私が着用してた魚柄セーターをきっかけに釣り好きの美容師(店長)とパーマ中の会話が弾む。セーターの魚類は何か?私はカマツカだと思っているけど、顔が丸いので正確な図ではない。店長曰くこの美容室でカマツカが話題になったことは無く珍しいという(たぶん最初で最後のカマツカトーク)。
店長は幼少期に多摩川の堰でウォータースライダーごっこをして遊び、青年期にはジェームズ.ディーンに憧れて髪型とファッションを模倣。ジーパンはリーバイス511を履いていたとパーマ中も思い出を喋り続ける。
「そうなんですね。私が20代のときは501が流行ってましたよ」
ボタンフライから放射状に色落ちした〈ヒゲ落ち〉が珍重され、私は福祉バザーで安く入手したヒゲ501を得意気に履いていた。
…と、このように私がジーパンを履いてた過去を話すのも珍しいことだ。(喋りすぎる店長施術のハリウッド風パーマは大失敗!)
月別アーカイブ: 2024年2月
お誕生日おめでとう
墨汁一滴
夢は高速道に乗って
昨日19日で52歳になった私の1年の目標は特に無く(今までどおり)、展覧会の予定は来月からシドニー.ビエンナーレ、その後スウェーデン、フランスに作品貸出参加のみで国内展の予定はまだ無い。
〈ゆとりあるこの1年は遠出のチャンス!〉高速バスに乗って山梨県富士吉田市にあるうどん屋のキャベツうどん(並¥450)を食べに行きたい。
(竹生島にも行きたい)
上: 竹生島案内の鳥瞰図 下:〈観音霊場記圖會巻五〉
たまたま入手した2つの竹生島の図においでおいでと手招きされてる気がする。案内によると琵琶湖に浮かぶ小島に神社仏閣の古刹が密集してる特異な場所らしいが、この絵のように整合性が崩壊した姿で建立されているのか?早く見たい。(特にシャッと高速移動しそうな島の右端にある蝋燭みたいな島)
誕プレ2024
バッハは死んだ
歩く女は夜空に輝く南十字星を見たいと思っている。
彼らはその傍らで靴下とネクタイを結ぶ作業をしている。
左様、彼らの頭の中で谺するのは物悲しいメロディ。
「バッハは死んだ」その確信がビートを刻み、彼らの行進は続くのだ。
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以上の素晴らしい現代詩〈バッハは死んだ〉はThe Residentsのアルバム『DUCK STAB』に収録されている歌で、ダックスタブCDは30年来の愛聴盤です。今年の誕プレはそのレコジャケTシャツに決定!
《1アルバム1コンセプト主義》を教えてくれた眼球先生への信奉は来週月曜日に52歳になっても変わらず続く。
Happy Birthday to me!!
学生時代に路上で拾った額縁に吉祥寺の中古レコード店で買った『DUCK STAB』を入れてから30年。地下教室→ボロアパート→旧ランド→現ランドと常に私のそばにある神盤。今は寝台の頭上に飾ってるから、地震→落下→直撃→死もありうる(それはやだな)
レジデンツ様からの天啓〈1アルバム1コンセプト主義〉を〈1個展1テーマ主義〉に置換え、個展ごとに新テーマを決めて新作を揃えるようにしてます。そのせいでいつも死にそう…
問うて曰く/答えて曰く
奇書『視実等象儀詳説』は「△問うて曰く」と「△答えて曰く」の 問答が50回も繰返されるQ&A方式の本です。大多数の人から質問されそうな厳しい問いを佐田介石自身が想定し、それに対し仏教天文学の理屈を並べ立てて解説してゆく。このいわば自問自答の自己完結な攻防戦を私達はどう読めばよいのか?
西洋天文学の説(地動、ドーム型の天空、球形の地球など)は見かけの宇宙、即ち〈視象〉であり、仏教天文学の説(須弥山を中心に旋回する天道、ぺたんこの天空と地球)は真実の姿、即ち〈実象〉だという。そしてこの両説(視実)の宇宙は矛盾せずに同時に存在するという謎…。これを理論的に説明することは困難で、屁理屈と化した問答集を読んでると「もう諦めて太陽暦を受け入れちゃえば?」とつい言いたくなってしまう。こんな気持ちでは最後まで読めない。
Q&A古文書(ヤフオクで2000円)
最初の問うて曰く「すでに西洋の天文学が普及してるのに、今さら説を覆したり蛇足する必要あるの?」という鋭い質問(自問)に対し「大砲からピストルの発明に進歩して、そのピストルも日々モデルチェンジしてるんだから、天文学だって新しい説が出現してもいいんだよ」という答えで、ちょっと腑に落ちない…。
これが視実等象儀だ!
ケーキのように平な海に浮かぶ4つの洲(陸地)はドーム型の宇宙(視象天)に覆われ、遥か上空のぺったんこ天空(実象天)に太陽系があり、須弥山(真ん中の棒!)をグルグル廻りながら28日周期で上下する!?らしい…正直いうと理解不能です。
過激派と製図セット
東アジア反日武装戦線・さそりグループ所属の桐島聡が49年に及ぶ逃亡の果て「自分が桐島聡です」と告白して死んだという衝撃の一報後、続々と明らかになる人物像(音楽好きの呑兵衛)に親近感を覚えずにはいられない。国から紐付けされることなく税未納ロマンを貫徹した反体制人生が少し羨ましく思える。(確定申告シーズンだから特に)
潜伏地藤沢での偽名〈内田洋〉に私は直ぐに内田洋行を想起。満鉄御用達の製図用品メーカーと過激派との関連とは…ばくだん設計図作成でウチダの定規を使ったとか?
そんな時事情報で頭がいっぱいのせいか昨夜こんな夢を見た。
武蔵美学園同級生のHさんはアウトドア派で、リトグラフを刷る時も釣りベストを着ている男だった。約30年振りに再会すると今もそのベストを着ており、何故か私も釣りベストを着ている。前身頃に縫い付けられた大小のポケットをよく見ると、内田洋行高級製図セット内蔵のコンパス用替芯ケースを入れるための極小ポケットもあり、おそらくベストは釣り人用ではなく、定規を必要とする者のための着る製図セットにちがいない。
三角定規を心に当てて叫ぼう「愛魚精神万歳!」釣り反対派の私はこのベストで闘争!(もちろん非武装戦線)
It’s A Man’s Man’s Man’s World!
学生時代の私はカセットラベルを自作する
だが爆弾は作らない
うーやんとの共通点はJB愛聴のみ
雪と往生
石は生きている
神田カルチェラタン
ベンサムの幸福計算もマルクスのユートピアも信じない、水晶宮を建設する資材の何れにもなれない。ドストエフスキー『地下室の手記』の男は私と同類の社会不適合者だ。この引き篭もり中年による独白(陰鬱な小説)はボタ雪の追憶から始まる。その場面を彷彿とさせる昨夜の雪に乗じて、私も昔のことでも思い出してみようか….
先週の金曜日午后、O JUNさんの美しい新作を見るために神田小川町へ行った。私は32年前に小川町にある古書会館で入札会の雑用バイトをしたことがあり、この街を歩いてると当時の記憶が蘇ってくる。
大学3年生の兄が所属してた早大美術サークルのバイト先だった神田古書会で「人手が足らない」ということで私も駆り出されたのだが、仕事覚えも要領も悪くかえって邪魔だったような…早大生と底辺美術学生の差を痛感するばかりのバイトだった。(近代文学館が高額入札した夏目漱石の生原稿など見れたのは面白かった)
滅多にないインテリ学生とのふれあいで印象的だったのは、4年女学生の「人間への憎悪が残っているので肉は食べられない」という発言で、偏差値を超えて私は激しく同意した。
建物ばっかりの思い出フォトアルバムより
かつて神保町2丁目にあった〈東洋キネマ〉にはダダ建築という素敵な仇名が付いていた。私はこの支離滅裂な装飾が大好きだった。
タテカンが健在だった頃の明治大学。シュプレヒコールが聞こえてきそうな厳つい学府はもうない。(だがアイアンメイデンはまだいる)