月別アーカイブ: 2015年4月

いんすぱいあー!!!! 独漫(1)

「このマンガを読んで笑わない人はだれ一人として世の中にいないっ!!それほど笑えるナウなハッピーなツッパッたすごいマンガだぜ。ウソを言ったことのないこのオレが言うのだから信用していい。信ずる人は救われる。ムッホホイ ムッホホラホ〜〜〜〜〜イ!!」(どおくまん)

…上記の如くハイテンションに作者が語るマンガ。それは、どおくまん作『熱笑!!花沢高校』のことです!作者が自負する程の熱笑はしませんでしたが…(初期のみギャグ漫画路線)、たった3冊で私はハマりました〜。「花高が素晴らしいのは周知の事実だ!」と一笑に付されるやも知れませんが、ナウでハッピーなツッパッたすごいマンガの評価に遅いも早いもなく、花高が未来永劫ナウくてすごいマンガだと私は断言したいのです!
この「花沢高校」のコミック本は、先日の「ストⅡ攻略本」と同様、作品資料として買い求めた(花高3冊+暴力大将1冊で200円。ヤフオクにて)のですが、侮ってましたね、恥ずかしながら。山松ゆうきちの漫画に極北の魅力を感じ、「どおくまん」に関しては何となく山松マンガの後発的存在、メジャー路線という軽いイメージを抱いてたので、実際に読んでみて度肝を抜かれました。そんな柔ではなかった!!なんという力強さ…絵もストーリーも!まずツッパリ・キャラ達のずば抜けた個性に目を奪われてしまうのですが、その根底に流れる「男気」にいつしか惚れ込んでいる事に気づかされます。主人公・力(リキ)を「兄ぃ」と慕う同級生・鉄から「ほんま兄ぃは最強や」とノセられて、どんどん強くなる力。その力に対して「アイツとは関係ねえ」と距離を置きながら、陰で助ける真の最強奇人・獣田三郎。かっくいぃ〜!私、獣田にゾッコンです。
たった3冊(4巻、6巻、14巻)しか読んでないので、何故この不良学生たちが「北大阪の虎」という組織と死闘を繰り広げることになるのか解りかねますが、バラバラの巻で読んでもこの面白さなので、その力量たるやもの凄いと確信した次第です。
「どおくまん」というのは独立大阪漫人集団の略称で、大阪芸大出身の4人組グループだそうですが、やはり画力にはさすが美大出身と頷けるものがあります。デフォルメが効いていても骨格がブレてない!とても勉強になるので今後は絵柄や構図の参考にしたいと思います。「花高」を読むとヤル気がでます。

2015-04-10 23.13.15
どおくまん代表・独漫氏
獣田と引けを取らぬカッコよさ!

2015-04-10 23.09.55
「熱笑!!花沢高校」全29巻揃えたいけど、けっこう高値。(少年チャンピョン昭和55年〜連載)
「暴力大将」この巻では矯正院での抗争が描かれてます。
暗くて残酷で不条理!これから太平洋戦争で兵隊として活躍する話に続くそうですが…。

2015-04-10 23.20.51
不良達のミーティングは常に「ラウンジ」喫茶、喫煙、飲酒上等!
パブにて煙管、葉巻、ウイスキーを嗜む大人な花沢三人衆

2015-04-10 23.16.38
部室、教室までもラウンジ化!
極悪な他校の不良に乗っ取られた高校は化学実験室ですら応接間に…
鉄仮面高校生の四鬼、五鬼に派遣番長の指示を出すドクロハットの幽鬼。

tamai
模写をしてみた(弱い!)
喫茶ピエロでミーティング中の回天高校総長・玉井金次郎
「回天」の長ランに菊柄のサテンパンツ。そして角の付いたヘルメット!
『熱笑!!花沢高校』はファッション、インテリアの参考書にもなる。

 

延太郎と私と肥やし

品種名:オカメヅタと判明した我が家の闖入植物、蔓★延太郎(まんえんたろう)は、日照不足から軟弱に間延した姿ながら順調に成長中です。その成長に私自身が貢献してるとは、努々思いもよらないことでしたが…。
じつは先日からトイレの排水の調子が悪く「もしや…これは?」と10年前の悪夢が頭をよぎり、おそるおそる勝手口裏の汚水升の様子を見るとオーマイガッ!的中してはならない予感が的中…悪夢再来。汚水が升の蓋から漏れてる〜。(スカトロジックな詳細は割愛させて頂きます)この数日前から溜まってるかんじの臭い水溜まり、そしてそのちょっと先には延太郎の本体。・・・あれ?最近グングン延びまくってる原因ってコレか?もしかして延太郎の肥料になってる?私の肥やしで成長してたのか!葉っぱが柔らかくて美味しそうなので「サラダにして食べてみようかな?」と思っていたましたが、事情が解るとその気も失せた。もし食してたら、私と延太郎だけの超コンパクトな「食物連鎖」が成立してた所だったけど!
つながってるね!延太郎と私(これが絆?)ますますコイツが可愛くなってきました。光を渇望するあまり葉っぱが巨大化した延太郎は、蛍光灯の光でも欲しがって移動します。短時間で葉っぱの位置が動いてるので怖い!植物の貪欲さよ。たぶん、このままでは日光が足らずに枯れてしまうかもしれないけど、どこまで蔓延るか放置して見守ろうと思います。(もう肥やしはやらない)

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ドクロPEZの領域まで侵攻してきた蔓★延太郎
(ガスレンジの方に来ないように花瓶で押さえてる)

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屋外のオカメヅタに比べ明らかに巨大化してる延太郎の葉っぱ

訂正:「オカメヅル」は誤りで『オカメヅタ』が正しい名前です。過日の誤りも含めて訂正致します。

君の名は…

外出癖がついたのを弾みに、昨日は川崎の岡本太郎美術館に「太郎賞」の展示を観に行きました。
「俺以外は無」と言ってもあまりにも周囲を見てないので、とりあえずコレぐらいは観覧しておかないと…。今年は映像作品が激減し(ほぼゼロ)平面とインスタレーションが主でした。個人的には近年の太郎賞のなかでは見応えがあったかな?と思います。しかし、和テイストのデコラティブ傾向は根強いな〜。私は95年生まれの吾妻吟さんの「圭介」という作品が一番気になりました。架空の地域を取材したフィールドワーク小説の断片を、研究発表のようなかたちで展示してます。それらは現実とアナザーワールドの境界を滲ませる巧妙さで、この人は頭がいいな、と感心しました。不思議な異界を紡ぎ出しつつ、歴史の灰色部分も内包しているような批判性も覗かせる。
…常設展は冒頭から「アプストラクシオン・クレアシオン」会員のシルクスクリーン作品が勢揃い!おお、この静謐さに比べなんと太郎賞の騒々しいことよ!…ドゥースブルフにモンドリアン、クプカにドメラ。そしてモホリ=ナジ。超超フラットなコンポジションのリズムにテンポ!タブローだったらもっと良かったが「どれでもいいから一枚欲し〜の。」という願望は叶いそうもないので得意の贋作(リプロダクト笑)でも作るか?
帰りは電車賃を倹約して二子玉川から徒歩で帰宅。ニコタマダム御用達のお店等をヒヤカしてつつです。玉川高島屋の離れ小島『ガーデンアイランド』なるショッピングセンターに初めて上陸しました!この島には「カフェ、犬、植物、プチブル」が主に生息しております。ドッグランや屋上庭園が売りですが、夕方だったため楽しむ家族連れの姿はみえず、傾斜地に複雑に建てられた薄暗い店内から脱出するのに大変苦労しました。階段の踊り場には売れ残った覇気のない観葉植物と犬のトイレ。たぶん私は非常階段を降りたのだろう…。「都内随一」という園芸店はニコタマ価格で高め。桜新町の庶民派『ユー花園』の有難さがわかりましたが、だがここで二つ解ったことがあります。それは私のチランジアが購入時から死んでたということと、闖入植物、蔓★延太郎の正式名称が「オカメヅタ」であるということ。オカメヅタか、ぱっとしない名前だな〜。最近の延太郎は磨りガラス越しの日光で弱り気味です。自ら侵入した自己責任だ頑張れ!

2015-04-02 18.08.00
このクールなモダン建築は「乙卯研究所」という薬物研究所。
玉川高島屋本店とガーデンアイランドの中間地点ぐらいにあります。
昔から好きな建物でしたが改めて調べたところ「坂倉準三建築研究所」が昭和40年に手掛けた建築だそうです。そういえばル・コルビュジェ先生っぽい?

2015-04-03 01.09.34
このドゥースブルフの絵のシルクスクリーン版が展示されてた。四角い!そして対角線。

2015-04-03 03.21.50
「モンドリアン」と代表させておきながら表紙はドゥースブルフの作品。
「対角線なんて許さねー!」と垂直水平 vs 対角線の内ゲバ再燃するといけないので垂直水平に見えるように置いてみた。

温室のミューズ

紫外線を嫌って夕方から動き始める生活パターンは人様から「ドラキュラ生活」と揶揄されて久しいですが、ここ数日間、憎たらしい春の強い日差しに眉間をゆがめつつ、彼方此方に外出しております。先週の金曜日は横浜美術館「石田尚志/渦まく光」展の内覧会、土曜は目黒区庭園美術館「幻想絶佳 アールデコと古典主義」展と五反田遊古会、日曜は買い物、月曜は上野の森美術館「VOCA」展を観に、と部屋を飛び出して美術鑑賞と古本探索です。人間らしい活発さを取り戻し、脱ドラキュラする日は近い(かな?)。
早く行かなければ〜と駆り立てられながらも、結局終盤になってしまった「幻想絶佳」展は眼福の極みでした!第一次大戦と第二次世界大戦の狭間で爛熟期を迎えたフランスのアール・デコ。今回の展示されたこれらのブルジョア芸術(フランスのデコは上流志向)の至宝の数々は、パリで催された1925年「アール・デコ博」1931年「植民地博」、相次いで造船された豪華客船などを彩った古典主義の作家達の芸術作品です。それは完成された人間の美を誇る「古典主義」の再発見によって、彼等成功者の世界をとりまく繁栄気分を存分に捉え、超ブル社会など覗いたことのない私どもにも強烈に伝えてくれるお宝たちです。
朝香宮邸・本館は、ラリックやブルーデルで飾られた絶佳空間で、お目が高いオバサマ達の口から「はぁ〜ステキ♡」と深い溜息を誘う超一流品の坩堝でした。そしてアンリ・ラパンのファンタスティックで構築的な室内装飾!私はこの「人類の室内装飾の絶頂」を目の当たりにし、完璧な人造形態を備えた空間に於いて「自然=植物」は無用である!という決定的な結論を鼻先に突きつけられた思いがしました。(窓ガラス越しの緑陰は必要)冬から抱えっぱなしの「観葉植物問題」の糸口がココにありそうだけど、超絶絶佳すぎて庶民レベルの問題まで引き下げるのは、ちょっとおこがましいですね。
この日もっとも激しい印象を受けたのは新館ギャラリーでの展示。これはヤバい「水晶宮の美術」です!ほとんどの作品がパリの博覧会、豪華客船、公共施設を飾る目的で制作された作品や、その下絵や模型です。第一次世界大戦後の特需に沸く資本家たちの祝祭ムードを祝福する、古典的主題のギリシャの雄々しい神々、獣の姿を借りた神と戯れる女神達。その図像は何だかイビツに怪しい健康美を孕んだ「我が世の春」の美しさなのです。「狂騒の時代」の最上階から臨むことはないであろう「夜の果てへの旅」に描かれた、地を這う最下層の闇黒を頭の片隅に配置しながら鑑賞すると、その成功と勝利と支配の美に、なお一層ギラギラとしたコントラストが加わります。
そして。「幻想絶佳」展のメインビジュアルとして、ポスターやチラシに印刷されているウジェーヌ・ロベール・プゲオンの衝撃的絵画『蛇』は、なんと表現したらいいやら…凄い!そう、全てに於いて。…男性的な白馬2頭と一糸纏わぬ美女が2人、そして黒いギャルソンヌ・ルックの中性的な人物。彼等が繰り広げる享楽の密室劇は、あられもなく白昼の強い日差しに晒され、非現実的な光景として現れます。観客は、背景に散らばる謎解きの小道具を一つ一つ拾うことを余儀なくされ、幻惑の世界に引きずり込まれていく感覚を覚えるのです。色彩と巧みな描写によって完璧なミステリーが構成されてる。こんな「変」で魅惑的な作家と作品を知らなかったなんて!(さっそく画集を探してみましたが、無いですね)
…時代の栄華を飾る博覧会の美神。彼女等は、長い船旅を経て植民地から取り寄せられた、熱帯の植物のように若々しく野蛮。閉ざされ蒸せる温室の中で「常緑」の夢を見続けている…。永遠に若いアール・デコ様式の空間で、ブルジョワジーの泡沫の夢を覗くことの出来る素晴らしい展覧会でした。大満足。(幻想絶佳展は4/7まで開催!)

追記:世界初の国際博覧会「ロンドン万国博覧会」の会場は、鉄骨とガラスの大伽藍「クリスタル・パレス」です。マルクスから「盲目的な資本主義崇拝」ドストエフスキーからは「合理主義的決定論の権化」と批判された水晶宮ですが、ここから温室ブームがはじまり、産業革命で大気の煤けたロンドンでは温室の作れない中流階級のあいだで、部屋の中で植物を愛でる「観葉植物」が流行したそうです。なーるほど。観葉植物がコロニアル風でプチブルな理由がそこにあったか。(別に植物が憎い訳ではない)植物を置くべきか否か?まだ答えは出ない…。サボテン&多肉はどうにか頑張ってる!

2015-03-28 13.45.05
庭園美術館は何回訪れても新鮮です。

へび
ウジェーヌ・ロベール・プゲオン『蛇』1930年頃
眩しすぎるっ!ぬらっとした平坦なマチエールにゾクゾクします。

2015-03-31 01.12.39
敗北感。余白にも植物にも負けた…

2015-03-31 01.41.12
台所の闖入者、蔓★延太郎はぐんぐん蔓延り中!

犬
撮影モデルを真面目に務める犬と撮影に夢中な飼い主。
花見は呑川に限る!ただし地雷(犬の排泄物)に要注意。

2015-04-01 00.32.30
十年程前に奇しくも同じ横浜で観た「フーガの技法」の感動。
その感動は今も変わりません!皆さんも執拗な優雅さに酔って下さい。

『石田尚志 渦まく光』 横浜美術館にて5月31日まで開催です!