃いの金色のカフスボタンで着飾った濃厚な顔つきの伊達男は(想像上の人物とはいえ)デッサンの酷さを露呈しており、特に中指の第一関節だけ曲がってる点が気になります。ちなみに私は第一関節のみ曲げるような器用な技はおろか、ピースすらちゃんとできません。(身体中の可動域が狭い)

どちらかというと〈殿下〉に似てるかも?
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殿下というのはドラマ『太陽にほえろ!』に登場する刑事(デカ)の渾名です

〈男の装身具コレクション〉
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30年前(私にだけ)大流行したのがタイピンとカフスボタンの蒐集だった。そのほとんどは処分したが選りすぐりの品だけ残してある。このステキな銀色カフスボタンは、ボーリング選手が彫刻された珍品。

(一番のお気に入り・東芝カフスボタン)
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なにか不明の電子機器がクールなカフスボタンは、武蔵美学園に登校するさい頻繁に使用。
灰色ピンストライプのスーツ、ネクタイ、黒Yシャツの袖口にコレが定番! (おかしな格好で木版画を制作)

カラー時代(2)

昨日に続き30年前の灰色スラックス作品をご紹介しよう。当時なぜスラックスに興味を持っていたのかは全く思い出せないが、スラックスのディテール (ファスナー/タック数/ポケット/ベルトループ等)にこだわりがあり、仕上げに金属バックル付きの紳士用ベルトを描き加えることが常であったことは憶えている。

藁半紙にクレヨン
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上半身裸の従者が主人にネクタイを譲渡する図
(男と男の間に鹿が3頭いるのがうっすら見える)

旧かざまランド引越しで発見された(その時の写真)
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木製パネルに釘で打ち付けられた灰色スラックス(実物)の開きには、2人の男と鹿がペンキ/ジェッソ/クレヨンで描かれている。これはヌーヴェルバーグを意識した作品だったと記憶するが、なぜ鹿が登場するのか?描いた私でさえわからない。

カラー時代(1)

現在、白黒木版画専門と周知さるる私だが、30年前には色付きの絵も描いており、それらは今もファイルに収められ保存されている。当時流行のニューペインティングに触発され、自動記述的に描かれた絵画たちは最初から意味はなく今も意味不明。ただ20代前半の若者心理を窺い知るのみである。たまたま作品の存在を思い出したので本日から数点を読者諸君にご紹介しよう。

藁半紙にクレヨン
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任侠映画『緋牡丹博徒』お竜の弟分(不死身の富士松)がモデル。
クライマックスの殴り込みシーンにて、他の者は短刀や長ドスが武器なのに、富士松だけがダイナマイトを腹に巻きつけて奮闘!その異色の戦闘スタイルに衝撃を受け、当時好きだったピンストライプの灰色スラックスを着用させた姿で描いたと記憶 。燃えさかる松明を持たせたが、もちろん深い意味はない。

ソヴェートの不気味ヘリ

まったく終結の兆しが見えない露によるウクライナ侵攻において、ウ軍がソ連製の古い攻撃ヘリコプターを運用していることを報道で知る。
こんもりした曲線の1950’sクラッシクカーを彷彿とさせる不気味なデザインのMi-24やMi-8が、現下21世紀の空で戦っている異常性は、戦時国のジリ貧状態を現し、こんな侵略戦争が現実に起きてしまう時代錯誤の恐怖を物語っているのだ。

生身の人間が引き起こすエラーは成功よりも甚大な影響を及ぼすので、いっそのこと人間は政治を手放してAIに采配を任せたら良いのでは?人類の知の集大成だから(たぶん)間違えない(はず)。これからは重要な判断は無政府AIにお任せし国家は解体だ!そして無用になった兵器は鑑賞物・美術品に…「AIバンザイ!!」

ここはワルシャワの〈ポーランド軍事博物館〉だよ
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シャープな造形をしたWW2時代ドイツ特殊車輌sd.kfz.251とsd.kfz.138/2。世界のパンツァー愛好家に大人気!(わたしも好き)

誰でも無料で入れて実物兵器見放題の庭にて
旧型Miヘリを私は見た(それは4年前のこと)
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攻撃と輸送で大活躍の量産ヘリコプター、ミル24(ハインド)

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カエルみたいな顔でこちらを見るジブリっぽいミル8とミル17

プレートアーマーの館 [入場料15ズロチ]
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軍事博物館内で大量に展示されてる格好いい西洋甲冑

かわいい落下物

木曜日早朝。枕元のスマホから鳴るけたたましい警告音と「地震です地震です」の声にビックリするが、ぺっと消して布団にもぐって(安全確保し)再び眠ってしまった。
グラグラと長く揺れた地震の震源地が千葉(震度5強)だったことは昼に起きてから知り「そういえば1階の置物たちは無事かな?」と点検を始めたのは日が暮れてからだ。見回ったところ落下したものは廊下の漫画コーナーに置かれた月刊ムー特製〈火星の人面岩ストラップ〉とキン肉マングッズ〈ベンキマン.シール〉の2つのみで、他に異状はなかった。(このツマラナイ物品たちの安否を気遣うのは所有者の私のみで、これらを可愛いと思っているのもおそらく私だけだろう。)

「落ちてましたよ」
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月刊ムー特製〈火星の人面岩ストラップ〉

「落ちてましたよ」
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残虐超人〈ベンキマン.シール〉
(現在ではベンキ超人に六芒星はNGだろう…)

落下で新発見!ハダリーと人面岩とベンキマンの顔が似ている

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定位置〈漫画コーナー〉に戻った2名
(約30年前にサダヒロカズノリ氏がくれた作品はマスキングテープの経年変化を教えてくれる=黄ばむ宿命)

額装成功

美しい絵画を手に入れると、喜びと不安が同時に発生する。飾って毎日眺めたいけど日焼けで劣化したらどうしよう?個人で独自の管理をしたことで、素晴らしい文化財の価値を下げ、後世への損失となったら大変(でも飾りたい)。そんな葛藤を解決する道具の一つにUVカット額縁があることは既に皆さんご存知だろう。

今年2月、セルフ誕プレの一つとして購入したタイトル及び制作年不明のペンキ絵(横山裕一氏作) も、文化財保存の観点からダンボールで隠して(日陰で安心だが見えない)展示をしていたが、昨日いよいよUVカット額縁が風間ランドに届き自ら額装。自分で言うのも何だけどすごく上手くできました!額縁通販店の累積ポイント利用で3200円で買えた正方形の薄い標本箱のような額縁が非常によく似合い大満足です。

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黒ペンキで描いた死刑宣告タペストリー&養生テープでマスキングし黒ペンキを塗って作ったトーチカの銃眼風オブジェ(築70年の旧かざまランドの建具を利用) とペンキ絵。