キャッチ&リリース(緑の日)

2年前の5月、宅配ボックスの蓋に挟まれ、引っこ抜かれたミニ石蕗を鉢植えにした。その後植替えしたり株分したりしながら観葉植物の代用として観賞。
私としては盆栽のようにずっと可愛いサイズのままでいて欲しかったのだが、どういう訳か先月から急激に巨大化!ミニつわ君&ミディつわ君の双方ともデカい葉っぱがにょきにょき出て、根っこも伸びに伸びて鉢がぱんぱんに…顔色(葉色)も悪くなりこのままでは死んじゃいそう!意を決し通常サイズに成長したミディつわ君を庭にリリースすることにした。(それは緑の日の出来事だった)

巨大化したミディつわ君を庭にリリース
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お外でも達者でな〜

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翌朝みたらグッタリ瀕死状態!日当たりが良すぎた…

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すまぬ許せよ…日陰に引越しだ!元気になーれ

(プラントハント)
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ミディつわ君の鉢にミニつわ君がお引越し
ミニつわ君のいた鉢に羊歯太郎。新しい鉢に羊歯次郎
(子供のシダを庭から誘拐。大きくなったら庭にリリース)

或る晴れた日のホワイトテロル

昨日は憲法記念日。法律がテーマの朝ドラ『虎に翼』で、帝人事件(が元ネタの話)の判決が下る山場が昨日だったのは偶然ではないはずだ。自白供述済みの不利な窮状で、被告16人全員が無罪に転じるスリリングな法廷劇は単純に楽しめ、無事にパパが帰り一件落着…と、ドラマは痛快で面白いけど、大正時代から続く白色テロの嵐真っ只中、昭和初期の恐ろしい世相が描かれてないことが(階級闘争好きの私としては)少し物足らない感じもする。

現に帝人事件の前年1933年に起きたプロレタリア小説家・小林多喜二の拷問死は本当に凄惨。虫ケラのように弾圧される側は、法という名の正義の天秤にかけられることもなく抹殺。たとえ裁判にかけられても不当な重刑で獄中死…そんな残酷コースが常態化してた時代に触れず正義を問うのなら…さては寅ちゃん、貴女やっぱりプチブルですね!

俳人アナキスト和田久太郎の死
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1923年9月、関東大震災直後の甘粕事件で虐殺された大杉栄の親友だった和田久太郎は、報復のためにテロを企てるが失敗に終わる。そして無期懲役(後に20年に減刑)の刑で服役中、極寒の檻房で自殺してしまった。

戦後になり、友人の望月桂は久太郎の遺灰で花を育て、かつての同志たちに押し花を送り〈あの世からの花〉と題する。

やるせない2冊
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『何が私をかうさせたか』の著者、金子ふみ子も関東大震災のドサクサに乗じて理由もなく逮捕された。獄中で数多くの短歌を作ったが23歳の若さで獄死した。

『差別が奪った青春』は1963年に起きた狭山事件の容疑者・石川一雄氏の無実を訴える劇画。つらすぎて細かく読んでないが、ここに描かれてる暴力による自白強要、狡猾な誘導尋問、証拠のでっち上げが本当なら、裁判以前に警察が大問題だけど?

青臭い5月の到来

昼下がりに玄関を出ると、庭のジャーマンアイリスの花茎が風で倒れていた。厚ぼったい花の咲いた長い茎をハサミで切って花瓶に差してから再び外に出る。
商店街では薫風に煽られながら2羽の仲良しツバメが忙しなく飛び交っている姿があり、毎年来るのが早すぎるように思える5月の到来を実感する。

四畳半の部屋に戻ると、ジャーマンアイリスが発するモワッとした青臭さで室内が支配されていた。そういえば去年も一昨年も「この花は綺麗だけど臭い」と全く同じことを思ったのだ。(これが5月のにおい)

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私には青臭いジャーマンアイリスも〈石鹸や青リンゴみたいな良い香り〉と好意的な感想もある。カメムシにも青リンゴ臭の爽やかオナラの種がいるという。(似た臭いか?)

GWムシ占い

昼食後、ぬるくなったコーヒーに氷を入れて飲んでいると、またしても室内にいるカメムシを発見!網戸を閉めてるのに何処から入ってくるんだろう?

世間の暦と無関係な私にとってはGWの行楽も無関係だが、偶然カメムシが遊びにきた古地図『関東地方 體鍊歩行路圖  家族向・平野篇』をたよりに、行楽するなら何処へ行ったら良いかカメムシに聞いてみようかな・・・

村山・山口公園めぐり歩行路図(狭山湖と多摩湖周辺)
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Aコース: 村山・山口池めぐり(徒歩7.7㌔)
Bコース: 荒幡富士から玉湖神社へ(徒歩9.4㌔)
家族向けとは言いがたい長距離。コースの途中で子供が泣き出しそう…

しかしカメムシお薦めは湖畔ではなく…(拡大↓)
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カメムシの斜め上にあるお寺・徳蔵寺〈板碑保存館〉だ!
ここは板碑&五輪塔ファン(それは私)のパラダイス!
板碑を見てから手打ちうどんを食べる夢のCコースをいつか実現したい。

占い師が放屁する前に放虫
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「ばいばーい(もう来なくていいよ)」

青と黒との

世田谷美術館民藝展の割引券を見て「おや?」と気づく。写真の黒青2色の皿は…私の持ってるお皿にそっくり!
展示品は牛ノ戸焼という名の民芸品で、新橋色っぽい青緑の釉薬が隣の黒に侵入し滲んでいるところに趣きがある。私のやつは境界線がピシッと直線で爽快感があり手仕事の味はない(その方が好ましい)。このお気に入りの皿は地元商店街のリサイクルショップで22円(内税2円)で購入した中古品なのだ。すごい激安!

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1700円でお皿を見るより1700円でお皿を買いたい

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私のお皿22円

あの世か地底で待っていて!

Snakefingerの 〈ビートニクパーティー〉を聴いて、ふと中学2年生のとき布団の中で読んだギンズバーグの詩のことを思い出す。「青臭い男子学生の作文みたいだな」というのが当時の私の感想で、たぶん今読んでも似たような感想だと思う。
ビートニク世代の残火とは吠えるような反抗か?ニコチンとアルコールとカフェインが地上的なビートだとすると、スネイクフィンガーの詩と音楽はその地上を離れて浮遊する何者か、もしくは地底人感覚の芸術だと言える(私も地底人に選ばれたい)。

で、さっき思いついたのだけど。この前描いた似顔絵を版画にして、それを表紙にしたスネイクフィンガー詩集を作るという計画はどうか?翻訳アプリの助けを借りて作った詩集は、私だけが読む私のための本になるだろう(それは所謂ファンアート)。

〈The Spot〉を翻訳してみたら…
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「身体に突如現れた斑点は、私の毛穴と相互作用し長方形に拡大する。そして私のシャツの上でスヤスヤ眠り、私が怪我をするとニッコリと微笑むのだった…」という変な歌詞だった!(やっぱり感動して泣く)

扉の向こうに蛇指神

扉の向こうの白い箱。今日は何が届いているかな? (勇気を出して扉を開こう) 箱の上には灰色のレコードが1枚置かれているはずで、これは知らない誰かからの施し物ではなく、数日前に私がヤフオクで落札した中古レコードだ。

一昨日の明方、眠気でボーッとしながら使用済みコピー用紙の裏にサラサラ描いたSnakefinger肖像画とともに早速レコードを飾ろう。(プレイヤーが無いので不穏すぎる木版画レコジャケを眺めるのみ)
シュルレアリストよろしく自動記述の勢いで鉛筆を走らせ、SF神の鋭い風貌、さらには奇妙に洗練された野獣的音楽までびっくりするほどそっくり死に写しに描けちゃった似顔絵!さては貴方…あの世から降りてきましたね?

新たな礼拝Spot☆
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歪んだギターを掻き鳴らす天才詩人ロックスター☆スネイクフィンガー様「ホントニソックリダネ!!」嘘だと疑う君は画像検索してごらん。それからついでに動画検索しカッコイイ曲〈The Spot 〉を聴いちゃおう!(メルボルンLiveの疾風怒濤演奏で私は毎日泣いている)

コーヒー1杯で午後は終わった

昨日昼に起きてふと玄関を見ると、タイル床の上に白い紙片がぺらっと1枚。「なんだろう?」と拾い上げてみると郵便配達のお知らせだった。紙片に書かれた〈配達場所:玄関前 白い箱 ゆうパック コーヒークーポン〉で、先日応募した景品が届いたことを知る。扉の向こうにはコーヒー粉(ゴールドスペシャル.リッチブレンド280㌘)が4袋。
これは20余年同じインスタントコーヒーを飲み続け、コツコツとUCCコーヒークーポンを集めた褒美の品です。

(コーヒー1杯で午後は終わった)
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重度のカフェイン中毒(不眠症/冷え性/動悸/不安症)に気がつくまで、インスタントコーヒーを1日8杯ぐらい朝も深夜も飲んでいた!現在は豆から抽出コーヒーを午後3時迄に1杯と決めてすこぶる快調。

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無闇に飲んだコーヒーで溜まったコーヒークーポン(瓶や袋に印刷された券)が累計2465点!この高得点をヤカンと交換できたけど好きな形じゃないので価格高騰が著しいコーヒー豆(を挽いた粉)を大量に貰うことに決定。(もう一回同量+αもらえる)

パラレル神田とマロニエ読本

(NHK朝ドラは昼の再放送で見るから私には昼ドラ) 今春から始まった『虎に翼』は三淵嘉子さんをモデルに日本初の女性弁護士誕生物語を描いたドラマで、ヒロインが法律を学ぶのは「明大」だけど明治ではなく明律という名のパラレル大学だ。
舞台の御茶ノ水周辺はCGで合成され、昭和初期の神田(っぽい)風景の中に、ニコライ堂のドーム屋根と大きなアーチ橋が頻繁に登場する。橋は位置的には聖橋だがデザインの違うこれまたパラレル大橋で、この上を往来する市井の人々(エキストラ)を使って、戦前の格差社会の情景が表現されているのがとても面白い。

良い演出だなぁと感心しつつ大好きな歌『夢淡き東京』の2番3番の歌詞を思い出す。私は2番の「懐かしい岸に聞こえくるあの音は、むかしの三味の音か 遠くに踊る影ひとつ…」のところを歌うと自然と涙が出て声が詰まってしまう。おそらく三味線弾きだった前世の記憶が私を泣かせるのだろう(たぶんネ)。

(建物ばっかり想い出アルバムより) 懐古趣味音楽ユニット〈ゲルニカ〉の曲『マロニエ読本』を脳内再生しながら御茶ノ水を巡った19歳の冬。↓その時の写真
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あの日通いしニコライ堂 礼拝すれば熱き涙を神ぞ知れ…(♪脳内再生)

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小雪散れ散れ聖橋 流れに捨てた金のボタンに小雪散れ (♪脳内再生)

100年前の昔絵葉書(集めすぎ絵葉書アルバムより)
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もちろん聖橋の向こうに電気街は無い。ニコライ堂の尖塔は関東大震災で焼失し、再建のときに現在の丸い形に変更されたそうです。

紙屑狂時代

長らく放置してた未整理絵葉書をファイリングしようと漸く重い腰を上げた。「狂ったように集めまくった絵葉書は無尽蔵の域に達したのか?」私はそれを確認することすら恐ろしく憂鬱だったのだ。

【集計結果】鑑賞用古絵葉書は1300枚以上で、ついでに新ファイルに引越しさせたノートゲルト(ヴァイマル時代の緊急紙幣)は174枚だった!!(資料用絵葉書は別に大量枚数)。恐れていた無尽蔵ではなく、一応枚数が把握できたのは大きな進歩だといえる。
《これ以上CD/古本/絵葉書/ノートゲルトを絶対に増やさない!》この誓いの証人は窓黒愛読者の諸君、あなた様に委ねよう。もし増えてしまったら厳重注意してね。

 

IMG_8980卓上を丸2日間占拠した絵葉書。ファイルに入れても入れても部屋の片隅から続々と湧き出る恐怖の古絵葉書…
 IMG_8988通販で購入した〈椅子になる箱〉に収まった絵葉書アルバム12冊(1冊100葉入)と2軍及び3軍絵葉書ビニール袋。(その他ノートゲルトアルバムと和書を収納)