月別アーカイブ: 2023年1月

畠山みどりはこう言った

入学式にお母さんが服につける野暮ったいコサージュを巨大化したようなオブジェと、クシャクシャにした銀紙で装飾された昭和っぽいステージが、懐メロの祭典『年忘れにっぽんの歌』の夢舞台だ。
『出世街道』イントロの演奏が始まり、舞台袖からトレードマークの派手な袴姿で登場した畠山みどり。中央のマイクスタンドまで歩いて行き歌唱する段取りだったが一歩間に合わず、慌てて両腕を伸ばしスタンドをぐいっと引き寄せ、最後まで歌いあげたものの敢えなくNGとなってしまった…
かくしてマイクスタンドからのスタートとなった2回目。客席からは暖かい応援の拍手が送られ、曲が終わると歌手を讃える純粋な大拍手がホールに鳴り響き、私も掌が真っ赤になるまで強く強く手を叩いた。当の本人はというと「なに?この拍手は。同情かしら…」とニヒルな態度でベテランの意気地を見せたことは先日報告したとおりである。

〈同情かしら〉発言に、「素直じゃないなぁ…でも試練を乗り越えてきた人ならではの強靭な度胸だ」と私は思った。だがしかし、大晦日のテレビに大きく映し出された畠山みどりを観て真実がわかった!
なんと、間奏が流れてる間「ありがとうございます」と小さく二度呟く声をマイクは拾っていたのだ。そして目には薄っすら光る涙が…。老いも失敗も人間の宿命である。それを毅然とした姿で引き受けた老歌手…その硬い岩盤から漏れ出ずる清らかな一滴を見てしまい、私の胸中では本番のド根性への称賛を上回るリスペクトが爆発!
『出世街道』最後の歌詞〈泣くな怒るな こらえてすてろ  明日も嵐が待ってるものを〉これを実践するかのような歌手人生。人が歌を作るのか、歌が人を作るのか…

変人哲学者の繊細で美しい(意外な)一面
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同情を否定する思想とは裏腹に、あまりにも人間的すぎた哲学者。
D.F=ディースカウ歌唱の作曲家ニーチェCDはお薦め!! やさしい雨の朝のような音楽ですよ

(ツァラトゥストラはこう言った、みたいなレコード『畠山みどりは言いました』のCD化を熱望)

仕事始め

昨年からコーヒーを1日1杯(15時まで飲用)に制限してカフェイン中毒を克服し、さらに年末、寝床に敷いてた夏用ひんやりマットを冬用ふわふわマットに交換したことで驚異的な温もりと快眠を獲得。その結果、午前中にヌクヌクお布団から寒冷外界にデビューする決意は何度も挫かれ、二度寝三度寝を繰り返しトータル10時間も寝てしまうような日もしばしばだ。
こんなグータラ生活から脱出するにはどうすればよいか?午前中に人と会う約束するのが一番だろう。その最初のチャンス(仕事始め)は、来週予定の白鳥健二氏、川内有緒氏との座談会収録(非公開)に決まった。どんな会話をしようかな…今からドキドキして朝まで起きちゃう!そして昼まで寝ちゃう!

2023年年賀状(代用)
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皆さま今年も年賀状を出さず失礼しました!! 代わりに石灯籠が不安な気持ちにさせる断崖絵葉書をご覧くださいませ。
江の島・稚児ケ淵 波しぶきを浴び水煙の間より麗峰富士を仰ぐ、波と奇岩と……真白き富士、此の三位一体の自然風物詩は此の所ならでは味わえない。(解説原文ママ)

お年玉をあげよう

例年どおり姪っ子にお年玉をあげると開口一番「今年は上下間違えてな〜い」と言われた。というのもお年玉袋の手描きイラストの上下を2年連続で間違えて、一昨年などは袋が逆さになって硬貨(500円玉)がこぼれ落ちないようにクリップで封をして渡したのだ。
「間違えてない」の指摘に私は一瞬「何のこと?」とピンとこず2テンポぐらい遅れて「あぁそういえば…」となった。子供の記憶力はすごい、というか私の記憶力が低下しているのか!昨年同日1/5の記事で確認してみよう!!

(昨年の1月5日付記事)
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「今年はお札だから逆さにしても大丈夫」と姪っ子から慰められ・・・
「来年こそ間違えない」と約束したことが確認された(忘れてた)

(一年前の約束は守られたか?)
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干支の兎ライダーを描いてみたよ。
(約束は忘れたが)横位置なので上下逆さま問題ゼロ
二輪を描くの初めてかも?

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四輪は頻繁に描く
これはお餅の国からの使者(切餅カー乗車)

新しい枕で悲しい初夢(不採用)

裸族の一員である私は部族の仲間と連れ立って市街地に繰り出した。裸族だから当然私も無着衣だが皆んなも一緒だから大丈夫!と思ったけど私以外の全員が定期券を持っていて、財布も何も持ってない私は自動改札機の外に置いてきぼりになってしまった!(ウエストポーチもポシェットも下げてないのにどうやって定期券を所持してたんだろ?脇の下に挟んでた、とか?)
私は電車に乗る術もなく奇異な姿で着衣文明の雑踏に取り残された。もしかして私に内緒で街場に通勤してたかもしれない仲間への猜疑心を募らせながら途方に暮れる……

…以上が正月2日に見た初夢だ。負の感情しか残らない悲しい夢で今年一年を占いたくない!私はこれを即刻却下し、二度寝して初夢に再チャレンジしたのだが、裸族の夢より恐ろしいサイコホラー悪夢だったのでこれも却下!

そして正月3日の朝。紅天女の姿をした兵庫県在住の旧友と道ですれ違う清々しい雰囲気の夢を見た。紅天女とは演劇漫画.ガラスの仮面に登場する役で紅梅の精霊だという。この新春の慶びを感じさせる夢を初夢として採用しよう!

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年忘れマイスタージンガー

宣言どおり紅白は1秒も観ず、TV東京『年忘れにっぽんの歌』とEテレ『第九演奏会』を行き来しながら過ごした大晦日。『にっぽんの歌』ではサンプラザホール2階席からでは分からなかった歌手の細かい表情や歌詞を知ることができて再び感動!前川清『そして、神戸』は歌唱力に圧倒されて歌詞の解釈が追いつかなかったが、字幕で改めて読むと胸に突き刺さる詩でゾクっとした。
神戸、泣いてどうなるのか…の諦念から〈濁り水の中に靴を投げ落とす〉〈眼についた名もない花を踏みにじる〉の絶望への転落を表現できるのは前川清ただ一人のように思え、そして歌が死と再生のクライマックス(絶唱)に至ったとき、その考えは確信へと変わる。

また一方で『第九/歓喜の歌』も、誰もが知ってるメロディーで歌われるシラー原詩の歌詞をよく読むと重たい示唆に富み、年の瀬に反省を促してくる。〈一人の友も持たない者はここを去れ!〉と独り者にツラいことを言うドイツ古典主義の厳しさと美しさのつまったこの詩も、ベートーベンという作曲家がいなければこれほど後世の人に周知されることはなかっただろう。

『そして、神戸』の世界には名歌手.前川清が必要で、シラーの詩が21世紀まで歌われるのは楽聖ベートーベンが存在したたからだ。絵を描く人間としては絵画が至高の芸術だと思いたいのだが、ニーチェがワーグナーを信奉し、音楽が究極の芸術だと述べたことに異存はなく、悔しいけど音楽は最高で演歌は最高なのだ!私には。

新宿生まれの私がお薦めする伝説の1stアルバム
『新宿の女★演歌の星/藤圭子のすべて』
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余人をもって代えがたい前川清&クールファイブ『そして、神戸』
だが、『逢わずに愛して』は藤圭子のカバーが最高!私には。

謹賀新年

新年あけましておめでとうございます。旧年中一方ならぬお世話になった皆々様に感謝を申し上げるとともに、今年も何卒お引き立ていただきますよう、この窓黒の場を借りてご挨拶いたします!

昨日のJ宝くじ抽選の結果ですが、10枚中1枚のみ7等300円(いわゆる末等)当選でした。応募するために食べたチョコモナカジャンボ2個とハガキ代で283円。損はしてないけどちょっとガッカリ…。この結果を受け私が施した風水/呪術に誤りがあったのか検証してみると、置き場所は陽の当たらない冷暗所が良く、特に冷蔵庫が最適とのことで、ピラミッド灰皿を窓辺に置いていたのが敗因だとわかった。しかし、紅生姜の汁がこぼれて赤い塩の吹いた冷蔵庫内に福の神が来るとは思えない。よし次回は冷蔵庫を綺麗にして宝くじを安置。これで高額当選確実だ!

(以上のように)どうでもよい至って役に立たない記事を本年も書き掲載し続けることを元日の曙光に誓おう!非合理かつ個人主義的ブログ(窓外の黒化粧)を引続きご愛読いただければ幸甚に存じます。皆様2023年もどうぞヨロシク〜

[厳粛なる抽選儀式]
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クルクル高速回転する電動式風車型数字円盤に向けて電動ボーガンの矢が一斉に発射される!

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当たれ!当たれ!当たれーーーー!
(画面の状態のように曖昧な境界に矢が刺さると、見届け人全員の挙手により決定される)

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末等一枚という結果に結晶たちもガッカリ…
本日をもって解散「水晶諸君ご苦労であった」

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ガッカリしてお腹が減っちゃったよ…沖縄そば(紅生姜入り)でも食べよう
夜は年越し蕎麦を食べながら『年忘れにっぽんの歌』を視聴。ヒット曲 (南部蝉しぐれ)を歌う福田こうへいさんを見る。よかった!