月別アーカイブ: 2015年2月

美梱包

届いてから一週間も経っているのに、まだ荷を解いてない本が5冊あります。どうしてかというと、あまりにもピッチリ綺麗に梱包されてるので開けるのが勿体ない!からなんです。
古い岩波文庫5冊がクロネコメール便で164円の送料で届きました。通常の荷姿だと到底無理なんですが、送り主の「送料を低く抑えてあげたい!」という親切心が編出した、創意工夫あふれるコンパクトなパッケージがそれを可能にしました。ヤマトの取り扱いサイズはA4サイズで厚みの上限が2㎝なので、この厚みをクリアするために文庫本を出来るだけペッタンコに並べて固定する、しかも厚みプラスがされる台紙無しで!台紙無しで固定するビニールとテープでの包み技、そして真心。いやはや感服。これでますます本が読む物から眺める物になってしまいました。

2015-02-21 18.10.06
宛名の書かれた白い包みの剥くと中古車のチラシで包まれた物体が…

2015-02-27 15.06.49
台紙無しでもしっかり固定された岩波文庫はギリギリ2㎝の厚み。美しい〜
5冊なので一冊分足らない厚みはダンボールで補われてます。

棚
しばらくは本棚に飾って眺めていよう。
「唯心論と唯物論」という小難しそうな題の本が読まれる日はいつになることやら。

ブレイク・タイム

資料用書籍の一冊である「ストリートファイターズⅡ完全攻略本」の攻略図解のなかにマニエリスムな瞬間を見つけたので、今日はストⅡ画面から「ウィリアム・ブレイク」を切り取ってみようと試みてみました。
テレビゲームは「スパマリ」と暗黒騎士道「ボコスカウォーズ」、雛鳥奪還劇「フリッキー」この三つしかやったことがありません。遊んだというよりか、遊ぶコツがわからず遊ぶ前に挫折した。当然このストⅡもゲーム画面すら見たことないですし、今後も攻略に挑むこともないでしょう…なので「↓にタメて↑+にキック」という高度な技術を駆使する機会も残念ながらない。
思いつきで偉大なる幻視者、ウィリアム・ブレイクの作風に近づこうと無謀な試みをしてみましたが、戯れにマネようと思って容易に似せられる作品でない、という当たり前の事実を再確認するだけに終わった訳です。ストⅡ攻略もマニエリスム攻略も攻略する前に撃沈必至と思えます。

ストⅡ
エドモンド・本田が必殺技スーパー頭突きを繰り出すと、ダルシムは咄嗟のスライディングでかわすのであった!その刹那にマニエリスム的な構図が出現するのです。
銭湯浴場内での戦闘場面と思われます。

2015-02-24 00.19.02
当時は全世界にペレストロイカを理解してもらうべく闘っていた彼。
今やその溢れる愛国心はプーチンに捧げられているのでしょうか?

ワーグナーの椅子

一日中掘りごたつのヘリに腰をかけて過ごしているので、椅子は生活する上で必要ないのですが、突然「椅子欲しい病」に罹って早2ヶ月。さっき家に椅子が届けられこの病からやっと解放されました〜!そして、例の如くヤフオクでの購入です。欲しい気持ちに取り憑かれてから「どんな椅子がいいか?」と悩みつつ、毎日ヤフオク検索してるなかで「やっぱりミッドセンチュリーじゃないな」という結論が出た。年季の入った「本物」っぽいイームズとヤコブセン、暮らし系オシャレの若夫婦とかが好きそうなカリモクとかマルニの昭和レトロなソファーなどは今も人気継続中のようですね。そりゃあ私でも名作椅子やGマークの良さはわかりますが、しかし、人間の暮らしに寄り添ってくれる穏やかな造形が今の気分に合わない…。人間工学など無視した乾いたデザインの椅子が欲しい!でもそれってどんな椅子だろう?具体的なビジョンのないまま検索を続け、とうとうこの椅子に出会いました。
最初、画像で見たときはカジュアルなスツールだと思い、うっかり流しそうになりましたが、タイトルの『オットー・ワーグナー:ウィーン郵便貯金局の椅子』に「へえ〜」っと驚きました。オットー・ワーグナーといえばウィーン分離派の巨匠建築家です。分離派は、19世紀末の有機的な装飾と近代的な機能美、相反する要素の融合とせめぎ合いが「不穏」な印象を与える(そこが良い)アールヌーヴォーとアールデコの過渡期に位置する様式です。不勉強なことに、郵便貯金局の建築と内装を知らなかったので、ザ・分離派建築のゼツェシオン館(オルブリヒ設計)の印象から、この郵便貯金局のモダンな椅子に分離派の歴史を感じることが出来なかったのです。
もちろん、私の購入した椅子は復刻製品で本物ではありませんが、偶然、出品者さんが世田谷区内の方だったので直に届けてくれ、色々と教えてくれました。なんと出品者さん自身がこの椅子のリプロダクトをしたそうで、30年程前(まだバブル時代か?)曲木技術で有名なトーネット社の代理店に勤務してて、この椅子の復刻企画のために、ウィーンの郵便貯金局まで出向き本物を採寸して設計図を引いたとのこと。その図面をもとに当時のユーゴスラビアの旧トーネット工場(第二次世界大戦後、東ヨーロッパの分断とともにトーネット工場も分断。共産圏に残った工場は旧トーネットと差別化されています)で100本ぐらいのエディションで生産されたそうです。その話を伺うと、リプロダクトとはいえ貴重な物だな〜と。シェルチェア、セブンチェア、アントチェアの「リプロダクト」「ジェネリック」は五万と巷に溢れているが「郵便貯金局の椅子」はお目にかかった事が無い!
100年以上も前のデザインとは信じ難いモダンさ。そして人間が座って「心地よい」という椅子の価値を排除した「建築空間での美しさ」のみに特化した造形!なんて冷徹なんでしょう!すっかり惚れましたー!…しっかし意外に大きいサイズで、この座敷では浮いた存在に。バーンと広い空間に置かれた写真では小さく見えたのだが。ここはウィーンでないのでしょうがないな…。

2015-02-20 16.46.51
プラスチックと金属に見えますが木製。
座面には長方形の穴と、方眼状に丸い小さい穴があけられ簡素な装飾となってます。
曲木の脚はネジで固定されて、ネジの頭も装飾に利用されています。
スツールというよりテーブルに見えてしまう西欧人サイズ。
座った感じはビール箱と大差ないが…。だがポイントの高さはそこにある!

郵便貯金局
「参考写真」ウィーン郵便貯金局 1906年竣工
おお!水晶宮のよう!透明感あふれる空間にO・ワーグナーの調度品が並んでます。
剥き出しのアルミのダクトやボルトも装飾にするなんて未来世紀先取りしてる。

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こちらは昨日商店街で拾って来たパイプ椅子2脚とお盆のような物。
潰れた靴修理店で廃棄処分になってました。
拾って来たのと同時にワーグナーの椅子も届いたので、急に椅子が増えた。

マイ☆ドリーム

2月19日。今年も来なくていい日がやってきた〜はっぴぃばぁすでぃとぅーみぃーなのです。
あまり嬉しくもないので祝ってもらえなくても結構ですが、せっかく誕生日なので今日は「私の夢」でも書こうかと思う。元来、将来に展望など持たない方ですが、こんなことがあったらいいよね!というデッカイ夢があります。
それは「文化勲章」を授与されること。そして貰った勲章をあらかじめ捕獲しておいた野良犬(最近見かけませんが)の首に掛けて、自分の代わりにテレビや雑誌のインタヴューを犬に受けさせます。「私もやっと日本国から認められて立派な犬になりましたワン!」….うやうやしく拝受という定番以外のちょっと違った拝受スタイルがあってもいいかなと。日本の立派な文化人として勲章を頂くまでは、大人しく「しっぽ」を出さずに日本の文化に貢献するか?う〜ん無理。というか100%無理マイドリーム!…一生野良美術家でいいや。
改めて受賞者一覧を見てみるとビッグネームがずらりと並んでますね。そして辞退した人物も偉大な文化人ばかり。河井寛次郎、熊谷守一、大江健三郎、杉村春子…なるほど納得のクールな面子が揃ってる!熊谷守一が文化勲章も勲三等も辞退してるとは初めて知りました。「これ以上人が来てくれては困る」という正直で全く思想的でない理由がなんとも素晴らしい。なんだか有難〜い勲章がとても軽く見えてくる。受賞者って文科省が内閣総理大臣に推薦するらしいけど、こんなに勲章が似合わない人を選定すること自体にセンスの無さを感じます。よし!みんな、これからは安倍クールジャパン(笑)の御眼鏡に適う作品をガンガン作って勲章ゲットだぜ!

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お手頃サイズの「マイ・トーチカ」が欲しいな。
銃眼のパッチリした素敵トーチカ[−−]を熱烈に所望!

 

「形のない国」へ

大昔ある国の王子が、王様にこう申し出をしました「僕は ○ の外側全部が欲しい」。この要望が他の二人の王子に比べて余りにも賢く感じたので、王様はこの王子に「国境のない領土」を与えることを決めました…。
これは 詩人、尾形亀之助の随筆集『障子のある家ーあるいは(つまづく石があれば私はそこでころびたい)』で書かれた寓話『おまけ 滑稽無声映画「形のない国」の梗概』の世界のお話し。王子が死んだ後も、この輪郭を持たない国土はボンヤリと膨張し続け、その境界を確かめようと様々な学会の研究者が現地調査に旅立つが、誰一人戻ってくる者はいない。測量不可能の抽象的な国家をあずかる役人や大臣のポストの数も無限に膨らみ続け、愈々ハナクソの始末を司る「鼻糞大臣」という座まで誕生する。…贅沢できないはずの貧乏人がトンカツとビールを食べるとは何事か?という研究のために貧乏下宿人の生体解剖!が行われたり。と飽和状態の行き着く先きにはツマラナイ議論と過度の監視が待っている…そしていつの間にか、何となく国の規模や位置関係が分かってくると「国」らしい体裁をした美麗な地図を作り上げるが、そこに暮らす資産を持たない生活者たちにとって、地理や面積という概念はまったく感心の無い問題なのでした。

…この滑稽な物語の寓意するところは何か?「形のない国」が発表されたのは昭和5年です。芸術家たちのイデオロギー傾倒、そして思想弾圧の激化、世界大恐慌、軍閥の拡大…政治と経済に支配された『 ○ の外』は、戦争という活気を帯びつつ膨張しつづける。そんな世相に対して『自分だけの ○ の中』の住人である亀之助の抱いた不安や嫌悪感が、この寓話「膨張し抽象化していく世界」に反映されているのでは、と私は思います。
尾形亀之助にとっての外の世界、家庭や生活は景色であり、彼の忠実な心象はガラス窓越しに窓外の景色を見ている。「自分自身に即する」ことしか許されない、自我の宇宙に生まれてしまった彼のわがままで特異な感受性(機嫌が悪い日はお布団の端っこを握ったまま終日ふて寝、みたいな)はともすれば単なる怠け者のエゴイストと看做されてしまうかもしれない。しかし、そのどうしようもない外側との軋轢は、彼の「窓ガラス」を水晶のように研磨していく。それが亀之助作品の悲しさと美しさであり、その唯一者的な視点は、図らずも世間の生臭さに境界線を引く。世界を形成する「調和の美」というものが現在も存続しているとするなら、あらゆる共同体の表面的美を剥離する「疎外の美」の可能性が亀之助の作品にはあるような気がします。

「形のない国」中心の「○」は内容が無く空洞で、それを取り巻く権力の細胞基質だけが膨張してゆく不気味な世界。それは現在のイスラム国のスプレーで描いた霧のような「国境」や、安倍晋三が愚鈍なふりをしながら押進める「軍拡」をおのずと想起させます。昭和の初期に軍靴の響きを遠くに聞きながら、儲け話に花を咲かせるエコノミストにうんざりして「経済社会に貢献したくない」気持ちで餓死すら考えた亀之助が描き出した寓話には、戦後70年という節目を迎えながら、実はもうすでに戦時中?…かもしれない今の日本に、有益な示唆が多いに含まれているのではないでしょうか?

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(●^○^●)★悪霊 ドストエフスキー★
この無邪気な絵文字に心をほだされウッカリ落札してしまいました。

告知\(∵)/★無人島プロダクション★
只今、加藤翼くんの個展
「リーチアウト|Reach Out」開催中
〜2月28日まで!
これもある意味「無形国」です。

 

 

植物問題

窓辺(といっても閉めっきり)を片付けたら空間が生まれたので、観葉植物でも置いてみるか?と人間的な着想が一瞬頭をよぎった、が、しかしです。樹木と雑草ボーボーな中に建っているこの家の屋内にわざわざ「観葉」を導入する意味があるのかと…。外の葉っぱすら鑑賞したことも無いのに!それ以前に、この極寒の室内で水を断たれ痩せ細ったサボテン達の越冬こそが目下最大のミッションなのです(チランジアの生死は定かではない)。この部屋=シベリアに連れてこられる不幸な南国植物をこれ以上増やしてはいけない!
それでも空間ができれば何かを置きたくなるのが貧乏の悲しい性。というわけで枯れる心配も世話も要らない、尚かつ「癒され」目に優しい姿をした『磁石式電話機』等を並べることにしました。
おぉ〜癒される!!これは素晴らしいです。黒いベークライトの重量そして色ツヤ、申し分無し!シャビーな暮らしにお似合いなグリーンの生命力や潤いなど無用。超シャビー(オンボロ)な暮らしにはカラッカラに乾いたブラックがお似合いだ。そして窓辺がいっそう黒く暗くなりました〜。これはインダストリアル系お洒落インテリア。ではないな ….絶対。

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「磁石式電話機」ハンドルを回すと内蔵された磁石式発電機が作動し、ベル信号が送られ交換手につながる仕組み。交換機に繋がずに電話機と電話機を接続し、鉄道駅構内などの内線として利用されてたようです。ハンドルの回し加減でベルの音に変化がつけられるので、それでどこの部署からの電話か聞き分けていたとか…すごい。
このヌルっとしたフォルム。昔の国鉄の流線型機関車やディーゼル機関車にも似た重厚感と不気味さがある。

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PONY製スピーカーフォンの「ラルフ君」
41号M 磁石式電話機の「フローリアン君」

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手動式計算機、CONTEX-10の「カール君」は吉祥寺の道端に落ちてた。
4号M 磁石式電話機の「ウォルフガング君」
…以上、名前をつけてみました(KRAFTWERK初期メンバーから拝借)

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フローリアン君とフローリアン・シュナイダー氏
流線型も素敵ですが、この四角い存在感も捨て難い!

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台所に侵入した蔓草は今も元気!
小市民的観葉植物と一線を画すド根性植物

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風間城のシンボルツリー「ヒマラヤスギ」
もはや庭より森が相応しい大きさに…。

金銭と芸術のアウフヘーベン!!!!

去る一月末日。今年初めての五反田遊古会にて、3冊目の『総合芸術 』を発掘しました〜!こうゆう雑誌が200円で入手出来るのだから、さすが「奇本・珍本・良書で人気 !!」の古書展だけある。(ちなみに次回は3/27、28開催!)
『総合芸術』とは、迷著『乞食学(ビートロジー)』の著者である北田玲一郎先生が主宰する、謎の総合芸術集団 TAM-TAMの機関誌のことです。男尊女卑乱交OKの逸脱したモラルにて、実体のよくわかんない「総合芸術」を実行していた模様でありますが、彼等60年代ビートニクは何を残したのか?イヤ、残すのは目的でないらしいが、では何がしたかったのか?それは時代精神のスチンムングのみぞ知る薄暗いジャズ喫茶での天使との戯れのようなものなのです。
この爪痕を残さない総合芸術が残した雑誌『総合芸術』はイカシた(イカレた!)フレーズの宝庫なのです。ビート=乞食は最高峰ですが、今回も超イカシたフレーズがザックザク!中でも一番グっときたのが『タムタムイズムの哲学は金銭と芸術のアウフヘーベン』です。…はぁ、また弁証法ですか?アウフヘーベンなんて随分ペダンチックに気取ってらぁ。と嗤う諸氏もおられるかもしれんが、所詮「芸術と金儲け、否定し合わずにアゲていこうぜ!」ぐらいの意味なのでご容赦頂きたい。ここに書かれた記事(たむたむ・つうしん)を読むと、要するに「タムタムイスト達おのおのがサイドビジネスを始めた」ということで、その内容は「タムタム芸術道場兼事務所、タムタム金融部、美容院、クラブ経営…」と多岐にわたる事業拡大です。タムタム金融部は北田社長の純然たる商事会社で全くのカタギの会社。そして芸術道場は?というと、以下のような所らしいです。

「…パンパカパーン、タムタム芸術道場開場。ジェームス・ボンドばりの広い総合的な〝術″を心得た屈強な、芸術攪乱スパイの養成を目標とする。そこではキビシイ基礎実力養成期を経て、綿密にして躍動的な方法論が打ち出されるだろう。そして近い将来、質または量で勝負をいどみ、必ずや芸術界及び大衆を魅惑・攪乱する精鋭スパイを送り出すだろう。彼等は第三の忍者〝ワタリ″を思わせる中性的美少年であり、オボロ術を心得ている。…」

芸術養成所とはスパイ養成所でもあり、忍者養成所でもある!…そういえば私の学生時代の夢は「版画のできる女スパイになりたい」でした。この夢を叶えるためにはこのような養成所が必要でしたね。これからでも遅くない。スパイ修行を密かに積み重ねつつ、金銭と芸術のアウフヘーベンを目指すのだ!善良な一般市民の中で、アーティストを慈善活動家もしくはイベント屋と混同する向きがあるので「金銭と芸術の止揚」は重要な課題となりつつある。シュティルナー曰く、労働以上の対価を頂戴出来るのは芸術のみ。であるからして頑張ろう!

2015-02-08 23.11.11
「総合芸術 No.22」定価150円
昭和40年9月1日発行(発行所 TAM-TAM芸術集団)

2015-02-08 23.33.34
日本啓蒙シリーズ「日本の恐怖」
…どっちになるか?二者択一です。

「新・日本の恐怖」
蕎麦屋になるか?ラーメン屋になるか?
お赤飯になるか?お餅になるか?
オスになるか?メスになるか?
わら半紙になるか?段ボールになるか?
オナラになるか?ゲップになるか?
D J になるか?お百姓さんになるか?
オバケになるか?幽霊になるか?
高校教師になるか?変態になるか?
チーズになるか?バターになるか?
阿呆になるか?馬鹿になるか?
ヤマ師になるか?登山家になるか?

炭坑夫の義兄弟

石炭人形のタンコタロ&タンコジロの兄弟に、新しくタンコサブロが加入しました!
この前ヤフオクで『トンネル開通記念品?ヘルメットをかぶった像』という名称で出品されてるのを発見して「違うんだな〜これは石炭人形っていうんだよ。」とほくそ笑み1000円で落札。石炭人形というのは、旧三池炭鉱のある大牟田市のホームページによれば「昭和30年代、大牟田市工芸指導所が特産品の一つとして考案したのが始まりです。石炭くずであるピッチを溶かし、型に流し、固めた後、色を塗って出来上がりですが、ピッチを溶かすときのにおいがひどいため、作る人が育たなかったそうです。」…という石炭クズを利用した三池炭鉱のお土産品です。代表的な炭坑夫以外に七福神や十二支の置物、ペン立てなどが作られてたみたいです。ほかの置物は画像でしか見たことがありませんが、この石炭特有の黒さや質感は、やはり炭坑夫の像に一番適してますね。
私が石炭人形と出会ったのは6年前、下北沢のリサイクルショップの店先でした。黒光りする労働者の像に力強い魅力を感じて購入(1000円ぐらいだったかな?)。家で調べてみて初めて石炭で作られた人形だとわかり、もともと炭坑に興味があったので、この三池炭鉱の「残像」をモチーフに2009年「昭和残像伝」というタイトルで個展を開催し、三井三池三川炭坑炭塵爆発事故と松谷みよ子の炭坑の民話をイメージした作品を何点か展示しました。タンコジロはその時にヤフオクで落札した弟分です。
めったに出品されるこのとのない石炭人形。偶然検索でひっかかった縁で、サブロも我家の炭労に加入決定。三人集って組織力アップ!!同胞の再会に皆うれしそうです。

2015-02-03 22.12.01
ゼネスト!大動員!総評・炭労

2015-02-03 22.20.09
「タンコタロ」地元の彫刻家の手による作品でしょうか?優れた写実性で労働者の凛々しさが表現された秀作。

2015-02-03 22.21.13
「タンコサブロ」二重瞼のくっきりした大きな瞳とアルカイックスマイルが魅力的な好青年。

2015-02-03 22.26.32
「タンコジロ」あどけなさの残る少年炭坑夫。グッとこらえるような口元に健気な覚悟を感じる。

2015-02-03 21.52.40
節分なので豆まきをしました。川崎大師祈祷済み、OKストアの煎り豆で!
『熱烈なオーケーファンの2015年のお幸せを願って』それは有難い!
でも、どうして私が熱烈なオーケーファンだって知ってるの?
いつも299円の安ワインを「特別提供」して下さり感謝してま〜す。

てんとう虫の義兄弟

先日たまたまTokyoMXで、川崎のぼる原作のアニメ「てんとう虫の歌」を観て、ちょっと考えさせられました。今からちょうど40年前に放映されてた番組ですが、この40年という時間で随分と道徳観が変化したんだな〜と改めて気づかされた。主人公の孤児たち7人兄弟(通称てんとう虫兄弟)がバラック小屋に身を寄せ合いながら、ド貧乏でも協力し合って元気はつらつ生活するというさまを、ギャグと人情エピソードを交えて描かれているのですが…21世紀の常識やモラルをしてみればNGな表現や軽犯罪スレスレの行動が目立ちます。
今回見たのは『負けるなラーメンお爺さん』というお話。屋台の車輪がドブ板にハマってしまい、途方に暮れているラーメン屋の老人を手助けしたてんとう虫の男衆。しかし勢い余って屋台は坂道を小石のごとく転がり塀に激突し大破!責任を感じた兄弟達は、たった一つの財産だった屋台を失って身も心の荒廃した老人(泥酔してボヤ発生!反省ゼロ)を知恵と力を合わせて復活させるのでした。…とても良いお話なんですが、手段がけっこうキワどい。「金を集めて屋台を買っても受け取らないだろうな。爺さんは頑固者だから。」ということで廃品を集めて兄弟で制作することに決定し、スクラップ屋のおじさんに話をつけて材料を譲ってもらったり(大人顔負けの交渉術)さらに成金家庭で見栄っ張りなクラスメートの前で「新しいスチール家具は最高だネ」とわざと大声でニセ情報を流し「てんとう虫兄弟が持っててボクが木製家具を使ってるなんて!」と対抗心を焚付け、その思惑通りに、翌朝ゴミ捨て場には木の机と本棚が廃棄されているのでした。すごい巧妙な手口だ!目的の為ならウソも謀略も暴力もいとわないてんとう虫兄弟は、このだまし取った家具と集めたスラップで屋台を作り上げ、お爺さんにプレゼントします。年寄りっぽい不潔さが原因でラーメン屋が閑古鳥だったことを知っていた兄弟は、涙と鼻水を流して歓喜にむせぶお爺さんに「おっと、もう鼻水はダメだぜ!」と純白のユニフォームをぽいっと投げて渡します。シビレる!なんか貧困の赤裸裸さといい、この老人の無自覚でダメなところを描いてる点もストレートで嘘っぽさがなく気持ちがいい。
末っ子のひよ(5才)は平気で飲酒するし、長男の火児(ボクサー志望)は言葉と同時に手が出るし不道徳極まりないのですが、しかし筋がとおってるのがてんとう虫兄弟。…晴れてラーメン屋として復活したお爺さんは、てんとう虫一家(動物達も含め)にお礼のラーメンを振る舞いますが、兄弟達はキッチリお代を払います。「爺さん、ちゃんと商売しようぜ!」と火児。「そのかわり牛乳をとってくれよな!」「僕の新聞もとってください!」とちゃっかり営業し「これでオアイコだ!」と貸し借りをつくらない男気!(てっきり商売敵だと思っていた隣のモダンな屋台の店主が「お爺さん良かったな…」と優しく祝福するシーンも泣けます)
義理と人情が「道徳」をあっさりと凌駕する、そんな任侠ちっくな世界が子供向けアニメにも息づいてたとは!(当時見てたはずなのですが…)70年代はまだそんな道徳観が許される時代だったんですね〜。このてんとう虫兄弟はまさに「残侠」の子供達です。クレームや炎上におびえて直ぐ「自粛」する世の中ですが、こんな悪くて良い子のテレビ漫画を見るのも悪くない。結果的には良い事で何が悪いのか?善良さばかりが支持されるナマヌルさには丁度いい刺激です!(キャラクター設定では小6の色っぽい月美お姉さん、マッチョな男児たち。そして犬やブタまでも肉感的!それも刺激的です!)

。。。朝のニュースで後藤さん殺害を知りました。宗教上の戒律で生きたり死んだり殺したりする世界の人達に関わる無力感。自由主義の経済国家に身を置いても、自分たちの戒律どおりに行動して「冷遇されてる」とルサンチマンいっぱいに逆ギレされてもね。思考、判断、行動すべてを信仰に丸投げしてる人間に進歩なんてあるのか?平和なんて永遠に訪れないだろうな。一方、殺された後藤さんはプロテスタント。社会的弱者(または異教徒)を救済&改善できるという楽観的プロテスタンティズムがあったのかどうかは知りませんが、寛容と博愛の出所がソコなら変に納得してしまいます。

2015-02-01 18.37.42
「てんとう虫の歌」の給食袋
ここにはいないがマッチョ犬「カラ兵衛」は、幼い頃うちで飼っていた凶犬ゴロに似てます。
ゴロは家族以外の人間に十中八九襲いかかります。私も家の前を通る子供を見境無く突き飛ばしていました。その過剰なテリトリー意識は野獣並み!(いちおう対策はされてましたが…)