月別アーカイブ: 2017年11月

あのよろし

花札の赤短に書かれた不思議な言葉。あの世と殺しを連想させ、幼心に不吉さを覚えた「あのよろし」とは一体なんなのか?ふとそんな子供時代の疑問が蘇ったのも、散歩中に遭遇した極彩色のモミジのせいで、工事用の幕に隔たれた構図は、どことなく花札の絵を想起させる。
帰宅後調べて見ると「あかよろし」と読むのが正解で、けしてコワい意味ではなく「明らかによろしい=素晴らしい」という良い意味だと判明。花札の絵柄は全体的に不穏でコワい印象があるが、花札の遊び方を教えてくれた祖父も、とりわけ優しくもなく、ちょっとコワい感じの人物であった。

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赤くていいね!あかよろし。

落とし文

白くフレッシュな断面と角を求めて、消しゴムをカッターナイフで羊羹のように切断すると…小さくなった消しゴムの子供達は机上をコロコロ転がり行方不明となって、そのつど捜索のために作業の中断を余儀なくされる。

昨日、M国際学園校庭裏で発見したこの消しゴムも学生の遺失物なのだろうか?地面に放置された消しゴム表面には、謎の図像がペンのようなもので描かれており、その意味は通りがかりの私が考えたところで解明不能のものであった。推測するにこれは、古の隠密がとった連絡手段のように、落し物に見せかけた秘密の伝言なのかもしれない。LINE連絡網では軽々に伝えられない内密の伝達にちがいない。

【情報戦】
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両手足を広げ軽快に呼びかけてくる謎の図像

どこに捺そうかな?

横トリ会場に於いて、いたいけな児童及び、善良な観客の皆さんに遊んでいただいた「ぼんやり階級ハンコ体験版」ですが、展覧会終了後に捨てるというので(勿論)もらいました!これで思う存分好きな場所に押して遊べま〜す。(先ずはノートにおしてみたヨ。)

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邪悪な輝きを放つ7つの烙印(リア充/社畜/厨二/ぼっち/エゴイスト/プロ市民/情弱)

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(まさに中二級)赤面必至!自作ポエムの綴られたポエムノートにぴったりの「厨二」スタンプ

あなたのブルース

20年ほど前、勤務していた部品工場のカラオケ会で「風間さんはブルースが好きなんですね。」と社長の息子にキザな口調で言われたのが懐かしい。たしかその時に歌ったのは、柳ヶ瀬ブルース、あなたのブルース、網走番外地だったような…残念ながら本物のブルースではなくド演歌で、これらの曲目は今も変わらず(上達せずに)歌っている愛唱歌です。
(そして今夜も…)足が冷えて眠れず、布団の中で小一時間熱唱するのが冬の習慣となり、今年もその季節がやってきた。しかし今年は、12月に予定された忘年カラオケ会でベストを尽くす、というハッキリした目標があり、例年以上に本気度上げて(暗いお部屋で虚しく)一人歌ってま〜す。「あなたのブルース」その他ヤサグレ系演歌を!
 

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昔ひろった球体テレビだけが私の歌をきいている。
薄いグレーの絨毯の上、赤いお酒をこぼしてみよか?六畳一間の面影平野〜♪

ルミちゃん

ルミちゃんとは母が飼っている金魚の名前で、この名前は私がテキトーにつけた名前です。「お腹を空かせてるのでは?」と心配しすぎる母から、たくさんのエサを与えられたルミちゃんは、みるみるカタの良い赤白フナに成長!体の大きなルミちゃんですが、心は繊細な金魚のままです。水槽で唯一の遮蔽物「ルミちゃんコーナー」の陰を出たり入ったりして毎日を過ごしています。

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この雑に貼られたガムテープが「ルミちゃんコーナー」
自分の隠れ家に似てない似顔絵(私が描いたのではない)が描かれていることをルミちゃんは知らない。

あしたは会見記念日

前出の長尾和男「宇宙の壁」の記述によると、今から65年前の1952年11月20日、円盤研究家アダムスキー氏はカルフォルニアの砂漠で金星人と遭遇し、会見に成功したという。以下本文より

….会見したばしょは、カルフォルニヤのデザートセンターで、「身長は五フィート六インチぐらい、体重はおそらく135ポンド。地球上の年令からいえば、27才の青年に見えた」…アダムスキは、地面に太陽の絵をかき、そのまわりに円周をめぐらし、太陽に近い天体の軌道を示しながら、「水星」第三の円周を「地球」と発音して足元を示した。
宇宙人はうなづき、大人と子供の中間ぐらいのかん高い声で「チキュウ」と口まねしたのち、同じ方法で自分が金星人であることをしめした。宇宙人は左右のちがう珍妙な足あとをのこしてとび去った。その後円盤はふたたび訪づれ、この写真(註:金星人が没収し謎の新画像の写ったフィルム)を投下したというのである。….

長尾氏は、これらの話を狂人の証言と一蹴せずに、「来訪があったかも?」と察知する〈かん〉の価値を肯定したいと述べている。
そして自身も詩集〈隠沼〉を刊行するにあたり、面識のない萩原朔太郎宅に突然お邪魔をしている。平然と「朔太郎さんの詩は読んでないけど序文を書いてほしい」という宇宙人的来訪者に、「妙な人だ」と思いつつ草稿を全頁読み、好意的な序文を書いてあげた朔太郎…。この偉大な詩人の寛大さに頼った〈かん〉は鋭かったといえよう。(態度は不遜)

【来訪を歓迎す】
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(珍妙に)左右ちがう靴をはき大人と子供の中間の声で「チキュウ」といってみようかな?

宇宙の壁

長尾和男の詩集『空間祭』に収録の散文「宇宙の壁」によると、この詩人は何万光年もの上天にある宇宙の巨壁まで(空想で)行って、光以上の高速で地上に帰還するという。そして旅行から帰ってきた人のように、身辺俗事を珍しく見廻して、ごみごみした現実世界の材料を拾うという。

私もコレを真似て、目を瞑り、私の心の帝国へ旅にでる。そこには建設中の巨大競技場とマスゲームのリハに熱心な少女たちの群が視え、なかなかの壮観である。…さて、心の帝国から帰還し目を開けると、目の前に何があるか?卓上一面に広がる下絵の山だ。空想世界の資材はごみごみと堆積してゆくばかりで、いつになったら建設されるのか?(そこには画力の壁がある)

【むしろ完成予想図のままが良い】
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直径150mもある球体の伽藍堂(空洞)内部は巨大天球儀のような模擬宇宙
建築家ブレの描いた「ニュートン記念堂」は見る人それぞれに宇宙の壁を提供し続けている(実現しない夢のほうが良い実例)

妖精のオナラ

ドイツ兵も携帯している黒パン「プンパニッケル」その名を訳するとプンパ=屁で、ニッケル=山の妖精という意味らしい。
食品に「山の精のオナラ」と名付けるドイツ的感覚には、かのシュヴァルツヴァルトのごとき森厳さを感じさせる。それは、人造された神宮の森ですら彷徨ってしまう私には理解不能の領域だ。プンパニッケルの主原料であるライ麦は食物繊維が豊富で、食べると腸が活発になりオナラが出やすくなるが、まさかそんな下品な由来ではない筈で、きっと詩的な語源である筈と私は信じたい。

【さわやかな朝食風景】
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黒パン上の白い物体は消しゴムじゃないよ(答:クリームチーズ)
片側に紙/ペン/定規などを寄せて、食後すぐに作業が再開できる合理的な卓上。質素倹約を旨とするドイツ人にならい、このように粗末な食事を心がけている。

中今茶会

昨日は明治神宮の隔雲亭で催された作品展を兼ねた茶席に出席してきました。作品鑑賞の時間を考慮し早めのご来場をと案内されてたのに、11万人もの勤労奉仕隊動員によって造営された巨大森林で迷子に!頼みのグーグルマップには何故か代々木公園 鳥類観察聖域=隔雲亭と表示され、この誤った誘導のせいで危うく遅刻するところでした。
今回初めて体験した「小川流煎茶」の茶席は、椅子に腰掛けて煎茶(昨日は番茶)を頂く近代的な作法で、慣れない場で粗相をしないか心配でしたが大丈夫でした。宮中で供されるレベルのお菓子やお茶が丁寧なお手前で給仕され、スーツを纏ったお公家さんのような家元の講釈を傾聴しながら頂きました。湯飲みに二分目ぐらいしかない微量の激ウマ茶をちょびっと飲み、お菓子を一口だけ食べる、これを交互に三回ぐらい行うのが作法らしいです。今回は焙じたお茶なのでこれでも量が多いそうで、煎茶は数滴しか飲ませてもらえないらしい!ペットボトルの底に残った水を大切に舐める…そんな遭難者のような心境が味わえるかも?

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ここが隔雲亭(写ってる人物は私ではない)

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この変な形の菊が外国人に大人気!

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【原宿みやげ】
雑貨屋でモップ型ペンケースを購入(400円)愛用の寿司型ポーチが汚れてきたので代用品として買ったけど、こうやって家で見ると微妙…。

サチトリーチェ降臨

火曜日の夜、NHKホールの神々しい舞台装置に立った小林幸子に、煉獄山頂上に降臨したベアトリーチェの再来を私は(テレビで)見た!(それを写真に記録した)
芸能界の煉獄山を這い上がってきたド根性のサービス精神は、新曲「サチコサンサチコサン」のステージでも発揮されキラキラと眩しかったが、どうしても笑顔で歌う演歌に共感が持てないので、私と同じ名前の幸子さんの曲は私のレパートリーに無い。(私のリスペクトは宿命の無表情、藤圭子唯一人に捧げると決めている)


W.ブレイク画『戦車の上からダンテに語りかけるベアトリーチェ』
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ダンテ: 神曲〈煉獄篇〉
いよいよ地上の楽園にベアトリーチェ登場!顔のある渦巻きや、目がいっぱいの垂れ布が不気味な戦車(?!) …中学生の時この絵が表紙のブレイク画集が大好きで、図書館で何度も借りた記憶がある。

【巨大でんでん虫に乗って降臨!サチトリーチェ】
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「おん身の考えが幼稚だと思って、私が微笑したといって怪しんではならぬ」
高飛車ベアトリーチェ様みたいにキツ〜いことをサチトリ姐さんは言わないよね?