ごめいわく?

さっきNHKアーカイブス『シリーズ1964 第1回 東京オリンピック 平和のメッセージ』を観ていて、「そう表現するのかな?」と所々にでてくる「迷惑」という言葉に違和感を覚えた。番組は2007年制作の「その時歴史は動いた 東京オリンピックへの道」を再放送して、それを手懸かりに次回の東京オリンピックをどのような平和の祭典にするか考えてみましょう、という内容。
64年の東京オリンピックで「平和国家日本」に生まれ変わったということを世界各国、とくに根強い反日感情を抱くアジア諸国にどうアピールしたか…。40年の幻のオリンピック、64年の東京オリンピックと招致活動に尽力した田畑政治氏の提案で、中国、朝鮮半島以外の戦中に「迷惑」をおかけしたアジア諸国を聖火リレーで巡ることが実現し、それをきっかけに和解ムードがうまれた。というエピソードが紹介されるなかで度々、日中戦争、太平洋戦争での日本の行為を表現する「迷惑」という言葉が松平アナの口から出てくるわけです。そしてスタジオに戻って、ゲストの保坂正康氏も同じく「迷惑」と表現してます。日本政府が戦争被害国にたいして「戦時下、迷惑をおかけした」というコメントを聞くたびに「はぁ?迷惑ってレベルじゃないよね?それって反省してないよ〜」と慇懃無礼な謝罪に憤慨。この「迷惑」という言葉のチョイスは、国内向け『配慮』以外のなにものでもない気持ちの悪い気遣いですね。「侵略か?進出か?」と論争されてた頃はまだマシだったな。
そして、アーカイブス放送が終わって、3時のニュースのトップは「朝日新聞が任天堂に謝罪」。どうして連日のトップニュースが朝日の誤報問題なのか?NHKも他のメディアにならって朝日叩きに加わってるのでは、と勘ぐってしまいます。…たしかに大新聞の誤報(リベラル路線をとるか、世相に迎合するかブレまくった揚句)はいけないことだが、産經新聞の反中反韓の下品な記事のほうがよっぽど大問題だと思う。
世の中『炎上』から『筆禍』へ…。朝日新聞の筆禍といえば「白虹事件」を想起せずにおれません!大正7年に起きた米騒動に関して大阪朝日新聞が、時の寺内内閣を「白虹日を貫けり」という凶事を隠喩する故事を引用して批判したところ、この記事が新聞法の「秩序を乱す」にあたるとされて発禁処分されそうになった事件です。この件で朝日不買運動がおこり、社長は右翼グループに襲われ、電柱に全裸でハリツケにされたそうです。恐ろしいっ!そして内務省のドン・後藤新平は右翼をつかって「朝日攻撃キャンペーン」を張り、他誌も尻馬にのったとのこと。…今回の朝日不祥事で、鬼の首を取ったかの如く威丈高になってるどこぞの新聞のようですな!
もう既に、筆禍を招かぬように言葉を選んで『配慮』を重ねるイヤな時代に突入してるのか?どうしてこんなに坂道を転げ落ちるように「暗黒時代」に向かうのか?「筆禍」現象の時代背景とその政治の検証が必要ですね。憂鬱!!!

ちびこ
全長7㎝のヤモリ「ちびこ」と「十二の巻」という名の多肉植物。
「ヒョロ〜っと茎がのびて、面白くも何ともない花が咲くよ」と母が私にくれた植木鉢。
母は昔、サツキの盆栽用に希釈したメネデール(液体肥料)を誤ってガブ飲みしたことがありますが、いまでも元気に育ってます!

…目下の心配。それは早い秋の到来による虫不足です。
冬眠を前に食いだめ必至のヤモリ達が痩せてます…。無事に越冬できるかな?