月別アーカイブ: 2014年3月

棄民の春

明日からはエンゲル係数高いお宅を直撃!の8%消費税スタートです。国会議員の定数是正や財団法人への予算カットなど宙ぶらりん状態、お上の努力も見えぬままの増税には納得いかね〜憂鬱なる4月が始まります。
3月は「忘却禁止月間」と決めてブログを書き始めたのですが、振り返ると支離滅裂ですね…。
震災の事も原発も空襲も毒ガスも思いつくまま、まとめのないまま今月も終了です。反省!
…申し訳程度ですが、締めくくりに只今横浜美術館で開催中の「ニッポン木版画展」に出品してる『噫!怒濤の閉塞艦』の制作した当時に書いたテキストを載せます。これから展示をご覧になる方は参考までに読んでみて下さい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー『噫!怒濤の閉塞艦』

1904年(明治37年)日露戦争において、大日本帝国海軍はロシア帝国海軍・旅順艦隊を海上封鎖すべく、 旅順港入口を自らの船舶を沈めてバリケードを築く作戦に出た。この「旅順口閉塞作戦」は三次にわたって 実行されたがいずれも成功せず、ロシアの機雷に触れて爆発した先頭の船を、目標到着の合図と勘違いした後 発隊が次々と自沈してしまったりと失敗の連続であった。(最終的な犠牲者は90人にものぼった)  しかし、日本はこれを「失敗」とせず、戦死した広瀬少佐(死後に中佐に昇格)を軍神と崇めて、その悲壮 な武勲を歌に物語にと宣伝し、古き良き日露戦争の勝鬨エピソードの一部となった。  その後も日中戦争、太平洋戦争と戦いが続く中、多くの「軍神」が登場し、大本営発表の欺瞞の声は敗色を かき消す断末魔の叫びと化した。

原子力発電における「安全神話」も然りである。度重なる大小の事故を隠蔽し続け、事故を真摯に検証する ことよりも、ひたすら「安全性」のアピールに金と力を注ぎ、自らが「安全神話」の催眠術にかかってしまう 体となったのだ。  明治三陸大海嘯など津波被害の少なくない太平洋沿岸の立地であるにもかかわらず、天然の防波堤である崖 を切り崩して原子炉を設置したのはコストダウンという当座の理由だけであった。  アメリカのメーカーGEと「ターンキー契約」(原発一式セット販売)を結ぶために、高所に設置する際に 必要な揚水ポンプの経費をケチッたのである。(堅牢な岩盤に当たるまで掘削したというのは建前)  未来の安全性を軽視した拙速な建設がまねいたこの大惨事は、顧みてまさに「自沈」である。  爆発した福島第一原発という巨大な「閉塞艦」の出現に、或る人は出口の見えない惨禍に苦しみ、或る人は 遠くから「絆」という甘言にすがり、そして多くの人が忘却し、無き物のように振る舞う……。

明治三陸大海嘯には「風俗画報」というリアルな史料が、広島の原爆には丸木夫妻の「原爆の図」があるよ うに、記録画は「忘却」の「防波堤」である。  「噫!怒濤の閉塞艦」には、広島、長崎、ビキニ、福島の核と原子力にまつわる簡単なクロニクルが描かれ ている。(右端の船は放射線の汚染を調査する環境観測船「みらい」=原子力船「むつ」の船幽霊)  自分のキラキラネームしか読み書きできない子孫しか生き残っていない後世がおとずれたとしても、一目で 分かる「失敗の手引書」となれば良いと思う。

2012年 風間サチコ

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「噫!怒濤の閉塞艦」      2012年制作

☆告知☆
横浜美術館『魅惑のニッポン木版画』開催中です!〜5月25日まで(閉塞艦、平成博を出品!)

BUY or DIE !!!!!!

消費税増税まで残すところ3日ですね。みなさんいかがお過ごしでしょうか?
たかが3%、されど3%。1万円の買い物をすると800円の消費税。300円も値上がりするって考えると居てもたってもいられないません!とりあえず必需品を買い置きしておこうか、と勇んで行った大型スーパーには真剣な顔でカートを押す人人人、人の波。
トイレットペーパーの棚は空っぽです。「増税前の需要高で生産が追いつきません。」の張り紙。なぬ〜?オイルショック!増税されても無くなるわけではないのに…日本人にとって排便後お尻が拭けないのは死活問題!この「買溜め渦」は震災直後の空気を思い出させます。我先にという熱気にやられ戦意喪失しました…。冷静になって単価が高めで購買頻度の高いものだけ購入。インスタントコーヒーが無いと死ぬので、とり合図10本ストックしました。カフェイン中毒者の必需品。

せまる増税の足音。頭蓋骨にこだまする BUY or…DIE !!!!!と脅す声。 逃れるどころか取り憑かれ、この一ヶ月間メチャクチャ買いまくった。ドリスヴァンノッテンのブーツ、ジバンシーの香水、グッチのベルト、マルジェラの足袋ブーツ2足etc…(以上ヤフオク!笑。)この世(5%時代)は終わる!終末気分で奢侈を貪りつくし、踊れ!死の舞踏!似非ブル上等 !!! いえ〜い!
このように浮き足立って無駄な買い物してる人はたぶん私だけではないハズ、と思いたい…。

4月になったら物欲の憑き物がおち、反省の日々が待っているだろう。そして今日とどいた一冊
『唯一者とその所有』俺にとってすべては無だ!by スティルネル….早速勉強いたしま〜す。

足袋ブーツ
『ブルジョワジーの蹄』こと足袋ブーツに王手!
おお、マルジェラ神よ!こんなに安く入手して申し訳ございません!!! 所詮わたしは泥棒貴族です。

とり合図。

むつ市の田名部バスターミナルを拠点に、恐山や原子力船むつの原子炉室が展示してある開発機構運営の「むつ科学技術館」などに行ってきました(2年前だけど…)。
六ヶ所村レポートのついでに青森フォトアルバムの一部です。田名部の場末感がたまらない!

とり合図
とり合図 二つ三つ 謝らなきゃ〜ならな~い〜こと~が~あ~る〜♪(BARBEE BOYS ごめんなさい)
田村石油
言葉は大切に…。一つ、一つ、田村石油。地主からメッセージポエム。
駐食。
駐車場だけど食堂でもある。
たなぶ。
「風。夕ぐれ…金魚。くノ一…」ドブ板上に紡がれるドラマたち。生活排水の香りをそえて…。
泥棒貴族
そうさ、泥棒貴族とはアタイのことさ…!

融合炉は電気毛布の夢を見るか?

25日のニュース「原子力機構 一部を放医研と統合へ」…。
項目が多くて面倒くさいからと点検箇所を故意に減らして「点検漏れ」を指摘された『もんじゅ』管轄組織、日本原子力研究開発機構。いくらなんでもこれでは…と文部科学省から組織の見直しが進められています。それが今回の核融合エネルギー研究機関と放射線医学総合研究所の一部統合による新しい法人の発足計画です。(原子力村の生き残りも大変ですね!)
先進分野である放射線医療研究を充実させた新組織、というのが名目ですが、この核融合エネルギー研究機関というのが本当に無駄なダメ組織なので体のいいリストラ統合といった所でしょう。
ちなみにこの原子力開発機構、青森研究センター・核融合エネルギー研究センターにも潜入してきたので写真で紹介しま〜す。

核融合エネ研
ここが六ヶ所村にある原子力開発機構、核融合エネルギー研究センターです。
広大な敷地に立派な研究施設がたっています。肝心の融合実験炉の存在しない空洞ですが!
2005年、核融合実験炉『ITER』の誘致レースでフランスに敗北。実験炉のない実験と研究が続く…
それでも年間15億円の予算がつきま〜す。一部、復興予算からも計上!
タダでは見れぬ無尽蔵エネルギーの夢…。
ITER
『ITER(イーター)』の模型。これがこの施設に来る予定でした。模型だけ、悲しい〜。
核融合実験炉『ITER』は日本、EU、米、露、中、韓、インドの共同出資で只今フランスで建設中。
この実験炉の建設と維持だけで1・6兆円かかるんだってー!!!! 実用化ムリでしょう。
開発機構の人に「実験炉がないのに何を研究してるんですか?」と率直に訊いてみたら
「ブランケットやコイル等の部品の研究をしてます。」とのこと。部品の研究…。
トカマク!
核融合炉とは?風間スパイノートで説明しますと(汚字でスミマセン)
「トカマク」というプラズマ閉じ込め装置内で、重水素(D)とトリチウム(T)に不規則な高速運動をさせて、粒子の衝突=DT核融合反応をしたときにヘリウムと中性子が発生。トカマク外部を包むブランケットに中性子が飛び込みブランケット内のリチウムと核反応して発熱。ブランケットに巡らせたパイプ内の水が熱水になり、その熱で蒸気を発生させてタービンを動かし発電させるシステムです。リチウムと中性子が核反応するとトリチウムが合成されて燃料が得られる…そうです。これが無尽蔵たる所以。
熱の発生→蒸気→タービン発電…という所は核分裂の熱エネルギーを利用した軽水炉と同じ。
…結局、蒸気とタービンって産業革命時代から変わらないんだね〜。トリチウムはウランより安全というのがウリです!
ノート!
用意した8項目の質問。係の人があまり詳しくなくて役に立たず…(案内係には適任)
スパイノートで「核融合炉♡愛」を演出し、楽しく会話することができました!
しかし聞こえる言葉は「ここの予算は潤沢ではない。」「村の中でも予算が少ない」のボヤキ。
震災後でも身内の心配しかしない法人体質!村の中にも村がある。どっこい原子力村は健在です。
…カフカの「城」の世界にも似た周辺と空洞が、ここ六ヶ所村にはあるような感じがしました。

目的をもたない目的

オランダ・ハーグで24日夜に開催された核安全保障サミットにて「目的なくプルトニウムは持たない」と安倍総理は表明した。日本からプルトニウムをなくす、という意味ではない。どうやら「プルトニウムを使った原子力開発を今後もつづける」ということらしいです。
プルトニウム所持の最大の理由であった「高速増殖炉もんじゅ」の本格的稼働の見込みはもう無い。通常の核燃料に比べて二倍の高レベル放射性廃棄物が出るプルサーマル発電でプルトニウムを消費しよう、なんてどう考えてもありえない。プルサーマル用の核燃料は通常の原子炉で燃え残ったウランから取り出したプルトニウムですが(MOXはこれにまたウランを混ぜてペレットに加工する)、このプルサーマル用の燃料を加工する六ヶ所村再処理工場自体が未完成で、日本中の原発から核廃棄物が集まってきても加工出来ずに保管庫状態なんです。なんと8年前のアクティブ試験開始から終了予定が20回も延期されて、もう予定も未定!2010年完成予定も今年に延期されたけど絶対無理でしょう。そんなこんなでプルトニウムが44トン。いちおう東海村の開発機構の研究用プルトニウム331キロをアメリカの低濃縮ウランと交換するらしいけど…小手先だね〜。
ていうかウランもいらないし!
福島第一の汚染水管理も出来ず、核燃料サイクル工場も完成せず、核燃料サイクル推進の閣議決定もされてないのにこの発言。安倍晋三、きみは信用できない男だ。

核燃工場.
原燃PRセンターから見た「六ヶ所村再処理工場」
この時、2012年には13年10月にアクティブ試験終了の予定でした。いまだ終わらず…。
試験運転中も空に海に放射性物質を垂れ流す未完の工場!
動燃
日本原燃「原燃PRセンター」このパビリオン然とした姿!年がら年中博覧会気分。

ブラックジョーク

三年前の今頃、原発事故によって急に高まった原発に対する関心と懐疑のなかで、一つの動画が発掘され世間の人々を愕然とさせた。それが「プルト君」がナビゲーターをつとめる『プルトニウム物語 頼れる仲間プルト君』という1993年に旧動力炉・核燃料開発事業団が制作し原発のPR施設で上映されていたというアニメです。
「プルトニウムは青酸カリのように飲んだらすぐ死ぬという劇薬ではありません」「プルトニウムは水と一緒に飲み込まれても、ほとんど吸収されず、体の外に出てしまう」「胃や腸に入った場合も、ほとんどが排泄されて体の外に出てしまいます」「プルトニウムが原因で癌になったと断定された例はありません」とプルト君が屈託の無い態度で説明。飲んでも大丈夫?即死しなければいいのか?もうムチャクチャです!その上、プルトニウムの安全性の疑いに対しては「オバケは怖い怖いと思っているから怖いだけ」「正しい知識があれば怖い物などない」とまるで懐疑心を抱く奴は無知蒙昧なだけ、ただ臆病風が不安を煽っていると言わんばかり。
これが90年代に行われていた「安全神話」広報。この可愛いプルト君の屈託ない態度、高を括った不遜な態度(ムカつく)が原子力開発関係者の一般庶民に対しての「チョロいぜ」という本音を露呈しているのではないのでしょうか?
トラブル続きで本格的な稼働はすでに不可能な「高速増殖炉もんじゅ」。その燃料として軽水炉で燃やされたウランの燃えカスを「リサイクル」(核サイクル。この言葉のカラクリ!)したプルトニウムが使用される予定でした。もはやプルト君存在意義なし!プルトニウムは核兵器原料であり半減期2万4千年という超危険な放射性物質です。
一昨年、青森県の六ヶ所村の日本原燃のPR施設に行ったが、震災が起き、もんじゅ稼働も望みなしという現状で、まだ「MOX燃料」にしがみついて続投ムードでした。そして「ここら辺にも活断層走ってるってテレビで見たけど大丈夫ですか?」とコンパニオン嬢に質問したところ、「学者の言うことはマチマチですから!」と意に介さぬ態度。やっぱりね。震災後もこうやってマジメに職務に徹しているわけです。(フランスでやってもらってる核廃棄物ガラス固化キャニスタの価格とかも勿論教えてくれない。どえらい高くて言えないか?)
…で、こんなボールペンをヤフオクで落札。プルト君のフィギュア結構良く出来ています。こうゆうPRグッズにもお金かけてバラまいてたんですな〜。

プルト君
同封されてた紙切れ。『このボールペンは地球環境にやさしい素材でできてます』
地球環境にやさしい!笑。ボールペンがね。「疑わなければ安全だよ〜!プルトより」
えねぱ
六ヶ所村役場で「次世代エネルギーパーク」を見学する電気自動車がタダで借りれま〜す!
「科学大好き♡善良な主婦」イメージの扮装にて。今見るとちっとも善良そうでは無い。

焚書と不死鳥

最近、電車の中で本を読んでも乗り物酔いしなくなりました!いままでは活字を目で追ってると必ず気持ちが悪くなるので、乗車時間が長くて退屈な時も本は開かずに中吊り広告など眺めて過ごしてました。どういう体質の変化か分かりませんが兎に角嬉しい。昨日は遠い所に住んでいる友人、彼女のお気に入りの一冊、ブラッドベリの『華氏451』を車内で読みながら恒例の南部古書会館「五反田遊古会」へ…。
今回も遊古会は期待を裏切りません!そして昨日は何故か『梅原北明』祭り!赤いドリルさん出品の「えろちか/エロスの開拓者 梅原北明の仕事特集」を皮切りに「変態資料」「グロテスク」「文藝市場」…とエログロ雑誌大放出なのです。梅原北明に関する情報はネットで探しても少ないので「仕事特集」はありがたい!北明は今一番気になる格好いいアナキスト(と私は思っている)です。「発禁王」こと昭和初期エログロ出版界のオルグ、梅原北明。彼は弱冠26才にして翻訳した『デカメロン』をベストセラーにし、同じ年に雑誌『文藝市場』を創刊、編集、経営!(文藝市場では街頭で原稿の叩き売りをする、というパフォーマンスまで…)その後もシリーズ「変態十二史」雑誌「変態資料」「グロテスク」と警察、内務省の弾圧によって何度も「発禁処分」を食らい刑務所にぶち込まれてもなお手を変え品を変え、恐ろしいバイタリティーで雑誌を刊行してゆきました。
…そう、それはまるで不死鳥。焚刑に処された書籍の山、かつて黒い活字が、踊り、息づいていたであろうページは、もはや白い死灰と化し、支配するものは死の世界。だがしかし、生命はそこにあった。赤く燃える炎は、不死鳥に生命を与え、白い死灰は羽毛となり翼を形成する。火を焚き付けるほどに蘇る命、彼の書いた書物は、紅蓮の炎に羽を広げ、再び生き返るのである。
(な〜んつって!ブラッドベリ風に書いてみた。)
私が梅原北明の仕事に感動を覚えるのは、その反逆性が思想や政治的なものでなく、全てがエロとグロの美意識に由来しているところです。誌面を埋め尽くす博識撩乱の活字、美しい意匠。一流の書店の本棚を飾るのにふさわしい佇まいこそが、教養も美学も無い国家権力の番犬、警察を嘲笑う「反体制」なのです。…ここでサラっと書くのには忍びないので、もっと勉強してから詳細を書こうと思います…。
それにしても『華氏451』やオーウェル『1984』を読んでると、「歴史を抹殺されないように古本を死守しなければ!」という気持ちが滾ってくる。関東大震災、大空襲の火焔地獄を生き抜いた古本達…ありがとう。古本の防人(?)気分で蔵書は増えるばかり。451、1984のディストピアが現実になったら真っ先に<思考犯>で連行されて処刑だろうな。本も私も炎上DEATH!

(昨夜放送されたNHKの特集ドラマ「東京が戦場になった日」つまらなかったな〜。東京大空襲を舞台にした消防隊員ヒロイズム。空襲の阿鼻叫喚、国の愚策、防空描かれず、少年の純粋な使命感とか経営委員の百田が喜びそうだね。雨のちハレルヤには毎日辟易だけど「ごちそうさん」の方が銃後ドラマとして優秀です!)

北明
発禁王。エログロ出版のオルガナイザー!不敵な面立ちの梅原北明(1900〜1946年没)
エログロ誌
昨日の収穫の一部。文藝市場「暑苦(ショック)号」は二冊目!
五反田南部古書会館での古書展、次回開催予定は以下のとおりです。
☆本の散歩道 4/18・19 ☆五反田アートブックバザール 4/25・26 ☆五反田遊古会 5/16・17

終わりの始まり

2011年3月12日。11日の大津波によって電源喪失した福島第一原発は、次々と冷却機能が失われメルトダウンし、発生した水素ガスの爆発によって建屋が損傷。この日、一号機爆発の映像をニュースで見た瞬間「ああ、終わったな。」と思いました。
2002年に田中角栄の列島改造論をテーマにした作品を制作したころから、この原発というものに懐疑心を持ち始めました。取材で新潟の田中角栄記念館(道の駅私物化!)や刈羽柏崎原発のPRセンターに行ってきましたが、コンパニオンのオネエちゃん(元ヤン風)の案内がひどくて「JCO
の臨界事故のようなことが原発でも起きる可能性はありますか?」との見学者の質問に「あぁ〜。あれはタマタマなのでぇ大丈夫ですっ!」。。。一瞬にして、もうこのコには何を訊いても無駄、これ以上訊くまいという空気に…。「あえて」知識の無いおバカを採用した防護壁!これは東電の防衛戦略にちがいない!おそるべし。
原発関連施設は他にも見学しましたが、おおよそこんなユル〜い空気でした。「原発は安全だからピリピリする必要は無いんだよー。」と現場から自己催眠のPR活動。だがしかし、この愚鈍な態度こそ怪しいと思ってました!デッカいエビフライ付き幕の内弁当を振る舞い「原発は安全だったよ〜、東電さんは良かったよ〜とお家の人にも教えてあげて下さいね!」って幼稚な刷り込み作戦に騙されるかーっ!(このPR費用も電気代に加算されてるのだからタチが悪いよね。)
「安全神話」を流布した側も、何度も何度も「安全です」と言っているうちに「本当に安全なんだ」と自分たちが洗脳されてしまったような安全への確信と無邪気さすら感じました。

原発の安全神話の崩壊は突然でした。けれども原因をたどれば必然だったとも言えます。単純に原子炉の設計寿命を40年から60年に延長したことから間違ってます。廃炉にするにしても金がかかるし、廃炉後に出る大量の核廃棄物の処理もメドが立たない…。それなら限界ギリギリまで働かせよう!…一度稼働させたら「終わり」にすることすらままならないのが原発です。
「収束宣言」も唇寒し。いまだ汚染水が増え続け、だだ漏れし続ける福島第一原発。「終わり」を見いだせないまま安全神話の再構築、原発の再稼働をすすめる安倍政権。はやく終わってほしい!

福一手紙
『東京電力福島原子力発電所』お知らせと完成予想図絵葉書(ヤフオクで購入!)
「東京電力では、長年の研究・調査の結果、安全で信頼性のある原子力発電所を建設できる確信を得ましたので、福島県に当社最初の原子力発電所を建設することにいたしました。現在工事は順調に進んでおります。」
(建屋建設の鍬入れ式が1967年なので、その頃に関係者各位に配布されたお知らせでしょうか?)
福一イラスト
上:東京電力福島原子力発電所1号機完成予想図(全景)
天然の防波堤、崖を23mも削って整地。GEとのターンキー契約の設備にあわせた結果低地に設置することに…揚水ポンプの建設をケチらなければ津波を避けられたかも?
下: 東京電力福島原子力発電所1号機完成予想図(主要設備)
真っ先に海水にさらされて電源喪失した「タービン発電機」建屋。一番海に近い場所に発電機!

失せ物絵馬

ずっと以前に、作品の参考資料として船絵馬の図版を探しているとき「漁撈伝承」(川島秀一著)という本で「失せ物絵馬」という面白い海上信仰を知りました。
この失せ物絵馬は、おもに三陸沿岸の宮城県釜石あたりから福島県いわきまでの海に近い場所にある神社に奉納される(というよりも勝手に貼ってある感じの)絵馬です。
絵馬というと木の板に彩色画が描かれている額絵の奉納絵馬や境内に提げられた小絵馬が一般的ですが、失せ物絵馬はフツーの漁師さんや船主さんが、油性ペンでチョロっと絵を描いた画用紙や半紙の紙絵馬です。素人っぽい線の感じがとても良い味をだしてます!描かれている物がとても面白く、包丁、ノコギリ、ナイフ、銛等の道具から錨やスクリューやモーターといった大きな物までの「金物類」です。なかにはリアルな描写の絵馬もあります。
その日の漁が大漁になるか不漁になるかは、天候や運に左右される漁師達にとっては日常生活でも「切る」「失せる」「サル」いう不漁を連想させる言葉自体がタブーだったりする訳ですが、その「切る」道具の金物類を船の上から海の中に落としてしまう、無くしてしまう事はとても縁起が悪く、それ以上に金物嫌いの海の神「龍神様」の逆鱗に触れてしまう禁忌行為だそうです。
失せ物絵馬には、龍神様に落とし物を報告して詫びるという大切な意味があるのです。失せ物と落とした日付と船の名前か個人名が明記された絵馬は、神社の祠のなかや、石碑などに糊で貼付けられます。紙にサラっと絵を描いて手早く貼って奉納することで、祭事の日などを待たずに個人で祓いが済まされるという便利な絵馬のようです。それはタブーをおかした気持ち悪さからいち早く解放されて気持ちよく漁に出るための、ある意味「合理的」な習俗なのかもしれません。

…今日で東日本大震災から3年目です。「失せ物」というにはあまりにも甚大な喪失をどう埋めていけば良いのか?人命、財産、時間…さまざまなものが失われましたが、当事者でない自分としては浅はかな同情を寄せるだけの3年間でした。同情は同じ情けと書きますが、同じレベルとは程遠い薄情けに過ぎません。慚無い現実を他人事に思わないように努めても、ふと気がつけば対岸に遠ざかっていく感情に我ながら失望!
津波が呑込んでいった「失せ物」を絵馬に記そうとすれば何枚紙があっても足らない。そして奉納されてきた三陸沿岸の神社は残っているのでしょうか?(無事だといいのですが…)
不可抗力な現象、自然が起こす結果に対してどう気持ちに折り合いをつけ平穏さを取り戻すか?
先人のおこなってきた自らが平穏に暮らすためのささやかな信仰。民間信仰の中にのこされた非合理的習俗の合理性に妙用をみいだせたら…。と思いを馳せることすら呑気な綺麗事に過ぎないかもしれません。まだまだ残された人間に課せられたものは大きいです。

失せ物絵馬
失せ物絵馬を再現してみました。本物はもっと味があります…。

パラダイスlost,パラダイス

昨日から、我が無人島プロダクションにて松田修君の個展『PARAdise lost,PARAdise』展がいよいよ始まりました〜!
2012年の『ニコイチ』では「生と死」「破壊と再生」「不浄と聖」といった対極した概念がつねに『対』でありつづけること、「二つで一つ」という表裏一体性を日常的なモノ同士をプラスすることで表現した作品の展示をしました。今回はそのコンセプトの続編ともいえる「マイナス」=喪失に注目し、ロスジェネと命名された世代の一人としてとして、いったい何をを「ロスト」したのか?そんな疑問を自身にぶつけながらも、作品を介して観客にも訴えかける、というと大袈裟なんですが…。何かを無くしちゃった感を日常から拾い集めた着想からの笑いで投げかけてきます。

…帯封だけの一億円の札束の山、消音機の無いバイクが奏でる「禁じられた遊び」、日々の株価変動で一喜一憂の空笑い…。喪失した空しさの中に、無くしたからこそ見えてくる「実体」が浮き上がってきます。失うことは「負=マイナス」の面だけではなく、逆に無いことで得られるものを探しだせばいい!そんなポジティブな気分になれる展示だと思います。
「楽園から神に追放されたアダムとイブ。けれど地上も楽園だった。」という松田君の「失楽園」の「楽園」も同じ地平にあるとの思いが「パラダイスlost,パラダイス」略して『パラパラ』という一見能天気なタイトルに表されているのです。
必死にテーマに向き合い熟考したすえに誕生した超ナンセンス!!ぜひとも皆様にご覧なって頂きたい展覧会です!

壁ドン
無人壁ドン装置『むじどんくん』一号機 [恫喝]
(壁を叩く行為のネットスラング。主にひきこもりの人が親に意志を伝える為の行為=「壁ドン」する装置として発案。隣人や親を恫喝するバージョンとしてイメージ。)
扇風機のモーターを利用してます、結構早いピッチの壁ドンにノイローゼ必至です!
…余談ですが、うちの隣のバアさんが雨戸開閉のたびに発する「汚いっ!どうして庭の掃除しないのかしら?」というデッカい独り言など、隣人ストレスの数々を思い出す〜。
そして『むじどんくん』二号機 [悲哀]は絶望的な独り言と無気力な壁ドン!
マツカゲさん
『無億円』の帯封の山と松陰浩之さん(100万円の帯が一億円分!無常と常在をイメージ。)
漆黒の盆に盛られたクリーム色の帯封と紫色の縮緬の質感がなんとも美しいです!
0億(1)
「ここに現ナマが一億円!」心眼で無理矢理のぞきこむ似非セレブ風間。
安土城
『安土石垣五重塔』
(天守閣=主役を失った安土城の石垣=脇役の五重塔模型)カワイイ…。

☆『PARAdise lost,PARAdise』松田修展 無人島プロダクションにて4月12日まで開催!☆