月別アーカイブ: 2015年7月

ただいま。

ただいま〜!といっても三日前に東京に帰ってきたのですが、爽やかな緑の楽園から突然、息をするのも苦しいような熱さと湿気の地獄に落とされ暑苦状態で何も出来ず…。いの一番にショックだったのは、40日ぶりの我が家の玄関を開けたとたん鼻を突く不吉な臭気!冷蔵庫に青カビ、クーラーに黒カビ、こたつの天板にフワフワのカビ。速攻きびすを返して青森に戻りたくなりました〜。
これにとどまらず、留守中に届いた不動産屋からの「老朽化に伴う撤去要請」の便りにまたショック。たしかに安藤忠雄モダン建築での近代生活から、このカビに支配されたボロ家の暮らしに戻って「なんか無理」とは正直思ったけど、にしても私は何処へ行ったらいいのでしょうか?まず開催予定の「さいたまディスリンピック2020」の準備をする場所を確保しなければなりません。いっそのこと吉見百穴を美術工場化するか?
こんな煩わしい悩みもなく、無邪気に制作に没頭できた青森が懐かしい!(ひと月後はまた青森だけど)帰京後に仲間から「居酒屋で吉幾三に遭遇!」と報告を受け、それが殊更に恨めしいです。

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私だけ吉幾三に会えなかった慚愧の念は、この青森の少年が代弁してくれるに違いない。

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青公大の女生徒二名が「むささび忍者を一緒にやりましょう」と誘ってくれたが実現せず。むささび忍者が火薬で炸裂する姿を見たかったです。これも心残り。

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自分用のお土産は青森の特産品ではないですが、入手時の喜びはお土産メモリーに等しい。

美術労働者

本日より青森ACACレジデンス展「永遠の一日」がはじまりました。約40日間、一日12時間の作品制作はほぼ労働に等しいものでありましたが、勤勉(青森では勤勉という評価を得ています)実直に労働した結果、他の作家の手伝いが出来るほどの余裕を持って完成に至りました。
かつて東京で、展示作品完成が遅延しまくって涙で詫びを入れるような出来事もままありましたが(思い出したくも無いが)そんな緩慢な体たらくを曝していた自分がまるでウソのよう!勤勉のレッテルがはがれないよう、この調子で無人島「残暑展」も滞り無い作品増加を図りたいです!

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美術労働者(休憩中)サンドラ壁画の「波」を担当

アイライク

いうまでもなく、国際芸術センターであるここACACでは、様々な国籍の人が滞在し青森の風土に触れ芸術に親しんでいます。2日前からは金髪長身の素敵なゲルマン男性が隣の部屋に宿泊しているので、私は思い切って話しかけてみました。
「アイライク、ジャーマンカルチャー、アンド、フィロソフィ。アイライク、マックスシュティルナー、アンド、フリードリッヒニーチェ、アンド、クラフトワーク。アイライク、ジャーマンパンツァー、ティーガー、ヤクトパンター、エレファント!」
こんだけドイツが好き、ということを訴え、歩み寄りを図ったつもりですが、配慮のにじむ彼の笑顔に何だか申し訳ない気持ちに…。結局はもっと英語を勉強しなければならないのでした。

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滞在作家仲間のブラジル人、サンドラがくれた木製の鳩。
これはカトリック宗派の魔除けの飾り物だそうです。とても可愛い!
昔、バイトの先輩(日系三世)から仕込まれた、挨拶程度のブラジリアン・ポルトギーが大変役立ってます。サンドラからは「恋人募集中!」という便利な言葉を教わった。ブラジルに行ったら(今のところ行く予定はないですが)使ってみたいです。

ZAN SHOW予告

ここ青森では新作展示に向けた作業を行いつつ、帰京後、無人島プロでの開催を予定している展示(残暑見舞い実演販売)の準備も進めています。とりあえず予告ビラ、告知等に使用する図版の制作と、残暑見舞いの下絵の作成をしてみました。
8月7日スタートで週末3日を3セット実行する予定でおります。無人島で残暑見舞いの実演制作しながら展示作品を増加させてゆく、ということになってますがネタが尽きると制作が滞ってしまうので、皆様から図柄の提案、要望をドシドシお寄せくださると大変有難いです。

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公立大の芸術サークル女子(彼女等の正体が判明)に好評だった装甲車の図を紙版画にした。作業場にあったボール紙で間に合わせたら、思いがけずツィメリット効果が生まれました。

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ファイニンガーを過剰に意識した人生の並木道。
カテゴリー「古賀メロ」は残暑見舞い絵葉書図案の一部です。

永遠の一日

果てしなく長いように感じられた青森の日々も、作品の完成という目下の課題に追わわれるがまま、あっという間に時は過ぎ、残すところ一週間となりました。
イスラエル人のギルは、初日から大蛇が道を這うのを目撃し(動画撮影成功)、なんと昨夜はキツネと遭遇したそうです。私はというと、池の排水溝で昼寝する普通のヘビしか見つける事ができず(速攻逃げられた)…様々な境界をまたげる人間と、狭窄な心持ちの人間の差(彼ならUFOも呼べそう)がここに出たといえましょう。この歯痒い思いのまま帰郷せねばならないようです。

…で。今週末25日からこのアーティストレジデンスの展覧会『永遠の一日」が始まります!オープニング及びギャラリートークも予定されているので、初日見学されたい方は青森行きの準備をよろしくお願いいたします!版画、壁画、映像、立体のほかにヘビ、カエル、クワガタ、カブトムシ、珍しい蛾も運が良ければ見れるかも?

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全部刷れた〜(泣)みらいバージョン部分より。

☆告知☆ 青森ACAC レジデンス展『永遠の一日』
7月25日〜9月13日(会期中無休)

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葉っぱにみえるアケビコノハは最近よく見る蛾の一種。
美術作品以外にもこのような蛾も観賞することができます。

激写!

レジデンス生活も早一ヶ月過ぎ、慣れない共同生活(一人になりた〜い)愛想笑いでしのぐ英会話(会話は大概不成立)などで疲労もだいぶ溜まってきましたが、写真など撮って息抜きをしております。これは最近激写した2枚です。

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萬鉄五郎「歯をみせる男」
講演室本棚の図録のページにいたヤバイ奴。
こんな陰影の深い木版画をいずれ彫ってみたいと思っています。

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百匹以上の大型アリによる同族同士の戦争は一昼夜続き、大半のアリが噛み付き合って死亡。大量に残された屍は中型アリの巣穴に全て運ばれていきました。大型アリは闘争心ばかり強くてあまり利口ではない。

イメージソング

青森公立大学の公式イメージソング募集を知って早速ペンをとり30分で書き上げました!仲間からの「一緒に応募して賞金10万円で旨いもの食べよう」という共同執筆の誘いを勘違いし勝手に一人で作詞してしまいましたが、不阿久悠ダマシイに火がついたらノンストップ!誰にも止められない!中庸な校風に檄をとばすロマンチック・アジテーションソング(松本隆風)に仕上がったと自負しております。

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ポエム『学究は葉ずれの音と』は誰かさんの大学ノートを覗き見してしまったような…そんな面映さと青臭さに満ちた歌詞。「冬のグランド 無知の雪原 一歩ふめば無邪気な僕はむかし」…三番は雪に埋もれる美しい校庭をイメージしました。
既に曲がきまっていて、このメロディーに合わせて詞を付けなければならない、という事実を後で知りガッカリ!凡庸で退屈な曲にヤル気を削がれる。

 

女学生の壁新聞

かねがね隣の公立大学学生と話がしてみたいと希望していたのですが、思わぬかたちでそれは実現しました。一昨日の夕方に女学生3人組が私の作業場に現れ、「壁新聞の記事取材」の旨で現在製作中の作品説明、質疑応答を求められました。勿論こころよく応じました。
まだ子供っぽい女学生達は、作品の内容や制作過程をおとなしく聴いたのち、自由になんでも質問していいよ。と促すと次から次へとなんでも尋ねてきました。しかしそれらは全て作業机に散乱する気晴らし小道具に対する無邪気な関心だったのです!ポータブルCDプレーヤーを見つけて「これ何ですか?」と聞いてくる「これで音楽を聴くんだよ」と教えれば「うわ〜レトロ!」と返ってくる。この調子で「何のCDですか?」「これは90年代のサンプリング音楽で、レコードを沢山もってる人がツギハギで作った音楽だよ(ストックハウゼン&ウォークマン)」と説明すると「ヘェ〜アハハ!」と反応。机に積まれた本に興味津々の様子なので「気晴らしに読んでる本だよ」と教えてあげれば「“悪霊”なんて気晴らしになるんすか?」と大方未読だろうに生意気な態度です。「これはね、頭のおかしい人が大勢でてきて面白く、とても気晴らしになるんだよ(ドス先生名著。ステパン氏が好きですが)」と説明してあげても例の「アハハハハ」で、理解したのかよくわかりません。あれもこれもと矢継ぎ早に質問しといて「アハハ」で済ませてしまう無邪気さに、こちらも「アハハ」と返すよりほかありません。
部活動なのか何なのかこちらは説明もされぬまま、西日の眩しい創作棟に幼い女学生達の笑い声は響きわたり、和やかな空気のまま取材は終了しました。
(今回の取材記事はバス停など公共の場での掲示を予定しているそうです)

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女学生に大好評!残暑見舞いの下絵(Sd.kfzシリーズの朧げな印象をツギハギした特殊車輛画)
青森滞在中はヤフオク禁止、の誓もむなしく落札された詩集は色ガラスの街。

モヘアちゃん

夕方、繭を作る場所を探してノロノロとコンクリート床を這うヤママユの幼虫を見つけ「がんばれ〜」と声援を送っていたのに、夜中この幼虫を誤って蹴飛ばす(感触は踏んだかんじ)という失態をおかしてしまいました。あんなにかわいい、かわいいとはしゃいでたのに本当に愚かです!!人間の気まぐれな愛情や憐憫のしおらしい感情など、少しの油断や不注意(飲酒後の歩行)でその浅墓さが露呈されてしまうものです。私はそれを知っていたはずなのに。否、知ってるつもりだったのに…「私、幼虫を殺してしまった!」創作棟のベランダに絶叫はこだまし、グッタリうなだれて萩原朔太郎の『雲雀の巣』を涙目で三度黙読して自戒の念を心に刻みなおしました。
一時間ほど経過したでしょうか、ガラス越しにレジデンス仲間の永岡氏の影。ホラホラと指差す先には地べたを元気に這う幼虫の姿が…「おお神よ」創作棟の創作の神に感謝!私は最悪の失敗を償えるチャンスを与えられた。
その後、幼虫は優柔不断な性格から右往左往し、10mぐらいの長距離を行ったり来たりして姿を消しました。無事にアメージングな蛾になれるかな?

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「名前をつけようよ」というギル氏の提案で『モヘア』と命名。
ドイツ製の突っ掛けが小さく見えるほど幼虫は巨大。

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柱のてっぺんで繭になりつつあるモヘアの先輩。

焼ソバが挟まれて

ACAC近隣で唯一買い物ができる場所といえば、隣の公立大学の売店です。このお店の特色は、学生に好まれる少数先鋭の菓子、パン、おにぎりが毎日「売り切れる個数」のみ陳列されることです。一番目を引く平台の駄菓子の数は圧倒的ですが、それだけ大学生が駄菓子を要求しているからに相違ありません。50代後半とおぼしき女性店員の笑顔をいままで一度もみたことがありませんが、愛想のない接客のなかで常に「学生が何を欲しているのか」を観察し取り寄せている優秀な人だとお見受けました。
サンドイッチ、菓子パン、おにぎり、大福、シュークリームの類は、午後3時頃にほぼ売り切れるので、品物の選べる午前中に出向かねばなりません。おとといはシュークリームを購入すべく11時に行きました。まだ昼休み前とあって選り取りみどり。私はその中に魅惑のパン「お好み焼き風サンド」を発見!シュークリームはやめにしてこっちを購入。謎めくサンドに抗う余地なし!

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「お好み焼き風サンド」
発売元の工藤パンとは青森拠点のローカルパン会社

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食べかけで失礼いたします…。
これがサンドの断面。もっちりとした厚めのクレープ生地に、申し訳程度のキャベツが入った焼そばがどっさり挟まれている。これは旨い!(むしろ広島焼き風でありますが)
私は青森滞在中に最低でもあと3回は食べたいと思っています。(サンドの為に大学に通う所存です)

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これはイスラエルから参入した滞在者、ギルがくれたお菓子。胡麻50%という胡麻主体の香ばしいお菓子です。
彼は未確認飛行物体を呼ぶ集会などで河川敷で演奏してそうな音楽(サイケデリックトランスというヤツか?)を流しながら作業しているオシャレさんです。精神世界に誘われそうで少々迷惑ですが、お菓子をくれたので許す。