日別アーカイブ: 2018年7月13日

どこへ?

暑いので扇風機を回していたら、本棚の雑誌がパラパラと風に煽られてハガキ大の紙片が一枚、畳の上にペロンと落ちた。
拾い上げてみるとそこには「お詫びとお願い 製本上の手違いから目次のあいだに広告4頁がはいってしまいましたが、この広告4頁を切り取って目次をご覧ください。読者のみなさまにはたいへんご迷惑をおかけいたしますことをお詫びいたします。思潮社・現代詩手帖編集部」とお詫びが印刷してある。そして裏面にはこの紙をメモがわりにした読者による「この気違いじみたすばらしい世界の、この気違いじみたすばらしい子供たち、哀れな燃えるみなしごよ ー我が名はアラムー」との走り書きがあった。
裏と表どちらが詩的かというと、走り書きは通俗的で好ましくない。むしろ編集氏からの「お詫びとお願い」に詩的レトリックを感じる、なぜなら(この詫び状には罠があり)指示どおり広告4頁を切り取ったところで…消滅した目次は戻って来ないのだ!「失われた誌面を想像してください」という真の指示に従い、消えた広告内容と尻切れトンボの目次の行方を四次元に探すことは、文章を詩的に作ること同様に難しい。(わたしにはそれができない)

〈現代詩手帖は風に煽られ〉
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中村宏先生の土星は揺れる

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「お詫びとお願い」

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どこへ?天沢退二郎…………..と辿っていくと
右ページには頁を示す数字ではなく、ミショー詩集の広告文がある。在るべき対のページを探してもこの本の中には存在しない。目次はどこへ?