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あなたの夢実現は?

過日実施されたわんこ蕎麦競争は友人の誕生会を兼ねた個人的な大会で、彼女がリストアップした〈一生のうち一度はやっておきたいこと〉の一件に参加したものだった。ひたすら麺を食べ続けるだけの至ってシンプルな競技であったが「お汁は残して麺のみ食べる」「お口の中に一杯二杯と溜めて一気に飲み込むのは悪手」といった給仕係からの指導は、普段自分のペースで飲み食いしてる私としては厳しいものがあった。このわんこ大量摂取テクニックの習得を今後活かせるかどうかというと、たぶんもうわんこはやらないから活かせない。

ちなみに、私が生きてるうちに実現したいことは〈庭にコンクリート製のMyトーチカを作る〉ことだが、土地及び家屋/自動車の所有に否定的なので大八車の上に建造して移動式トーチカにしようかな?これなら鴨(長明)ライフに離反せず無所有の理想にも抵触しないだろう。

夢ひろがる・トーチカライフ
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(Paul Virilio バンカー建築写真集より)

瞼合わせりゃ瞼に◯◯◯

〈捨てた未練が未練となって 今も昔の切なさよ 瞼合わせりゃ瞼ににじむ 霧の波止場の銅羅の音〉以上は田端義夫『かえり船』の2番の歌詞で、この名曲は数多くの歌手によって歌い継がれている。もちろん私も大好きで聞いたり歌ったりしているのだが「瞼ににじむ」の「にじむ」が歌い手ごとに変更されてるのはどういうことだろう?
本家バタやんと福田こうへい「にじむ」、三橋美智也は「浮かぶ」藤圭子は「しみる」とバラバラで歌の表現もそれぞれ違う。バタやんのブワブワと海上を漂うような独特な歌声は、古賀政男先生をして「バタやんの声には涙がある!」と云わしめただけありエモーショナルだ。それに比べると三橋美智也は爽やかでアッサリとしている。福田こうへいはバタやん&美智也先輩へのリスペクトのこもった熱唱で、藤圭子は天才なので全く欠点がない!

で結局、瞼に◯◯◯の箇所はどうすれば良いか?
そこは各自好きな動詞を入れたら良いのではないかと私は思う
…例えば:瞼に座る/泳ぐ/走る/腐る/沈む/臭う/騒ぐ/はしゃぐ/遊ぶ 等だ。

〈三橋美智也 昭和歌謡を歌う〉
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『かえり船』をはじめ素晴らしい選曲の第2集はジャケットも良い
(なので模写してみた↓)

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肩がけセーターがカジュアルな雰囲気の元祖ビタミンボイス

男の芸術

小さくてかわいいだけでなく、現代社会への示唆に富む漫画『ちいかわ』全5巻を買うつもりでいたが、その予算で 『三橋美智也 昭和歌謡を歌う(CD4枚組)』とネオ漫画『ネオ万葉』を買ってしまった!ゆったりとしたポーズを決める三橋美智也ファッション写真がジャケットのCD集それと、人面石に似た何者かが目を光らせる不気味かつクールな表紙の漫画集、双方の共通点は男の芸術ということだ。

(ジャケ買い)
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相聞ゼロで現象のみを和歌から抽出した騒音漫画に古人との時空を超えた情感の交流を楽しむ暇はない!(それもまたよし) フランシス・ピカビアは「瞬間主義:は永続する運動しか信じない」と宣言したのだ(言うまでもなく男ピカビアは例外的存在)。現象と運動が詩歌の源泉であり情緒の前にそれはあった(月の満ち欠けも潮の満ち引きも永続するポエムだ)。