日別アーカイブ: 2022年5月9日

スイッチバック

私には西武池袋線飯能駅のスイッチバックの理由が2回乗ってもわからない。駅で一時停車してから車両が逆行し始めると、つげ義春『ねじ式』の「しかしこの車はもと来た方向に走っているではないか」というセリフを思い出し、狐につままれたようなおかしな気分になる。(そういえば、漫画では狐面の少年が機関士だった)

先日の角川ミュージアム遠足は武蔵野線東所沢駅で解散。埼玉県民の馬場さんが「東京行き」で帰り、都民の私が府中本町行きに乗車したときもスイッチバック同様の疑念が湧き「この行き先であってるかな?」と釈然とせず、電車が走り出しても車内の路線図で確認したほどだ。

そして電車が新小平駅を通過したとき、神仏の啓示のように突如「そういえば、私は小平市に用事があったはず!」と閃き、O JUNさんの照恩寺展のことを思い出す。下車すればよかった新小平駅は降りそこなったので終点の府中本町駅から「東京行き」に乗り、もと来た方向に走る。向かうお寺へのスイッチバックは、むろん退転ではない。(西に向かって南無阿弥陀仏)

「様子が変だけど、ここが寺?」
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曇天に屹立する石灯籠をみて、もしかしたら寺院の一部かも?と思ったけど当然違った(廃材&墓石置き場)。この曲がり角でスイッチバック、素通りしてしまった照恩寺に逆行。

『畳に目』さもありなん!
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(住職も美術家も不在の間で) 重たく巨大な正方形ドローイング集を正座で鑑賞しているとドドドドドドドと畳を這うように轟く音が!まるで絵の山が割れたかの如き雷鳴は「風景画の最終形態」のような精度の高い美が、未だ活火山であること告げる。

展覧会詳細こちら↓
O JUN『畳に目』照恩寺にて(拝観無料) 5月30日まで