月別アーカイブ: 2018年7月

火星大接近

昨日テレビをつけたら高校野球をやっていたので (なんとなく) 観戦した。甲子園出場をかけた二松学舎VS都立小山台の東京大会決勝戦で、これで小山台が勝てば都立高校は15年ぶり四校目の出場となるという。私も都立高校出身なので、小山台が勝てばいいなぁと思って観てたのだが、気になったのが選手たちの笑顔。2点リードしてたのに追いつかれ、二松に勝越されてしまった場面でも、投手がフニャフニャ笑っているので何だか奇妙な感じがした。そしてベンチの監督も同様に笑っていた。おそらく緊張緩和とポジティブ精神向上を狙った監督の指導なのだろうが、「これはピンチ!」と焦っていても「いかん、笑顔を維持しなきゃ」と心中とは真逆の表情を心がける意識の操作で、かえって集中力を欠いてしまうのでは無いかと推測する。何より観ていて状況と表情の不一致が不気味なので途中で応援するのをヤメた。

そして明日31日には火星が地球に大接近するという。この近づきつつある不気味に赤い天体を、私は既に肉眼で確認している。さらに詳細な観察はここから徒歩6分に位置する天文台でできるはずだが敷地内は部外者立入禁止である。なぜならそこは都立高校(私の母校桜町高校)で、卒業生でも勝手に入ってはいけない。期待された15年ぶりの甲子園出場の夢は叶わなかったが、15年ぶりに大接近する火星の姿は都立高校(全日制)天文部部員が観察するだろう。(私は定時制、すなわち夜間高校卒業)

〈薄暮に浮かぶ天文台〉
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これは私が卒業した次の年に建設された新校舎で懐かしい学び舎ではない。
(天文部員指導のもと土星の観察をした姪っ子が羨ましい)

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教育的な4文字熟語〈意味不明〉

(たぶん)明後日発売

約2ヶ月前に(ブルートレインでない方の) BT誌から、藤田嗣治の壁画作品についての論評を依頼されて『パリの壁画、そして秋田』と題した文章を執筆。しかし私は、パリの壁画も秋田の巨大壁画も未見なうえに藤田嗣治に詳しくないので、文章3000字の大部分が憶測に基づく私見です。過去に数多くの美術研究家が文献を書き、藤田本人も自叙伝を書いてるので「もう書くべきことが無い」という壁にぶつかりすっかり腐心した挙句、ごく普通の感想文(私見)になってしまった!トホホ…。巨星フジタを特に讃えもせずディスってもいない(精一杯の)論考が掲載されているはずの『美術手帖8月号別冊:藤田嗣治』は 明後日、7月30日発売予定でーす。

(パリ所々)
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(行ったこと無いけど) このM.エルンストの絵のように、ニワトリみたいな怪獣の跋扈する恐ろしく暗い魔都に違いない 。
「慈善週間 または七大元素(小説) 」より

遅延のお知らせ

「夏の甲子園でのBT学園優勝も夢ではない」いうまでもなくBT学園とは美術手帖学園ではない(ドカベンの)ブルートレイン学園の略称だが、この酷暑の影響でいよいよ高校野球もナイター時代に突入し、夜間特訓で視力の鍛えられたBTが俄然有利になったのだ。そして今後はゲーム終了が夜10時過ぎてもそれが当たり前になるだろう。このように昼間の殺人光線を避けて、人間の行動時間が前後にズレることは致し方のないことであるが、私の画集発売が遅れているのは、勿論この酷暑の影響では全くない (それは諸事情による)

注文書に書かれた「7月下旬刊行」の文言が偽りとなってしまったことを、皆様にお詫び申し上げます。どうして音沙汰が無いのか不審に思っている方もおられましょうが暫しお待ちくださいませ。おそらく刊行は秋以降になる予定です…大幅な遅延お許しを!

今日はお詫びに特別(窓黒読者様だけに)掲載予定の漫画内容をご紹介!ぜんぜん描けてない漫画の名場面を2つぐらい仕上げようかと思ってます。「松の老木を鑑賞しながら、美しく鍛えられた日出鶴丸に想いを馳せる永井博士」の場面と「隔離島は健常者の住めない島だと地下アイドル(月光)に告げられて、日出鶴丸クンが〈そんなの簡単だよ〉と春琴抄の単行本を差し出す」場面です。断片は永遠の一部(描けるかな)

〈登場人物〉
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日出鶴丸 (国民の弟)
永井幽源博士 (優生学の権威)
月光 (地下アイドル)

(私見ですが)

ご存知ですか(私見ですが)
テレビでやっている有名店、一度は食べてみたいです。又、どこの街にもある、おいしいお蕎麦屋さん。ご家庭でつくるのとどう違うのでしょうか?もちろんそばにこだわり、水にも気を使います。しかし、有名店の味はともかく下記の2点に注意すれば貴女もきっとそば作り上手となれるはずです。
◎そばはゆで過ぎない
◎ゆで上げ後はすぐ食べる
※天ぷらそばなどの時はまず天ぷらを揚げておいて最後にそばをゆでてすぐ水洗いして食べてみて下さい。
これぞ街の有名店に遜色ない(?)そばが出来ます。

….以上の引用は、百円店で販売されている蕎麦乾麺の袋に書かれたコメントで「有名店」に対する劣等感と、安い乾麺でも作り方次第では「遜色ない(?)」味になるはずという自社製品への自信が葛藤する内容です。(私見ですが)と前置きする謙虚な語り口…ついつい袋の人と心の中で対話してしまいます。そして茹で時間4〜5分はあっという間に過ぎ(吹きこぼれても気がつかない)

〈本気になって〉
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大切な人の笑顔がうれしくて本気になって
…けなげな人ですね貴女は!

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[3]の蛇口が良い

【訂正とお詫び】
18日の記事に誤りがありましたので訂正しお詫びいたします。「ベルギー」と書くべき箇所が「デンマーク」になってました!アディショナルタイムに仏軍ムバッペ選手が泥棒猫のようにコロコロと球を転がして行ったそのとき、私も(応援してた)赤い悪魔の男達同様に憤りを覚えはずが…なんたる誤記!(こっそり訂正済み)

エモってる古賀メロ

日曜日の午後、NHKの懐古番組にて素晴らしいショーを観ました。古賀政男没後40年を記念してアーカイブから選ばれた作品、1976年放送の『ビッグショー・古賀政男 歌の人生劇場』です。TVをつけたら偶然この番組が始まったので、古賀メロとの何らかの不思議な縁を感じつつ視聴いたしました。素敵なセットに昭和の名歌手が現れては消える…。古賀先生にリスペクトを捧げる番組構成が最高にファンタスティック!今日はその名場面を一部ご紹介しましょう。

「青い背広で」を朗らかに歌う藤山一郎 (背広は緑色)
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霧島昇、近江俊朗、島倉千代子、五木ひろし、大川栄策、ちあきなおみ、村田英雄…
昭和歌謡のキラ星が次々登場!まぶしい!

「怒涛の男」
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舞台中央に座らされた古賀先生は、背後の男達から歌の接待を受けているところで、尋問されている場面ではない。

エモーショナル「人生劇場」
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「男ごころは男でなけりゃ 解るものかと あきらめた」
村田英雄と古賀政男。二つの男心が一つに重なった奇跡の瞬間!

「ビッグ シヨー 終」
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成功者である先生は、いつでも人生の辛苦を背負ったような厳しい顔をしている。そこに成功の鍵があるといえよう。

w杯おわった、さぁ働かう!

2006年W杯独大会グループ予選で、チュニジアのブアジジ選手の演じたシミュレーションが忘れられない。敵選手に足をかけられたように大転倒し、普通ならここで「足が痛いよ〜」と叫ぶところブアジジ選手はなぜか「クチビルをヤラれた!」と審判に猛アピールを始めた。自分の厚い唇を指差しながらファウルを懇願する姿は滑稽かつ斬新!おそらく足ばかりだと真実味にかけるので(無傷だったが)クチビル負傷演技に賭けてみたのだと思う。
先日終了した露大会でも、国際的一流選手たちによる、狡っ辛い大袈裟アピールが期待以上に楽しむことができた。ビデオ判定で嘘がバレた時のネイマールのごまかし笑い。遅延行為に怒ったベルギー選手からド突かれたときのエムバペのずっこい半笑い….。このように狡猾な表情を数多く生み出した大会も、狡っ辛い強さを証明したフランス軍の優勝で幕を閉じた。もう4年先まで見れないのでツマラナイが…祭りは終ったのだ、さあ働こう!

(制作中)
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8月から担当する朝日新聞『歌壇俳壇』欄の挿絵のために制作したリノカットは (今は黒くて見えにくいが) 歌や句の世界観に配慮した作品に。

秋には森に

ぐんまちゃんのイラストがかわいい「5/15 高崎〜前橋行軍」と書かれた紙は、ちょうど2ヶ月前に中途半端に実行された遠足のしおりです。当日は5月なのに夏のように暑い日だったので、長距離歩くのを断念し、群馬の森に行くのをヤメました。高崎市内にある群馬の森はブルターニュの森よりずっと小さい森林公園です。もとは帝国陸軍岩鼻火薬製作所の敷地で、森に点在する弾薬庫のような建物、工場が爆発した際に延焼を防ぐ土塁が見学できます。ここのお散歩は中止して、前橋で文学散歩でもゆっくりしようと主要施設を訪ねたら(なんと!)朔太郎記念館も前橋文学館も電気系統の故障で臨時休館!ああ、追えば逃げる詩人の幻影よ…なぜかしら?
不完全燃焼だった遠足の思い出よ(待つがよい)わたしは再び群馬の地を踏み、幽霊に出会うかもしれない森で弾薬庫を探し、古墳を見てから手打ちうどんを食べ、あまり面白くなさそうな記念館に行くであろう。それは(暑いから)今ではなく秋に!

(計画は分刻み)
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今度は完遂できるかな?

(ひもかわ最高)
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ぐんまちゃんオススメの麺類

どこへ?

暑いので扇風機を回していたら、本棚の雑誌がパラパラと風に煽られてハガキ大の紙片が一枚、畳の上にペロンと落ちた。
拾い上げてみるとそこには「お詫びとお願い 製本上の手違いから目次のあいだに広告4頁がはいってしまいましたが、この広告4頁を切り取って目次をご覧ください。読者のみなさまにはたいへんご迷惑をおかけいたしますことをお詫びいたします。思潮社・現代詩手帖編集部」とお詫びが印刷してある。そして裏面にはこの紙をメモがわりにした読者による「この気違いじみたすばらしい世界の、この気違いじみたすばらしい子供たち、哀れな燃えるみなしごよ ー我が名はアラムー」との走り書きがあった。
裏と表どちらが詩的かというと、走り書きは通俗的で好ましくない。むしろ編集氏からの「お詫びとお願い」に詩的レトリックを感じる、なぜなら(この詫び状には罠があり)指示どおり広告4頁を切り取ったところで…消滅した目次は戻って来ないのだ!「失われた誌面を想像してください」という真の指示に従い、消えた広告内容と尻切れトンボの目次の行方を四次元に探すことは、文章を詩的に作ること同様に難しい。(わたしにはそれができない)

〈現代詩手帖は風に煽られ〉
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中村宏先生の土星は揺れる

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「お詫びとお願い」

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どこへ?天沢退二郎…………..と辿っていくと
右ページには頁を示す数字ではなく、ミショー詩集の広告文がある。在るべき対のページを探してもこの本の中には存在しない。目次はどこへ?

小惑星☆斥候

ハワイ語で「戦闘斥候」を意味する名をつけられた小天体オウムアムア。太陽系をブーメラン型の軌道で横切るこの棒状の小惑星は、私が三日と空けずオヤツに食べるミノちゃん印の黒糖麩菓子の形状にそっくりです。そしてこれは、中が空洞になっている珍しい麩菓子個体を発見した時の記念写真で、私がかじった断面を、Zライトにかざした瞬間に現れたコズミックな光景です。空洞の向こうに小さな穴が空いていることで、そこから黒糖の蜜が侵入し「表も裏も黒糖がかかっている」という奇跡が起きました。

(惑星型麩菓子)
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地球の空洞からみる陽光も、このように美しいに違いない。

(事前通告:不吉な兆候)一昨日またしてもアイホン画面が突如真っ暗に!6時間いろいろ試みて暗黒宇宙から生還したものの、だんだん字が小さくなる変な症状もあり不安定。なので連絡が途絶える可能性を斥候兵伝達のように事前にお知らせしまーす。

なぜか忘れる

10年前に初めてきた時から道に迷い、昨日は辿り着くまで20分も彷徨ってしまいました。最初に迷った日は、このナディッフビル開店を祝う(chim↑pomたちが地下室に汚水を溜める)記念展初日でした。そしてこのたび再度、地下室に汚水を溜めて開店10周年を記念しています。
また書籍売場では『美術手帖 創刊70周年フェア』が開催されバックナンバー(古本)の展示販売中。20年前に「モータースポーツ」という版画が目次ページ裏に掲載されたことをふと思い出し、この中にあるかな〜と探してみたのですが残念ながらありませんでした。何月号で何特集だったか全く覚えてなく、ただ表紙が紫っぽい色だったような記憶しか残っていません。たった20年で風化する脆弱な記憶力…。お、おそろしい!

(車戦士いずこ?)
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この作品をもとにして目次ページ用に制作した(原画も掲載誌もどこかに消えちゃった)

【謝辞】
昨日8日〈ディスリンピア2680展〉が無事終了いたしました。暑かったり雨天の中、遠い会場まで足を運んでくださった皆様に感謝です。本当に有難うございました!