月別アーカイブ: 2015年9月

のびゆく台湾

台湾滞在中の写真をいまいちど見直すと、一番多い写真は建設現場の写真でした。これは台北の桃園空港にむかうバスの中から見えた風景で、高速道路の高架橋がとぎれとぎれにグングン伸びて行く姿です。廃墟や戦争遺跡、取壊し作業中の死に体建築もいいですが、異様に成長の早い植物にも似た勢いを感じる未完成の構造物も大好きです。特に巨大な柱は格好いい!こんな素敵な現場が見れて得しました〜

現場2
現場1
現場3
バスの車窓から撮影。めくるめく建設絵巻!

おでん
台湾で食べた物の中で、謎の懐石ディナー(あらゆる誤解から誕生した珍奇料理)で提供された、苦くてヤバい漢方薬風味の海老ソーメンがNO,1衝撃料理でした。
干し椎茸を肉の代用にした担々麺みたいな麺なども美味しかったですが、セブンイレブンの台湾風おでんは最高に旨かったです。赤米のきりたんぽ的なやつ、蛇腹形状の油揚げ、たまご味のさつま揚げ等が、五香粉のうっすら香るラー油入り出汁で煮てあります。
4個買うと一個おまけで、だいたい250円ぐらいです。日本でも売らないかな〜

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かわいいお菓子。
ネギ味ポテトスナックの青い袋に描かれた、白ポッチャリな青年天使。彼こそがロンリーゴッドその人でしょうか?

ファンシー的♡台中

私達チーム無人島は、美術館の講演会場を抜け出して、カフェの女の子達から得た情報だけをたよりに台中の街へタクシーに乗って繰り出した。付いた場所は学生街なのに屋台が立ち並ぶ、ちょっとしたアメ横みたいな雑然とした小路が交差する街でした。
デコボコ舗装の道端には、生死が定かでないグッタリしたでかい野良犬達と、彼等のものと思われるそれなりの大きさの排泄物。そんなの全然気にしない大らかな人々、その大らかさで傍若無人に走り回るスクーター集団。…何と言うか、実にカワイイと思いました。キュンときた!おおよそザックリしてるけど根っから親切な人間性の愛らしさよ!80年代風のファンシーさがあふれる街角と、無自覚なオモテナシと、未完成の魅力。もう日本はカワイイとオリンピックを台湾に譲渡すべきです。

廟
観光的写真(地元の名士が建てた古い廟)

かべ
かっこいい壁画

ミズノミ
弘前のタイル装飾もステキでしたが、こちらの水飲み場も良いです。

ハゲ
率直である

歯医者
クールな歯医者

犬小屋
玄関脇に設置された立派なファンシー犬小屋。
マリンな意匠に愛情たっぷりですが、当の愛犬は小屋でなく玄関で寝てた…

造動in台湾!

「もはや天才的芸術など無用だ!アトリエに籠る画家も不要だ!今、行動するアーティストの時代が到来したのだから!」開会式に集った聴衆の前で、革命家顔をした台湾作家は雄々しく鬨の声をあげるのでした。私は「こりゃまた随分勇ましいな…」と呆気にとられ、そして、ここ台湾に来てやっと「アートで世直し出来るかもよ」な理想に燃える展覧会に自身が参加してることに気づいたのです。革命も理想も正義も必要としない、無目的(大切!)虚無(重要!)と天才(最高!)を標榜(矛盾)する美術作家としては、この場所は相応しくないか〜もね?と思いましたが、既にこの展示の文脈の裡に取り込まれてるのだから抗いようがありません。
初日もろもろの催事の後、アジアのコレクター(富豪)が主宰する華麗なるディナーに招待され、会場のホテルに向かう車中「オファーされた時この展示のテーマを聞かされてなかったですよね。」ともう一人の日本人作家である金氏さんと顔を見合わせて、あぁそういえばね。と…。こうやって所謂アートは政治的にウッカリ染色される危険があるんだ。あぶない!
今回はアジア各国の作家達と展示して、彼等が自国の「民衆」として置かれている立場など強く意識して制作してることが分かりました。それには自由や独立や公平、そんな理想に満ちた純真さが感じられます。その理想の実現手段が即ちアートという流れですが、社会情勢がめまぐるしく変化する中で、記録映像などは特に美術でなくてもよいのでは?と暗に思ってしまいました。(会場では孫遜氏の作品が一際圧倒的だった。版木を使ったアニメーションなど黒っぽい世界に共感。)

そんなこんなで色々勉強になった初のアジア渡航。海外渡航経験の未熟さから、旅行準備の段階で多くの皆さんにご心配をお掛けしましたが、無事に帰国できました〜。ありがとうございました!

造動
ここが国立台湾美術館。
アジアンアートビエンナーレ/造動(アーティスト メイキング ムービング)の会場

会場
展示会場のまゆみさん

インタヴュ
3回もNGを出したインタヴューの光景

レセプ
隈取りを施した猛者が乱れ打ち!!
これはレセプション開始をつげる熱気溢れるパフォーマンス。
この壇上でWピース要求の集合写真を撮影。

台湾に行くので

台湾に行くので、海外でのスマホの扱いをどうしたらいいのか?携帯販売店で訊いたところ、うっかり電話に出たりネットを利用すると、後で法外な金額を請求される、という恐ろしい話を聞かされて震え上がりました。なのでスマホは携帯しますが絶対に応答しません!皆さん私に連絡しないようにお願いしま〜す。たとえ請求されてもそんなお金は払えませんので。
どうして台湾に行くのかというと、アジアン.アート.ビエンナーレという催しに出品参加し、客人として招かれたからです。そのスケジュールを見ると、東洋のブルジョワジー諸君とのパーティ会食と連日の宴が設定されてます。ご存知の通り英語ができず、青森で相づちだけをマスターした私には、これだけで気が滅入ります。それに食の好き嫌いが多いのでその点も心配です…その前に飛行機にちゃんと乗れるかも不安です。無事に行って戻って来れるか?戻り次第ご報告します。

「いってきまーす」
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Asian Art Biennial ←これに参加します。
2015年9月19日(土)– 2015年12月6日(日)
会場: 国立台湾美術館、台中、台湾

青森流れ者

ここACACでの生活も残すところ2日ちょい、となりました。思い返せば、初めてのレジデンス環境と切羽詰まった制作から現実逃避するために歌ばかり歌っていましたが、創作棟で宿泊棟で風呂場で森で発する悪声を大目に見て「歌いたい時に歌えば良い」と許可してくださった寛大な永岡様に感謝です!
過日日曜日には、台湾行きの航空券をインターネットで購入するミッションに苦悶(焦りまくって頭が真っ白に)し、午前中まるまるゴンドラの唄、カチューシャの唄、船頭小唄と3唄セットでヘビロテ歌唱で過ごし、来週台湾に行くプレッシャーと今直ぐチケットを入手しなければならない焦りから逃げ惑っていましたが、その醜態に見かねた永岡様から救いの手を差し伸べて頂き、どうにか購入できた次第…。
エゴイスト教本『唯一者とその所有』2冊を携え、ウルトラマリンの底の底であろう極北を目指さんと、青森まで流れてきたものの、己の社会的実践力のなさからこのように人に助けてもらっている始末なのです。流れ流れて青森はツマラナイ片意地がくじかれる、情の深い土地でした。

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昨日は青森市街地で多田君と落ち合って古本&酒をした。
古書店「林語堂」での収穫は朔太郎の自家雑誌「生理」の復刻版とCD2枚。
外国語で題名の読めないシェーンベルグが思いがけず良かった!300円

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その多田君の手による外装、バー「いいわけ」の黒い涙ネコ

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かつての青森博徒御用達の地方札(黒札とよばれる花札)
友人に教えてもらい、この絵柄の素晴らしさに驚愕しています。
墨版に人物が隠れている不可思議な美しさ!

酸っぱいリンゴと小旅行

尾形亀之助の詩集「雨になる朝」の中で、とても気に入っている詩は「白に就いて」です。….松林の中には魚の骨が落ちている(私はそれを三度見たことがある)….私は青森の松林で魚の骨を見たことは一度もないですが、落ちていたらさぞかし白いのだろうと想像したりします。そして快晴の朝、お茶を済ませた後に雨がおもむろに降りはじめると、ぼんやり詩集を繰りながらコーヒーをすすっていた十数分が「雨になる朝」だったのだな、とほんの少し前のことを回想したりするのです。
昨日はそんな雨の気配のまったくしない好天。青森に来てから遠出をせずにいたので、およそ2時間のバスと電車の移動を「旅行」と称してレジデンス仲間と連れ立ち、弘前在住の画家、多田さんのアトリエを訪問をしました。画室として最適な(もともとアトリエ)の物件を拝見して、やっぱり空間があるっていいなぁとよだれを垂らしたのち、街をぶらぶら散策しました。弘前の住宅はトタン、モルタル、コンクリ等を駆使した様々な造形の家屋が多くて、そんな中から多田さんお気に入りの家など教えてもらいつつ古本屋を目指して歩きました。変わった形の家々と格好いい岩木山と古びた町並み。確かに「住んでもいいかな?」と思わせる良い街でした。

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弘南鉄道大鰐線(吊革がリンゴ)

みずのみ
素晴らしい水飲遺構

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弘前の古書店で入手した2冊。
リラダンの「トリビュラ・ボノメ」は珍しい事に、買ったその日に三分の一ぐらい読めた!それぐらい面白い本(家にある未來のイヴは未読…)

ふたたび青森

先週の金曜日から青森ACACにいます。週末土日に木版画のワークショップがあり、10名強の参加者に指導しました。「アーティストと楽しく過ごそう」みたいな心温まる積極的サービスもなく、滞りなく淡々と時間通りにコトは運び、無事に終了しました。
この教室「彫刻刀と白い嘘」では、黒っぽい版画から彫り進めて白っぽい版画に変化させる、一つの版を使用して二つのイメージを表現するという、今回ACACで制作した自作「帰り舟」と同じアイディアの転用です。参加者の皆さんは黒猫から白猫へ、アインシュタインから渡辺貞男へと華麗な改竄と変身を楽しまれたようで何よりでした。

青森はすっかり秋の空気です。クワガタ、カブトムシは消え、バッタとトンボが盛んに活動しております。陽気な外国人作家2名も帰国して、ここに初めて来た6月の静けさに戻りました。
こんどは旅行にでも行こう。竜飛岬のトーチカでも見に行こうか。と調べたら数年前に撤去されてたました…残念無念!

うろこ雲
鱗雲と満月
こんな恐ろしい模様の夜空を私は見たことがない。