♪ 木曽のナー中乗りさん 木曽の御嶽さんはナンチャラホイ 夏でも寒いヨイヨイヨイ♪
三橋美智也の美声で繰り返し脳内再生される朗らかな『木曽節』に登場の中乗りさんとは、山で取れた丸太を木曽川に浮かべて下流に運ぶ人のことで、彼らは丸太筏の中央に立ち、長い竿を急流に差しながら巧みに操縦し川を下るのだという。(丸太は荷であり乗物でもある)
足袋も袷も着用しない通年薄着の中乗りさんは、裸足でバランスをとりながら「人間は見た目ではない、心だ」と呟く。丸太が岩にコンっと当たる音、ホトトギスの声が谿を渡る(自分の笠に木葉が一枚張付いていることを中乗りさんは知らない)。
私は歌の美しい情景を想い、今年の夏こそ中乗りさんや船頭さんが常用する笠(円錐形の笠)を自分もかぶるのだ!と決心する。(この笠着用の決意は毎年繰り返してるが未だ実行ならず)