日別アーカイブ: 2013年12月21日

ゴー・ストップ

こんなに本を買って、風間さんって読書家だなぁ~。と思った方、大きな誤解です。探して買うのが好きなだけで滅多に本一冊も読破できないんです!致命的!「拾い読みも読書のうち」と居直ってます…。そんな私でもスラスラ読めた本。それが「人外交差点」でモチーフに使った貴司山治のプロレタリア小説、労働大衆版『ゴー・ストップ』です。この大衆版というのがミソで、作者の貴司が「文学」というのは労働者になじまない。という考えであえて活劇風の大衆小説スタイルになってます。どうりで読みやすい訳だ!さてどんなお話しかというと….。
一流大学を中退して共産党のオルグになった澤田青年は、潜入先のガラス工場でプロレタリア覚醒した元不良少年・吉松と結託して労働組合を組織。同志英子、評議会、人道小説家の参平らの協力で争議を成功させ喜びに浸るが、その先には「3・15」の弾圧の罠が待ち受けていた!
……というのがあらすじです。アクションあり、スリルあり、ロマンスありで飽きさせません。
「労働運動ってステキ!」って感じです。
やっぱり一番気になるのは、主要人物が簡単に「プロ転向」する点です。プロはプロでもプロ野球やプロゴルファーではなくプロレタリアに転向です。吉松少年は澤田に「無産者新聞」をもらっただけで感化されるし、英子は澤田に恋人と認めてもらうために党員になるし、当の澤田は金色夜叉の歌詞を間違えただけで「俺に巣食ったインテリめ!早く出て行け!」と激しく自分を責めます。あげく、教師と小説家の二足の草鞋で食べてる参平も最後の場面では「ハッキリ労働者となるつもりだ!」と決意。今の仕事で十分だと思うのですが…。プロレタリアになるには教養も本職もすてて組織に認められなければならないのか?疑問です。だからプロレタリアは嫌なんだよ〜!
ゴーストップ
ジャケ買い必至の発禁本!吉田謙吉のかわいい装丁。
昭和5年4月1日初版、発行禁止処分。同月に改訂版発行!(中央公論社)
ゴーストップ目次
「プチブルは階級社會の寄生蟲だ」
偶然再会した貧民窟出の教え子が、金にうるさい女優に成り上がっていて参平はゲンナリ…。
ゴーストップ伏字
この拷問シーンを作品に投入しました。
××××で伏せられた箇所は想像で補おう…。

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1月9日〜於:無人島プロダクション