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危ない危ない

先月の長野県岡谷遠足はそのあと電車に乗って下諏訪町に移動。岡本太郎が有名にした野仏〈万治の石仏〉でも見ようかとブラブラ歩いていると、諏訪大社下社 春宮の参道入口付近の路傍に無人100円ショップを発見する。昭和時代の茶箪笥に見られる古臭い食器類、居間の飾棚にあった典型的置物(ポーズ人形や創作コケシ)など、引越しの際に捨て置かれたような数々のガラクタは(姿のない)店主の価値観により100円以上と判断された商品なのだ。

私が100円支払っても良いと思えた唯一の商品は「岡谷映像サークル95年度銀賞」のトロフィーで、カメラを構えた男の立像が魅惑的な置物だ。しかし、このトロフィーをはじめ陳列商品の多くは、7年前の旧ランド大引越しで処分した品々に大変類似しており、同様のガラクタを再び現ランドに導入することは御法度である。旅先の解放感でウッカリ購入してしまうところだった!危ない!

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不法投棄ではない〈無人ガラクタ市〉

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料金箱を護るかわいい幼鳥たち(1羽100円)

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トロフィーの誘惑

大人気!万治の大仏
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「願い事を心で念じながら巨大石仏の周りを3周すると成就する」といういかにも後付けっぽい霊験の流布で、現世利益を望む人々がひっきりなしにグルグル廻り続ける…(途切れた瞬間を激写)。
私もその輪に加わりグルグル廻ったが、現世的な望みの内容はナイショにしておこう。

ありがとう石巻

10月2日をもちましてリボーンアート.フェスティバルは無事終了いたしました!鑑賞者/主催者及び事務局/ボランティアスタッフ/石巻の皆様のご厚意に心より感謝申し上げます。被災地での展覧会に多少ためらいがありましたが、温かく迎い入れて下さり心配は杞憂に終わりました。

今回のテーマ〈新しい山水〉は万物流転の摂理、すなわち「無常」を意味します。更新と変化が自動的に過去を生産することに一抹の寂しさを覚えますが、流転の運動「無常」が一瞬ごとに見せる光景を心に留め置く努力こそ芸術の仕事だと私は思っています。

今の松島を見て100年前の写真の姿の方が良いと思いながら、真新しいコンクリートで図形のようにキッチリ縁取られた河川や海岸に対し、是非を抜きにして美しいと感じることもある。このような矛盾を包括したまま制作することへの呵責は無きにしも非ずで、また古典を引用したり100年前の絵葉書を参考にしたり等の反時代的な行為によって現代を表現するネジレも然り…。しかし一方通行だと思ってた「流れ」が意図的な古今のネジレによって環状の永劫回帰になったら、「業」の正体に迫れるような気もします。
とはいえ、ニュー松島も FLOWもまだまだそこまでの作品ではなく反省点も多々ありますが、遠いところまで観に来てくださった皆様に感謝です。石巻ありがとうございました!

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皆様ありがとう