昨年購入の『天台小止観』には五つの蓋を棄てよ、と書いてある。サインペン/筆ペン/リップクリーム/柚子胡椒/100均印鑑の蓋なら容易に棄てる(失くす)自信が私にはある!そして蓋をさがしてるあいだに時間も失くすのだ。
カテゴリー別アーカイブ: 古本
昔の眼鏡で見ています
〈大地震で港が陸地になった〉という衝撃のニュースを見て、朝霞りっくんらんど(陸自)で展示してる水陸両用の特殊車両など総動員できないものか…とヤキモキした気持ちになる。
心ここにあらずで時間は過ぎて早10日。正月返上で制作してる作品は未だ完成せず、時間が巻き戻せるなら巻き戻したい。2023年に…
【初夢2024】美大の公表会に参加し、学生の作った彫刻(マスオさんの失敗)を見て爆笑する夢。本当に爆笑して自分の笑い声で目が醒めた!この作品はA.ミショー風のクネクネした体躯にマスオさんの頭部がのってる変な彫刻だった。
【初荷2024】今年の初荷(和書)は『大經五惡圖會』→地獄の様子を描いた恐ろしい本(不吉だ)
【初拾物2024】路上のご自由にどうぞ箱から古本4冊をもらう(以下写真)
意図せず入手した本で今年を占う

『猿が人間になるについての労働の役割』『ギリシア悲劇入門』『風景学入門』
『十月の旅人』R.ブラッドベリは華氏451°しか読んだことないけど、タダで拾った本なので何かの啓示があるかも?またよく燃えそうな本が増えてしまった!
和書探訪(時には紙魚のように)
制作で忙しく外出できない鬱憤から、ミステリアスな古文書ブームが勃発!興味の赴くままに落札した古地図と古い和書が部屋のあちこちに落ちているが未だゆっくり読めず…というか、江戸時代や明治時代の文字に判読を拒まれている。
紙魚に舐められた地下通路のような穴と読めない文字の海で迷子になりたい!(それは来年に!)
(君も欲しくなるはず!)様々な古文書

左上は五輪塔を究極の理想とした花道の教書『松月堂古流生花乃傳圖』隣は無いようで在る空気の存在を解説する『博物新編譯説』右下は西洋医学に対抗し独自の生理学を考えついた変な禅僧の書『心性実験録』隣も近代西洋文明に反旗を翻す学僧による天文学の書『視實等象儀詳説』(地動説をひっくり返せ!)
テトラポッドの海岸線も実は洗面器のフチかもよ?

僧侶.佐田介石は模型を使って仏教宇宙・須弥山に基づいた天文学を衆人に知らしめようとしたのだ!桶や盤の海洋図〈萬水ニ依ル堤防圖〉に出会えただけで私は大満足だが、来年は頑張って読み解いて皆さんに内容をご紹介しよう。
幻のウドンヤ
越すに越されぬ…
すっかり下描き迷子となってしまい、下絵の向こう岸にある版木作業まで越すに越されぬ大井川となってしまった!(これでは川どころか年も越せない)
そして今日もまた東海道ミニ古文書を眺め、江戸時代の人が半月をかけて歩いた一本道をなぞってみたりしている。(そんなことより下絵を描こう)
日本橋-品川-川崎までフワフワ重傷(判読不能)

ここは【保土ヶ谷】↑の先にある∩型の変な場所は金沢八景の平潟湾と思われる。本当にこんな形なのか行ってみたい(来年に!!)
難所【箱根】も楽勝に見える!

実際は紆余曲折あるはずの道のりも一本道でしか書いてないから難なく歩けそう!箱根の山も楽勝(ではない)

東海道最大の難所といわれる駿河【島田】の大井川。大金を支払って人足の肩、馬や輿に乗せてもらい渡るのだから、旅には体力はもとより財力が必要だ。
(何故ゴールしなかったのか? )

朱色点線で辿る徒歩旅は京都鴨川に架かる三条大橋で終了!と思いきや、京都に向かう途中の近江【大津】にある分岐点(髭茶屋追分?)で初めて道を曲がりゴールせず、この旅人はどこかへ行っちゃった…
53次へ(現実逃避)
ニュー松島も近美コレクション展も終わり季節はもう師走。新作を年内に刷り上げないといけない私だが、燃え尽きた炭に火は付かず、一刻一刻を無駄にして過ごしているのだった。
〈時間の無駄遣い促進本を紹介〉
かざまランドで流行中の古文書収集で、こんな旅の本を見つけたヨ!現代のサインペンで表紙に『道中絵圖』と書かれたミニ和書の中身は、53ページに渡る1本道(日本橋〜鴨川三条大橋)で、ページ数と宿場名から一本道は東海道だろう。492㌔の長い道中、旅人の懐を出たり入ったり繰返したはずの本はボロボロというよりフワフワな塵紙のよう…。ポケットティッシュみたいになったロード53が徒歩旅の夢に誘うのであった。
ミニミニ道案内

本当の書名と出版年不明(誰かが後で付けた仮の表紙)
(脇道は不要!!)

武蔵→相模(ここは戸塚)
朱墨の点線が徒歩ノルマ達成の足跡を残す
(どこだろう?)

「ごんげんの人穴 富士ト公?」の謎。上に書かれた「追分大山八王寺」をヒントに探すと、八王子市の富士森公園内にある浅間神社に辿り着いた。人穴とは何か?現存するのか?行ってみたい(来年に!!)
藤井書店
先週金曜日に用事があり吉祥寺へ行った。吉祥寺は母校の(今はもう無い)武蔵野美術学園があった街で、本科~研究科と5年間も通った思い出のある街だ。
間違えて早く着いてしまったので商店街をブラブラしてると、サンロードを抜けた五日市街道にある古本屋〈藤井書店〉が昔と変わらず営業しているではないか!懐かしい〜(勝手に廃業したと思っててすみませんでした)。ここは当時私が一番好きだったお店で、1階は美術関係と学術書、階段書棚には映画/演劇/音楽の本。2階に上ると古い小説と詩集があり、そして大小様々な大量のコケシを背後に従えた老店主がいつも静かに鎮座していた。
このお爺さんと喋ったのは1~2回しかなく、はっきり覚えているのは高校時代から欲しかった萩原朔太郎詩集『月に吠える』の復刻版を2階で発見し購入したときのことで、感激して思わず「やっと手に入って嬉しいです」とお話しすると「そうですか」と言葉すくなに答え、詩集を包装紙で丁寧にくるんで輪ゴムでパチンと留めてくださった。本当に嬉しかったな〜
30年も前だから既に御存命ではないはずなのに陳列の傾向は全く変わらず、あたかもタイムスリップしたかのような錯覚に…。微細に売りつつ同じような細胞=古書を仕入れて代謝してるのか?(古本屋さんの不思議)
〈藤井書店購入〉

19歳の頃に藤井さんで買った3冊
萩原朔太郎『月に吠える』復刻版、萩原恭次郎『死刑宣告』復刻版、稲垣足穂『人間人形時代』
同じ苗字だから朔太郎と親類かと勘違いして購入した詩集『死刑宣告』の衝撃!すごく影響を受けた。
怒涛の変態博識タペストリー『人間人形時代』は読者の理解を置き去りに稼働する高速機織り機のようで、なんだかよくわからん本だ(未だに)。

そしてこれは先日購入した本『そばちょこ』¥200
物欲から解放されるために大量の猪口写真を見て充足しよう!私は鴨(長明)になりたい…
ブルもプロもいない楽園へ…
漫画だから楽に読めると思ってた『アトム博士のユートピア探検』は、子供向けとは思えぬ文字の多さに苦戦し読破できずにいる。マルクス博士が登場し「資本論」を解説するところから、如何にブルジョワジーがプロレタリアを搾取してるかを労働・賃金・時間・価値などの単語を使った算式で示す憎悪煽動場面ばかりで、確定申告すらまともに一人でできない私にとって苦痛でしかない。自分がどれだけ損してるか計算して立腹するよりも、夕飯の献立とお酒について真剣に考える方が私は良いな。
(社会主義者よりも) ごく一部から愛好される詩歌を作った鴨長明や尾形亀之助のように、ぐうたらな美意識に忠実な人生を送った個人主義者(心の貴族)を私は尊敬する。
眠りの国で時間旅行しながらユートピア探検する兄弟

小5兄「ウーム!!ぼくは.もう我慢なりません。博士ッ!! いっしょにプロレタリアの味方をして.憎いブルジョアジーを.やっつけようではありませんか?」
小1弟「兄ちゃん。ぼくは.ブルジョアが栄える秘密を聞いた途端に……社長になって大もうけしたくなったよ。マルクス博士ッ。その安い労働力は.どこへ行ったら買えるのですか?」
….小学生の兄弟ですら分断させ階級闘争を勃発させるのが革命の方法だ。
アトム博士のユートピア探検
次回作のためにユートピア研究をするものの、学術書を読むのが面倒なので何か近道はないか?と検索し発見したのが学童向け図書『まんが アトム博士のユートピア探検』という本です。
この本では原始時代の営みから自然発生した社会制度について紐解き、人類の理想郷(幸福の経済システム)は、資本主義と社会主義のどちらで実現可能かを漫画で解説してます。二大イデオロギーの対立をアジる文言〈社会主義vs資本主義〉が大書きされた児童書の公平性を私はちょっと疑っており、まずはこの書物の傾向について観察(斜め読み)してから詳しく読み進めることにしました。
1990年刊行の珍書

著者名よりも石ノ森章太郎が大きく書かれているが、石ノ森先生が描いた漫画ではない。

簡単な判定ポイントは「暴力革命」の是非かな?と思い、ざっと目を通したところピースサインで暴力革命を肯定するマルクスの姿があった。危険思想に警戒しつつ文字が多過ぎる漫画を読もう!(面白い内容は後日掲載)
同姓同名のベーコン
30年前ムサビ学園在学中、油絵科のイクちゃんが「わたしフランシス・ベーコンが好きなの」と話すのを聞き〈ほほぉ、フランシス・ベーコン卿がお好きとは高尚な!〉と感嘆したが、イクちゃんが好きなベーコンは20世紀の画家でルネサンス時代の思想家のことではなく、とんだベーコン違いだった。その後ベーコンの絵は何度か見たが、ベーコン卿の本は全く読まずに月日が過ぎた。
それがつい先日『ニュー・アトランティス』という薄っぺらい本を図書館で借りて「ベーコン面白いなぁ」となり直ぐ購入。この本の125ページ中前半がベーコンの書いたユートピアSF小説だが、執筆途中で死んじゃったので未完。残りの半分は忠実な助手による回想文と訳者の解説文でどうにか文庫本のページ数をかせいでいる。
どんな物語かというと、大航海中に漂着した謎の超文明国家の島で、学会の長老からいろんな自慢話を聞かされるお話だ。太陽光や水力を利用した動力、遺伝子操作など、現代のテクノロジー及びバイオを連想させる予言、さらに引き篭もり人間と地底の活用方法など、17世紀とは思えぬ空想が書かれておりオーパーツを見るような不思議を感じる。
超御曹子だったベーコン卿の人生は、父親が風邪を拗らせて亡くなってから雲行きが怪しくなり、転落の末どうにか発明で身を立てようと〈鶏の長期保存法〉に挑戦し命を落とす。寒い日に行った鶏のお腹に雪を詰める実験で風邪をひいてしまい(父親と同じく拗らせて)痰を詰まらせ窒息死したというのだ(なんたる悲運!) 風邪をひかなかったらニュー・アトランティスが完成したのに残念。みんな風邪と疫病には気をつけようネ

発売当初400円だったのが現在絶版で3倍の1200円に高騰(これでも最安値)。こういった愉快な書物を売れないという理由でどんどん絶版にするとはけしからん (安く大量に普及させよ)




