月別アーカイブ: 2016年12月

魔境脱出の年

2016年の一大事業は何といっても「引越し」。モノであふれ人外魔境と化した旧居は収拾不可能と思われ、迫り来る明渡しの期限は日増しに重くのしかかり、その圧迫で気が狂わんばかりの日々でした。しかし逃亡は許されぬこの現実!わたしは(断腸の思いで)膨大な古い物品を記憶とともに大量廃棄し(まだ捨て足らないが)厳選し残された所持品たちと、このステキな新居で再スタ—トをする決断をした!今年はその忘却と再生の記念すべき元年となったのです。
この一年の一番の変化は、モノを増やさないように吟味して買い物をするようになったことと、テレビが見れない環境でラジオを聴く習慣がついたことです。愛聴ラジオ番組「昼の憩い」では、のどかな農村や桃源郷のような里山が(本当に)実在することを知り、「民謡をたずねて」では領主や庄屋にゴマをするような唄はつまらなくて、自然発生的な牛追いや田植えの曲のほうがミステリアスで素晴らしいということが分かりました。
総じていうと一年で趣味が(なお一層)老人化した、ということです。昼の憩いでいつかきっと現実離れしたホノボノしたBGMをバックに、私の投稿ハガキが読まれる日がくるのでしょうか?(まだ番組にあったネタに遭遇しないが)

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左上にハ°スタソ—ス(バジル/ボンゴレ/チ—ズ)と書いてある。が、この枯山水図の題名ではなくて年末の買い物メモの残像。来春発表の新作(サバ景圖)の下絵を描き終えないと私の新年はやって来ない!

石を養う

めずらしく早朝に目が覚めたので、自宅から徒歩40分の場所(目黒区柿の木坂)にある「松竹園盆栽水石販売所」というお店に行ってみた。冬枯れの木立よりも配石の多さが矢鱈と目につくこの吞川支流緑道が水石販売所に続くスト—ンロ—ドなのだ。と石との関連をこじつけ期待を膨らませつつ歩を進めると呆気なく到着!(案外近かった)少し立派な民家の庭先に、雨ざらしで痛み始めた木製の台が数台並び、上段には盆栽、下段には水石が多数陳列されている。だが「販売」してるふうには見えず「ご自由にお入り下さい」の看板がなかったら入店を躊躇したであろう。看板の文句どおり気難しいところのまったく無い老園主は「まだ勉強中で買えません」という面倒な客にも、水石についての知識を教えてくださった。
なるほどそうか、と膝を打ったのは「養石には五十年以上の歳月を要し、石を養い終える前に人間のほうがおっちんじまうので(養石済みの)石を売っている」という販売所の存在意義であった。この耳馴染みのない「養石」とは、この販売所の棚に並べられた石たちのように、山岳や渓谷で探石し採取してきた石を野ざらしにすることで「時代を付け」鑑賞石に育て上げる大切なフ°ロセスなのだという。この「時代付け」を加速させるために愛石家は毎日ホ—スで水をかけ日光に曝すのだという。自然界で風雪に曝された以上のストレスを大事な石に(敢えて)与えるのが愛情なのだから、なんだかヘンだ。

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園主の筆による気さくな看板

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私が気に入った石(10センチ程)はこんな石(だったような気がする)
この石は昭和33年に広島・太田川が土砂崩れし氾濫したさい、海岸まで流され発見されたのだという。そのような由来と六十年近い養石(時代)で1万5千円

N/A

今年も残すところ一週間あまりとなりましたが、皆さん新年を迎える準備はお済みでしょうか?日記も手帳も三日坊主ですぐに記入に飽きてしまう私のところに、とても素敵な手帳が届きました!会社案内とファイル作画のお仕事をさせていただいたコトブキテクレックスさんの2017年手帳です。これは関係者以外は入手不可と思われる貴重な手帳なので、私の悪筆で汚すことに大変ためらいがある。ゆえに記念品として(使用せず)大切に保管するつもりです。

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これは漫画本ではなくて黒革の手帳(非売品)の表紙をめくったところ。
見返しに配されし我がタンク戦士たちよ!

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曖昧の海に沈む不明の太陽と終わりなき詰問…
今年もいっは°い聴いたThe RESIDENTSによるノット.アベイラブル(入手不可能)はたぶん容易に入手可能

【告知!】
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今年の府中市美公開制作は明後日25日がラスト!(来年は1月8日から再開で—す)
年末の巷では華やかなクリスマス当日でありますが、地味に過ごしたいという人は是非とも見学に来られたし!(わたしも地味に過ごす予定!)

【動画公開!】
見学に来られない遠地の諸兄姉のためにユ—チュウブにて動画公開中〜!

〈下絵篇〉https://www.youtube.com/watch?v=DCeMTyP-WjM
〈彫り篇〉https://www.youtube.com/watch?v=2lT8Bg91GNk

ずっこけばくだんていしょく

姪とわたしの母のイベントユニットびっくり—ずによるハ°—ティ—「ずっこけばくだんていしょく&天国てんしていしょく」と「びっくり—ずびじゅつかん」が今夜開催され、先程参加してきました。「〜ていしょく」は紙製の料理(水ようかん、むしとうもろこし、オレンジビ—ルジュ—ス)が給仕され、それを食べるフリをしながらクイズに回答し、全問正解すると賞金(贋札千円)がもらえるという食事会で、「びじゅつかん」は姪と母の制作した絵画、絵本、作文などを鑑賞し、帰りにはグッズ販売とクジ引きでフ°レゼントが用意されています。
そして。助手を長年つとめてきた母も知らなかったサフ°ライズが!なんと、小2の姪が幼稚園時代から組んでいたこの「びっくり—ず」が本日のイベントをもって解散という発表が!ハ—ドな特訓によって歌と振り付けをマスタ—した母とその孫による最後の「びっくり—ず音頭」の熱演によって、突然のフィナ—レとなったのでした。(なぜ今日は字が太くなったのか?)

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イベント
に参加すると、こんなに沢山のグッズのお土産がある。

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例えばこれは…風間ヒロ子(母)じょしゅじきひつ!のさらし首のようなサインとその作品「へんなびようしつ」。姪の作った「ひよこボ—ル」「ねがいごとマクラ」
「ねがいごとマクラ」を枕の下にいれて寝ると願い事が成就するという。しかしこのおまじないグッズには「まんがかになれますように。」とすでに姪の願望が書かれており、私の望みごとは叶えそうにない。

〈明日はない!〉
明日18日は府中市美術館公開制作はありません!ご注意を!
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版木にその姿を現しつつある近代五種麿(次回は25日)

ハ°—ティ—を開きましょう

いよいよ街角にクリスマスソングが流れる季節になりました。忘年会にクリスマス…ハ°—ティ—シ—ズンの到来にワクワクドキドキ!準備はOK?…でもどんなハ°—ティ—を開けばいい?フ°レゼントは何にしよう?そんなコトで悩んでるアナタにひ°ったしのヒントがこの本には満載です!ぜひ参考にして、みんながビックリ!ハッヒ°—になるハ°—ティ—を開いてみてネ!

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「ティ—ンのおしゃれ教室」集英社モンキ—文庫(1977年)

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★男の子をお家に招いたら…
女の子だけでスミっこでヒソヒソなんてダメ!せっかくのハ°—ティ—なんだからモット積極的に。こんなゲ—ムでヘ°アをつくるのも楽しいわ。

「フイッシング」
二メ—トルぐらいのひもを用意し、女の子はそれぞれのひもの先に男の子をつるエサをつけます。おかしでも、アクセサリ—でも。それから別室にエサを出し、かげでひもをもっていて男の子はすきなエサにくいつくわけ。

★こんなハ°—ティ—はいかが?
「やみ汁ハ°—ティ—」
なべ料理用の変わった材料をもちよって、くらくして煮てたべるのです。

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「ボ—イフレンドへのフ°レゼントのヒント」
★豆ライトつきとか、ドライバ—入り、トランフ°入りなどのキイホルダ—
(男の子はめずらしくて変わったこまかいものが好き)
★乾電池、フィルム、テ—フ°、サインヘ°ンなど
(必ず必要でいくつあってもいいもの、おくゆかしい)

変わったこまかいモノならわたしも大好き!(乾電池をくれる女の子がいたらチョット心配になっちゃうかも?)….どう参考になったかしら?年末のハ°—ティ—はこれでOKね!

 

一度どこかで…

定時制高校では選択科目という文化的授業があり、書道、木彫りの2種から好きな科目を選択出来ました。むろん私は木彫りを選択。では何故「美術」でなく珍しい「木彫り科」なのかというと、週に一度だけ来る先生が彫刻家だったから木彫りしかやらないワケです。
先日登場した長身痩身のマブダチは、この中年彫刻家(椎名誠似)のお気に入りで、授業中ずっとデッサン(胸像用?)のモデルをやらされてました。鼻筋のとおった細面がお好みのようで、鼻も顔も丸い私には関心がなく毎週ひたすらマブダチばかり描いてた先生でしたが、ある日「これでは不公平だ」と思ったのか「今日は風間さんを描いてみよう」と言って私の似顔絵デッサンをおもむろに始めたのです。その時先生がもらした「なんだかコアラみたいな顔だなぁ」という失礼な一言を今でも私は忘れておりません。(描いてくれとお願いした覚えはない)
…と。こんなツマラナイ出来事を思い出したのも、昨夜、事務椅子のクッションに突如現れた何者かの風貌が、その時のデッサン画にそっくり(ウリ二つ)だったからです。

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ひじょうによく似ている!屈辱のデッサン画に!
(先生の人物画は船越桂のデッサンを百倍希釈した感じだった)

〈告知〉
次の日曜11日も府中市美術館公開制作実施!(版木を彫っている最中です。コヒ°—用紙をヘ°ンでなぞってる時よりは版画らしい様子が見られましょうぞ)

↓下絵(ヘ°ン画)を製作中の光景はYouTubeで閲覧可能!
https://www.youtube.com/watch?v=DCeMTyP-WjM

〈追記〉コメント欄を利用する方へ
返答方法がわからないので無回答でも気を悪くせず当ブログの一方通行をお許し下さいませ。

ニュ—バッグ(消失)

先日ご紹介したハ°ハ°(虎造)のニュ—バッグの中身(森の石松その他)を聴くために、中古ラジカセ(800円)を購入!カセットテ—フ°の感触にしばし昔を懐かしんでみるか、と思ったが、春の引越し淘汰祭りでテ—フ°を大量処分し、たったの10巻しか手元に残ってなかった〜!尾崎紀世彦も捨てちゃったのか!ギャフン。
まあ捨ててしまったものはしょうがない。と気をとりなおしてジェ—ムスブラウンの「ハ°ハ°のニュ—バッグ」を再生!やはりカッコいいなぁと3度目に回したときに異変に気づく「なんと!」A面の大半が無音に…誤って録音ボタンを押して消去してしまった模様。再びギャフン!重ね録りをしないように折っておくツメが折れてなかった。このようなカセットテ—フ°のしくみもまた懐かしい!また図書館で音源を借りてこの上にJBを再録するか…。

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ラジカセと手作りカセットレ—ベル(木版画)のジェ—ムスブラウン

〈本日公開制作〉
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出来上がりサイズ120×180cmの拡大コヒ°—
左右反転で硫黄島が右に移動。刷り上がると左に戻る。
拡大すると絵の荒さが目立つが…彫りで軌道修正だ!

【作業予定】
本日4日:トレ—スと彫り作業
来週11日:彫り作業

作業は地味。そして蝶番の取付け断念したのに、まだ屏風といってるフスマも進展がない。それでよろしければ覗き見と質問大歓迎!

ファッションアイテム(3)

私が高校生だった頃、箱形バッグが流行りトランクはもとより用途外に転用されたバニティ—ケ—スやバイオリンケ—スなどはさらにオシャレな小道具として珍重されてました。私は大中の豚皮トランクを使ってましたが、いつも行動を共にしていた(絵を描かない)友人は油絵具の木箱をバッグとして持ち歩いていました。長身の彼女が細い腕にそのガチャガチャうるさい木箱を得意げに下げているのを、私はひじょうに羨ましく思っていたのです。

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(インスタ風に)
私が手にしているニュ—バッグは「特選 広沢虎造全集 」カセットテ—フ°全十二巻
渡世のイロハが学習でき、そのうえオシャレ小物として活用できそうな逸品

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お部屋のインテリアにもヒ°ッタリ!